No.3ベストアンサー
- 回答日時:
ハイレゾとスーパーオーディオは事実上同程度のものと考えて良いでしょう。
ついでに現在製作される新しい録音のCDも。CDは、一般的な成人には充分なキャパシティを持っていますが、初期のリニアPCMには少し問題がありました。
どうしても、アナログによる20KHzローパスフィルターを通さなくてはならないという問題です。急峻なアナログフィルターの特性により偽の信号が発生してしまう。この対策としてサンプリング周波数を高くして偽信号を人の聞こえない音域に移動させる技術が生まれました。これにより可聴帯域での品質が向上しました。
偽信号の発生した例
https://www.youtube.com/watch?v=aY5434q__ME
発生しない例
https://www.youtube.com/watch?v=qNf9nzvnd1k
https://www.youtube.com/watch?v=cvBtQmY2B5I
前者2例は、本来のスイープ信号とは別のスイープが発生しているのがお聞き取りいただけますでしょうか?
これは、標本化時点で発生したものです。スイープではなく音楽なら聞き逃す可能性はあります。
サンプリング周波数を高くして、偽信号を可聴帯域から追い出してデジタルフィルターでカット(ダウンサンプリング)すれば、発生しない例が作れるのです。
これが、音源製作における最大のハイレゾ必要理由です。
現在では、録音時にアナログ信号をSACDのような1bitダイレクトストリーム信号にサンプリングした後に、96KHz24bitなどに標本化しなおされます。標本化しなおすのはダイレクトストリーム信号のままでは(例えば音量一つとっても)加工技術が無く全く修正不可能だからです。従って24bitなら計算上144dBのダイナミックレンジですが、DSDの主要可聴域でのダイナミックレンジとされる120dBまでで制限されますが、実用上問題ないでしょう。可聴高音域のダイナミックレンジはダイレクトに標本化された44.1KHz16bitより劣りますが、偽信号が無くなる利点で相殺とします。
再生時にも偽信号が発生しますので、リニアPCMをそのままアナログにコンバートするのではなく、一旦SACDのような1bitダイレクトストリーム信号に変換してからアナログに変換する方法が今日の主流です。
従いまして、SACDで供給される音源もDSDでも96KHz24bit以上のハイレゾも、何度かサンプリングのコンバートが行われており同じと考えて良いでしょう。
また、旧PCM録音はともかくとして、ハイレゾからダウンコンバートで製作されるCDもほとんど同じ音に聞こえると思います。
元々CD(44.1KHz16bitリニアPCM)という規格は、人が腹いっぱいになれる容量を持った器なので、(偽信号による食味の低下がなければ)器がハイレゾ(食べきれない大きさの器)になっても、特異体質の大食漢でなければ食べられる量は変わらないでしょう。
調理人(音源製作側)にとってはハイレゾで録音する事は調理加工する為に非常に有効ですが、消費者にとってのハイレゾがメリットが大きいかというと、さほどではありません。ヘタをすれば、調理加工で出たゴミも器の周辺にくっついたまま配膳(リリース)される可能性だって有るのです。
なお、デジタル信号もそれを運ぶのはアナログ回路ですので、アナログ回路、特にデジタルアナログ変換部分が正確なデジタル波形を保てるかどうか、が音質を左右するのは言うまでもありません。
参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/Super_Audio_CD
とても深い内容を教えていただきましてありがとうございました。
ハイレゾも作り方によっては必ずしも良いとはならないのですね。
とあるニュース番組の特集でCDは耳で聴くがハイレゾは身体で聴くので脳に快感を与えるとかやってました。
本当にそうであればハイレゾに挑戦してみようかと思いましたが
もう少し様子見する事にします。
No.4
- 回答日時:
【はじめに】
昨今のハイレゾの取り上げかたには、
一般の音楽ファン向けに、
「今まで皆さんが扱ってきたCDよりも音質が良いですよ!」、
と言っているのと、
コアなオーディオファン向けに、
「今まで扱いが不便だった高音質音源が、手軽になりましたよ!」
と言っているのと、
2つの意味があるのだと解釈していただけると良いと思います。
【スーパーオーディオとハイレゾについて】
