プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

ロードバイクなどに使用されているクロモリフレームについて質問します。1.クロモリの素材とは一体何なのですか?2.また、アルミやカーボンと比べて長所や短所についても教えて下さい。クロモリフレームはどんな走行に一番合うと思われますか?3.クロモリの耐久年数などについても教えて頂けたらと思います。

A 回答 (5件)

・・・う~ん、皆様何か色々と誤解がある様な・・・



>1.クロモリの素材とは一体何なのですか?

 鋼材、つまり炭素を含む鉄(=鋼)をベースとしてクロムとモリブデンを主な添加剤とした合金で、鉄系金属では一応『最強の合金』とされています。

※例えば。
 航空機は、アルミ、ガラス(繊維)、カーボン(繊維)、チタン、プラスチックなどで作られていますが、『脚部だけは鋼材でなければダメ』と言われ、その脚部にはクロモリが使われています。
 またレーシングカーでは、クロモリはサスペンションの部品の定番です。(サスペンションのアーム類さえカーボン繊維で作っているレーシングカーの最高峰・F1でも、非常に高い強度・剛性が必要なハブ及びアップライトという部品は、クロモリを使用しています。)

※鉄系材というと、SUS材(いわゆるステンレス。これも鉄ベースの合金です)やニッケルクロム鋼(エンジンのクランクシャフトや変速機の歯車など、超高強度が必要な部品)など、純粋な強度ではクロモリに匹敵したり凌駕している材料がありますが、クロモリはSUP材(ばね材)の一つでもあり、他の高強度材よりも粘りやへたり強さが高いという特徴があります。
 まさしくクロモリは、『鉄系最強の合金』です。

>2.また、アルミやカーボンと比べて長所や短所についても教えて下さい。

※まず予備知識として。
 材料には、大きく分けて3種類の『強さ』があります。
①破壊に至る強さを示す『強度』
②破壊には至らなくても、変形が残る限界を示す『耐力』
③繰り返し入力で材料が疲労するリミット(=疲労限界)を示す『疲労強度』
・・・で、クロモリ鋼に限らず鉄系素材は、この3つが明確に表れます。
 鉄系素材を用いる場合、疲労限界以下の入力となる様に設計するのがフツーで、故に使い続けても疲労しない=ほぼ永久に使用可能、というワケです。
 対するアルミは・・・絶対強度としては鋼材に迫るほど高強度のモノ(アルミ合金の中でも、ジュラルミンと呼ばれる種類)もありますが、アルミには明確な疲労限界がなく、どこまでのチカラなら疲労しないか?っというデッドラインがハッキリしません。(つまりアルミフレームは、疲労せず永久に使えるように設計するのは困難ということ。)
 つまり。クロモリはばね材に使えるほどしなやかですが、アルミで同様な使い方をすると、あっという間に疲労して折れてしまいます。故にアルミフレームはたわみの少ない、高剛性の構造に設計しなければなりません。

※自転車で考えると。
 ばね材としても使えるクロモリ鋼のフレームでは、サスペンションの代わりとしてフレームのたわみを利用しない設計は勿体ないぐらいですが、アルミはたわませることが出来ないので、大きな断面積(材料力学上の断面二次及び断面二次極モーメントという数値が大きくなり、高剛性となってたわみ量が減ります)で変形しないフレームとする必要があります。アルミフレームがヤケにゴツくなるのは、これが理由です。
 自転車では、アルミフレームの普及と前後してサスペンションが発達しましたが、サスが必要となったのはまさしくこのアルミの『しならせられない』特性が関係しています。(クロモリ時代はフレーム本体がたわみ、それが自転車の操縦性を決定していました。このたわみを考慮したフレーム設計こそが、各フレームビルダーの腕の見せ所でした。)

※もう一つ。腐食について。
 アルミはサビない、と信じられていますが、それはアルミ材の種類で言うと生アルミに近い1000番台だけで、航空機やレーシングカーで使われる高強度アルミ合金は盛大にサビます。
 クロモリなどの鋼材のサビは表面方向に広がり、見た目が汚くなって商品性は落ちますが、板厚方向の浸食は遅く、サビだらけの古い部品でもサビを落とすと意外に使えたりしますが、アルミ合金などは応力集中部の板厚方向にサビが進行し、強度を急激に低下させます。(実はステンレスも同様にサビます。これは原子炉のステンレス部品などにもよく発生する『応力腐食割れ』という現象で、御巣鷹山に落ちたジャンボ機も、ジュラルミン製の圧力隔壁が応力腐割れで吹き飛んだのが墜落の直接原因でした・・・)
 量産のアルミフレーム自転車では、量産性を考慮して強度的にヘナチョコだがサビ難く溶接性のよいA5052やA6063が使われていますが、それでも応力腐食割れから開放されているワケではありません。アルミフレームが永久には使えない、という話はこんな『腐食の問題』からも来ています。

