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私は大学で物理学を学んでいます。
ある固体の比熱の温度依存性を4Kから300Kまで測定しグラフ化したのですが
その解析にあたって転移エントロピーを求めろと言われました。

エントロピーの計算だと積分すればいいのはなんとなくわかるのですが
測定データから具体的にどのようにアプローチをすればいいのかわかりません

ちなみにラムダ型の相転移が複数あります

A 回答 (3件)

siegmund です.



> C/Tを積分するとエントロピーそのものがだと認識

それで正しいです.

相転移温度を T_c,比熱異常が T_1 から T_2 の間で起こったとします.
相転移に伴うエントロピー変化は
ΔS = ∫{T_1 → T_2} (C/T) dT
です.
一方,相転移に伴う熱量変化はΔQ は
ΔQ = ∫{T_1 → T_2} C dT
です.
さて,比熱異常は T_c 上下の非常に狭い温度幅で起きますので,
積分している間 T はほぼ T_c と思ってよいです.
したがって
ΔS ≒ ∫{T_1 → T_2} (C/T_c) dT
= (1/T_c)∫{T_1 → T_2} C dT
= ΔQ/T_c
となります.
こちらが spring135 さんが言われたことです.

T 対 Y(T) = S(T) - S(4[K]) のグラフが出来たのなら
T_c 付近で Y(T) は階段に近い形で変化しているはずです.
その階段のステップの変化
Y(T_2) - Y(T_1) がΔS に他なりません.
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この回答へのお礼

懇切丁寧に回答していただきありがとうございました。
とても参考になりました。

お礼日時:2015/01/07 11:31

siegmund と申します.


大学で物理の研究と教育をやっています.

多分,グラフ化する前に温度対比熱のかなり細かい数値データがあるのですよね.
d'Q = T dS で,比熱は C = d'Q/dT です.
したがって,dS/dT = C/T で,絶対温度 T_1 から T_2 までの間のエントロピー変化ΔS は
ΔS = ∫{T_1 → T_2} (C/T) dT
です.

4[K] は液体ヘリウム温度だと思いますが,
S(T) - S(4[K]) =∫{4[K] → T} (C/T) dT
を数値積分で求めてグラフ化してみるとよいでしょう.

相転移でのエントロピー変化を見るなら spring135 さんと本質的に同じことですが
(比熱の急激な変化温度幅は通常かなり小さいので),通常は C/T を積分します.

なお,比熱異常が(例えば)磁気的転移に伴うものだとすると,
実際に観測されている比熱は磁気的比熱に格子比熱を加えたものになります.
このあたりもご注意ください.

この回答への補足

ご回答有難うございます。
参考にしてグラフ化してみました。
>相転移でのエントロピー変化を見るなら spring135 さんと本質的に同じことですが
>(比熱の急激な変化温度幅は通常かなり小さいので),通常は C/T を積分します.

ここの件がよくわかりません。C/Tを積分するとエントロピーそのものがだと認識しているのですが相転移での変化の見方を教えていただきたいです

補足日時:2015/01/06 16:04
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>固体の比熱の温度依存性を4Kから300Kまで測定しグラフ化したのですが



グラフは横軸は温度、縦軸は比熱になっているとすれば

積分回路を入れるか数値的に積算して

横軸を温度、縦軸を吸収熱量にすれば、相転移箇所でステップ状の変化があるはずです。

ステップの高さを温度で割れば転移エントロピーになります。

この回答への補足

ご回答有難うございます。
数値的に積算してエントロピーのグラフを書けたと思うのですが
ステップの高さというのはステップする前の数値とステップしたあとの数値の差でしょうか?
それともステップしたあとの数値のことでしょうか?

補足日時:2015/01/06 16:01
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