スーパーオーディオ(SACD)もハイレゾの部類の一つと考えてよいと思います。
参考URLのJEITAという機関の定義では、「CD スペックを超えるディジタルオーディオ」とされています。
データの方式としては、
SACDと同じDSD方式、
CDと同じPCM方式、
の2種類があります。
このうち、DSD音源と、CDを超えるスペックのPCM音源をハイレゾ音源と言って良いでしょう。
単にスペックだけで言うと、DSD音源の中にはSACDの2.8MHzを超え5.6MHzのものもあるのでSACDよりも音質が良い(はず)のものもあります。
しかし、一般に言われるハイレゾはPCM音源で、96kHz/24bitあたりのものが多いように思います。
スペックだけで言うと、これらのPCM音源はSACDを超える物ではありません。
(しつこく「スペックだけで」と言っているのは、音質は音源の作り方や再生機器によって変わるからです。PCMではDSDを超えられないと決めつけるものでもありません)
【違いについて】
では、昨今話題のハイレゾと従来からあるSACDとでは何が違うかというと、
「持ち運びや再生の容易さ」です。
少し時代をさかのぼって、CDが登場した頃は、音楽はCDプレーヤーでしか聴けませんでした。
(カセットテープなどは置いておいて…)
それが、パソコンやiPodのようなデジタル機器に取り込めるようになったお陰で、
場所を選ばず大量の音楽を持ち運び、複数のアルバムをまたいで自分の好きな曲順で、
あるいはシャッフルして聴くことができるようになりました。
最近ではiPodのような専用機器だけでなく、スマホに取り込んで聴くことも当たり前になっています。
SACDは、このように音楽を聴くスタイルが変わり始める頃に登場したのですが、
パソコン等には取り込めない仕組みで、高価な専用プレーヤーでしか聴けないものでした。
これが、メジャーにならなかった理由だと考えます。
一方、最近のハイレゾ音源は、
パソコンやウォークマン等から直接ネットで購入することが前提になっています。
また、多くの場合、著作権保護処理が施されておらず、
パソコン・ウォークマンなどに自由にコピーして使えるので便利です。
(数年前までは著作権保護をかけるのが当たり前で、聴く機器ごとにお金を払って買わないといけない状況でした)
【最近話題になっている理由】
現在ではネット配信が普及し始めており、SACDと同じDSD形式の音源も配信されています。
SACDは容量が大きいため(DVD相当)、登場時にはパソコンにアルバム何枚分も溜めて置けませんでしたし、ダウンロードするにも時間がかかって仕方が無い状況だったので、その当時にディスクメディアの形にしたのは当然だと思います。
現在は、
・SACD何十枚分ものハードディスクが当たり前になった
・ネットが高速になった & iPodやウォークマンから直接購入できる仕組みができた
・小型再生機器のアンプの質が良くなり価格が下がった
・配信側が思い切って著作権保護処理を外し、ユーザーの使い勝手が向上した
ということから、これまでオーディオの世界とは距離を置いていた一般の音楽ファンにも
ハイレゾを普及させられる時代になったと考えられます。
コアなオーディオファンの方も、
SACD何十枚分もの高音質音源をネット購入してハードディスクに入れ、
それをネットワークに対応した高級アンプで聴く、という新しいスタイルで楽しむことができます。
参考URL:http://home.jeita.or.jp/page_file/20140328095728 …
そうなのですね。
SACDが出だした頃と今では時代背景が変わりハイレゾがもてはやされるようになったのですね。
ハイレゾが取り扱い易さや携帯性がいい事が良く分かりました。
ハイレゾが将来配信だけでなくメディアで流通してレンタルとか出来るようになればいいですね。
No.2
- 回答日時:
CDを超える音質を目指して作られたのがSACDでCD以上という点ではハイレゾ(ハイレゾリューションオーディオ)といえると思います。
一般的な96kHzや192kHzだけでなくSASDの信号をPCで扱えるようにファイルにしたDSDもハイレゾとなっています。
ということで、ハイレゾでもファイルがSACDと同じDSDであればデータ上はSACDと同じでありSACDと音は変わらないとなるでしょう。
SACDが流行らなかったきっかけはCDと違いコピー不可能だったからだと思います。
それに対してPCだとファイルですから扱いも簡単だし曲単位で買えるので同じ音がもっとお手軽になったといった感じでしょうか?