※溶接性について。
 溶接自体は鉄系材であるクロモリの方が良好ですが、溶接全体の作業となるとクロモリの方が悪いです。
 鉄系材は、高温をかけると『焼き入れ』が入って硬くなるがモロくなる、っというのは中学か高校辺りの理科で習ったと思いますが、当然クロモリの溶接でも同じ事が起こります。故にクロモリの溶接部品では、比較的低炭素の『柔らかめ』のクロモリを使い、溶接後に『焼き戻し』をして強度を回復させる必要があります。(この溶接後の熱処理をしない自転車フレーム屋も結構いますが、熱処理するのが理想です。)
 またクロモリは、上述した様に非常に高強度なので板厚を薄くして軽量化が可能ですが(F1マシンに近い仕様の『スーパーフォーミュラー』のサスペンション部品では、わずか0.6㎜の板厚のクロモリパイプを使っています)、薄いパイプが溶接を更に難しい作業としています。
 自転車フレームでクロモリが全盛だった頃、パイプ同士をつなぐ部分にクラウンという部品を介在させてクロモリパイプをロー付け(いわゆるハンダ付けの様なモノ)していたのは、上述した溶接時の諸々の問題を回避するためでした。(このクラウンの美しさもフレームの価値を決める要素の一つでした・・・なんてのは全くの余談ですね。)
 さて一方アルミですが。
 アルミの溶接自体は結構難しいですが(すぐに母材が溶けて穴が空いてしまいます)、極薄のクロモリより難しいかというとそうでもなく、更にアルミには時効硬化という便利な現象があり、溶接しても放置しておくと(常温だと30日ぐらい)強度が自然に戻ります。(実際には、量産車では30日も待てないので、特殊な熱処理を加えて時効硬化の期間を短縮していますが、クロモリの熱処理よりは低温でOKで、その分軽い設備で済みます。)

※最後に、カーボンとの比較では。
 カーボン繊維でマトリクス(繊維間を束ねる物質)に樹脂を使ったCFRPは、クロモリより高強度である(=同じ強度ならクロモリよりも軽量に作れる)ばかりでなく、最初に民生用に普及したのがゴルフクラブのシャフトと釣竿だった事でも判る通り、非常にしなやかでばねの様なしなりが得られます。
 なんかクロモリよりアルミよりずっとよい材料の様が気がしますが、レーシングカーや航空機の様な、頻繁な点検(目視点検などと言う甘っちょろい点検だけでなく、クラックチェックやレントゲンチェックなどの非破壊検査も含めて)が出来ない民生用の機器では、なかなか使い難い理由があります。
 コストの問題は勿論ありますが、それより問題なのは『死に際』です。
 クロモリなどの鋼材はジリジリと永久歪み(要するに変形)が進みますし、アルミは応力集中部にヒビが入ると構造体全体がグニャグニャになり、走行中に分解する前に製品寿命を知る事は不可能ではありません。
 が、カーボンファイバは、寿命が来ても全く変形なく、ある日突然『バラバラに』粉砕します。走行中に分解したら運転手の即死も有り得るレーシングカーでは、かつてカーボン繊維に芳香族のポリアミド繊維(いわゆる『ケブラ』と呼ばれる防弾チョッキの繊維)を織り込んで、部品がバラバラに千切れるのを防いでいたほどです。
 これだけ聞くと非常にヤバい材料の様な気がしてきますが、その通りです。クロモリとは違い、『ほぼ永久に安心して使える』モノはまだ作れません。
 剛性やデザインの面で設計自由度が非常に高いCFRP(カーボンフレームがしなやか、というのはそういう風に作っているだけで、アルミフレーム以上にたわまないフレームとするのも容易です)は、自転車用フレーム材として最適なのは間違いありませんが、問題は耐久性とその終焉での『死に際』のカタチで、これらが克服出来ない限りカーボンフレームは一般的なフレームとして普及する事はないでしょう。
 などと言いつつ。
 最近、と言ってもここ10年ほどですが、カーボン繊維供給の大手・米国デュポン社から、CFRPの経年劣化にに関する論文が色々と発表されています。
 例えば・・・マトリックスのエポキシ樹脂には吸湿性があり、今まではこの吸湿性の為にCFRPの強度はジリジリと低下していくと考えられていましたが、デュポンの実験によるとそれほど性能低下は無い事が判りました。また日本に於いてカーボン繊維供給の大手・東レでは、量産に適した成型方法の研究がモーレツな速度で進んでいます。
 カーボンフレームが自転車のスタンダードとなる日が、結構近い将来に来るかもしれません。
    • good
    • 5
この回答へのお礼

