No.2ベストアンサー
- 回答日時:
再びお邪魔します。
手元に固体物理学の演習書がありましたので、
本件と関係ある式を、メモの意味で書いておきますね。
温度が、その金属のデバイ温度より十分低いとき、
金属結晶の比熱Cは
C = γT + AT^3
ここで、
第1項γTは電子比熱、第2項AT^3は格子比熱。
γ = π^2・D(εF)・k^2/3
A = 12π^4・Nk/(5Θ^3)
T:絶対温度、D:電子の状態密度関数、εF:フェルミエネルギー、
k:ボルツマン定数、N:アボガドロ数、Θ:デバイ温度
カリウムの場合、
γ = 2.08mJmol^-1K^-1
A = 2.57mJmol^-1K^-3
というわけで、第2項(AT^3)が支配的になりそうです。
よって、デバイ温度Θがキーポイントになりそうですが、
金のデバイ温度は165K、鉄は420Kだそうです。
http://www4.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=467288& …
金は鉄より重いので、#1の私の予想は間違いのようです。
No.6
- 回答日時:
N0.4です。
説明不足の点がありました。
気体の場合は温度が上がったときに分子の運動エネルギー増えます。
固体や液体の場合は運動が自由にできないためにほとんど振動エネルギーが増えることになります。
したがって水分子の振動の自由度が比熱を高くしている要素となっています。
因みに液体から気体になるときは熱がすべて運動エネルギーに消費されるために温度が上がらずに気化するために熱を吸収することになります。
物質が内部に持っている様々なエネルギー(磁気エネルギーを含めて)熱との関係を知らべると興味深いですよ。
No.5
- 回答日時:
比熱というのはどういう意味を持つのかとか、物質による違いはどこから来るのかというような事を考える場合はやはり粒子数をそろえることが必要です。
質量で考えるというのは日常的な実用の立場のものです。粒子数をそろえて考えるというときには普通モル比熱(単位はJ/K・mol)で考えます。
金属の場合、常温では種類によらずにほぼ一定値になります。
Al 24.4, Zn 25.5, Fe 25.2,
Cu 24.5, Ag 25.5, Au 25.4
デュロン・プティの法則として知られています。
エネルギー等配分則で自由度6の場合に対応します。
ポテンシャルの場の中で振動しているとすると位置エネルギーと運動エネルギーに均等にエネルギーが配分されます。運動エネルギーはxyzの3方向です。位置エネルギーの3方向を考えて自由度6になります。
1自由度当たり1cal/K・mol=4.2J/K・mol(=R/2)のエネルギー配分です。
質量の違いは出てきません。
気体の場合にもエネルギー等配分で説明されています。高校の教科書でも気体分子運動論で扱う内容です。
単原子理想気体は自由度3ですから定積比熱は3cal/K・mol=12.6J/K・molです。定圧比熱では膨張に伴う仕事にエネルギーが必要ですので5cal/K・molになります。
2原子分子の場合は5cal/K・mol,7cal/K・molになります。質量に関係なく自由度で決まっています。
理科年表に載っている値を使って定圧モル比熱を求めると次のようになります。
1原子分子
He 20.9, Ar 20.9
2原子分子
H2 28.3,N2 29.0 ,O2 29.5
HCl 29.6、 CO 29.0
水の比熱は特別なものではありません。気体で比べると違いは出てきませんのでくの字も関係が無いことになります。
水蒸気H2O(100℃) 36.9
硫化水素H2S(15℃) 36.0
二酸化炭素CO2(16℃) 36.8
変わっているのは分子量が小さいにもかかわらず液体であるということです。水素結合によるものです。普通の分子間力は分子量と共に大きくなりますが水素結合はその大きさの順序を逆転させるほどのものです。
液体の水の比熱は1cal/K・gですから1molでは75.6J/Kです。気体の比熱との差が分子間力に伴う位置エネルギーに相当します。
比較のために酢酸とエタノールの値を見てみます。
298K(液体) 400K(気体)
酢酸(分子量60) 123.4、 81.7
エタノール(分子量46)111.4 87.0
この場合も液体と気体の値の差を分子間力によるものと考えます。分子量18の水の場合の分子間力相当分は39Jです。分子量60の酢酸の分子間力相当分は42Jです。
水素結合が普通の分子間力に比べて大きいというのがわかると思います。
No.3
- 回答日時:
No.1 & 2さんは金属の比熱について解説してくださったようなので、それ以外について。
金属では電子を固体中で理想気体のように振舞うとして扱い、その電子が熱力学的性質を決めるとして理論付けます。気体は理想化して理論付けしやすいのです。液体や固体はいろいろな因子があるのでここでは気体を考えます。
気体では、おおむね分子量が大きいほど比熱は大きくなっています。例を分子量とともに示すと次のようになります:
ヘリウム(4) < メタン(16) < 酸素(32) < 二酸化炭素(44)
この理由は次のように説明できます。同じエネルギーを与えたとき、分子量が小さい分子ほど速さが速くなります。温度は分子の速さを反映しているので、分子量が小さいほど温度上昇が大きくなります。同じエネルギーを与えた時の温度上昇のしにくさが比熱ですから、分子量が小さいほど比熱は大きく、分子量が大きいほど比熱は小さいとなります。
No.1
- 回答日時:
>>>たとえば、比熱の大きい物質は分子量が大きいとか?
むしろ逆です。
たとえば
金属同士で比べると、原子量が大きいほど比熱が小さいです。
↓
http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~masako/exp/netuwo …
以下、根拠の無い暴走。
乱暴な考察をしますと、
仮に全ての金属の原子間のバネ(結合力、格子振動)が大体同じ!であるとすると、
比熱というのは"単位質量当たりの熱容量"なので、
つまり、原子量が大きい金属ほど、大きな数が分母に来る。
「単位質量当たりのバネ(?)の振動のしにくさ」が小さく見える。
よって、原子量の大きい金属ほど、"比熱が小さく"なる
・・・というようなイメージなのではないかと推測します。
(根拠も無く勝手なことを書いてますが。)
なお、上記リンクの表を見ると分かりますが、水という物質は極めて「普通でない」物質です。
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