SACDもハイレゾと考えてもいいのですね。
確かにSACDですと据置専用プレーヤーが主な再生環境ですので取り扱いが限られますね。
あまりメジャーにならなかった理由が分かりました。
ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
「スーパーオーディオ」というのは、SACD (Super Audio CD) のことでしょうか?
そうだとすると、直接的な回答は「異なるものなので単純比較できません」です。
従来のCD等のデジタルメディアは、基本的にリニアPCMという方法で音声信号をデジタル化しています。たとえばCDの場合、44100分の1秒ごとに(サンプリング周波数44.1kHz)、65536階調で(ビット数16bit)、標本化(デジタル化)しています。
ハイレゾとは、これをそのままスケールアップさせたもので、たとえば96kHz/24bitといった規格が一般的です。従来技術の延長線上にあるのでオーディオ機器の開発が簡単で、パソコンでも標準で取り扱えることから、いわゆるPCオーディオの広まりとともに認知度が上がってきています。
これに対して、SACDではDSDという方法でデジタル化します(より正確にはDSDは商標で、技術的にはPDMという方式です)。これはリニアPCMとは原理が異なり、超高速でサンプリングする代わりに(たとえば2.8MHz)、全て1bit(つまりオンかオフか)で表現します。
大雑把にいうと、リニアPCMと比較して(データ量が同じなら)よりアナログに近い波形を再現できる反面、高音域ほど再現性が下がり、ノイズ量も増えるというデメリットがあります。
DSDの最大の難点は、パソコンでは取り扱えない点です。つまり、iPodやWalkmanなど一般的なポータブルプレーヤーでは聞くことができず、パソコンを使って聞く場合も反則技を使うしかありません。何より、現代の音楽制作にはパソコンが欠かせないので、制作サイドとしてもDSDは面倒です。
そういった理由で、DSDよりはハイレゾの方が作りやすく、売りやすく、扱いやすいので、話題も多くなります。
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ただ、レコード会社やオーディオ機器メーカーが宣伝するほどハイレゾが凄いもの、という訳ではありません。宣伝文句の7~8割は間違った(誤解を招く)情報を流しています。たとえば、「超高音域が記録・再生できるから高音質」というのは間違いで、「ハイレゾにすると、副産物として超高音域まで記録できてしまう」というのが正解です。
「ハイレゾ対応」を謳った製品も、半分くらいはウソが含まれています(特にスピーカーやヘッドフォンは大半がウソと思って良い)。
ウソをついている張本人は日本オーディオ協会という業界団体なので、非常にタチが悪いです(ハッキリ言って詐欺紛いです。電子情報技術産業協会 (JEITA) もハイレゾの定義を定めていますが、こちらはウソは言っていません)。
ハイレゾに全く意味がない訳ではなく、技術的には高音質が期待できますが、業界が腐っているので、あまり過度の期待はしない方が良いでしょう。
とても詳しい解説ありがとうございました。
ハイレゾに対してあまり期待しない方がいいのですね。
ハイレゾを聴く為には機器等の投資も必要となりますし
当面はSACDで手に入る音源で楽しんでおく事にします。
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