ご丁寧な回答ありがとうございます。クロモリの特性、素材が良く理解出来ました。耐久性についても詳しくご説明いただきありがとうございます。カーボン、アルミとの比較についても簡潔に解説ありがとうございました。
クロモリという合金理解出来たつもりです。たいへんありがとうございましたーー^^

お礼日時:2016/03/25 08:21

1.Cr-Mo クロームとモリブデンが主な合金です。


  クロモリと言っても 色々なパイプが存在します。
  安いクロモリは分厚く重たい
  良いクロモリは、薄く軽いが 一定以上の力が加わると凹んだり曲がっちゃいま  す
  パイプの種類も プレーン管 厚みが一定(普通のパイプ)
          ダブルバテット パイプ両端が厚く中間が薄い軽くロウ付けす           る両端が厚く 加工性と強度分散に優れる
  メーカー タンゲ・カイセー(旧石渡)・コロンバス・レイノルス(今パイプ         作ってるか?(Ma-Moマンガンモリブデンパイプ)

メーカーでも さまざまなパイプを要してます。それぞれ特徴があります。

2.クロモリは、鉄と考えて下さい  フロントフォークは、パイプ素材や厚み パイプ径と用途(ピスト・ロード・シクロクロス・ランドナー・ミニベロ・スポルティーフ・キャンピング・タンデム)などに合わせ 曲げを付けます 
ピスト・ロードは少ない曲げです。ランドナー・キャンピングなどは、重量を積むのと 悪路を走るので サスペンションとしての 曲がりを多くつけます。
カーボンファイパーなどなら 弾性が有るのでストレートフォークでも 衝撃をいなしてくれます。

クロモリが最適な自転車 私の考えでは、ピスト位かな
ロードは、カーボンが良いと思います さまざまなカーボンフレームが出回ってますが 出来の良いカーボンフレームは、ペダルを踏み込んで撓む力が即座に反発力として戻り 推進力として帰ってきますよって上り坂など楽になります。
カーボンの最大メリットは、弾性によるサスペンション 乗り心地の良さです
カーボンバーにすれば路面の細かい荒れの微振動もいなしてくれます。
ロードのカーボンフレームも 昔は、主流でしたが 今は、ちょっと自転車をかじった インチキマニアが 意味のない拘りで 求めるだけの様にしか思えません
先に書いたような クロモリパイプの種類や厚さ重さ強度なども理解していないのがほとんどだからです。

良い素材でも 作るビルダーが 必要最小限のバーナー加熱でロウ付けや曲げ作業が出来ないと 良いフレームは、作れません 
鉄は、加熱(炙れば)炭素化して固くなります。しなやかさが薄れ 割れや折れの元となります。 何度もバーナーで炙り ロウ付けしたフレームなど乗りたくないです。 この点は、作る人 ビルダーによる問題で 腕の良い職人ビルダーいる工房へオーダーする由縁です。

アルミに関しては、御存知のように 軽く柔らかい素材です。固いアルミと言っても限度が有ります。なので 鉄(Cr-Mo)より厚く太いパイプにしないと持ちません
アルミ素材も様々で 5万以下で買えるアルミフレームなど アルミ缶の様な屑アルミを溶かしてるんじゃないと言われてます。
固いアルミは、ジュラルミン(飛行機の素材)ジュラルミンは、溶接ができません差し込み接着になっちゃいます。
反発力という点でも 柔らかいアルミ材の場合鈍いと感じます マウンテンバイクなどには、良い素材で アルミのロードの場合 良い走りを求めると乗り味が固いフレームになりがち 金属疲労面でも アルミが一番早く疲労すると考えてます。

3.クロモリの耐久寿命は、 湿気・錆に注意して保管すれば あなたの生きている間は、大丈夫 50年以上あるでしょうね。
素人の脚力では、金属疲労させる事も出来ないと思います。

最高級パイプコロンバスSLXや 今はありませんが石渡017などは 極単に薄いパイプな為
少し寿命も短いと思いますが 劣化して乗れないと言うのも聞きませんね
大概 車に突っ込んだり 路肩に突っ込み フレームのトップチューブ・ダウンチューブが曲がっちゃってお釈迦ってパターンが多いです。

鉄なので 錆が問題 外側は塗装されてますが 問題は、パイプ内側
水置換性があり浸透性が良い ワコーズラスペネなど高性能潤滑剤を フレーム内にスプレーし 逆さに吊るして余分な油分を流し落とすを すれば 5年くらいは、大丈夫 雨にずぶ濡れで乗り継けたらO/H ラスペネ噴射すれば 永遠大丈夫でしょう。

クロモリフレームを求めるなら どんなパイプを使ってるのか 乗り心地の違いなども理解してから選んで下さい。
ヘッドの角度や フォークの曲げでも乗り味が大きく変わります。
一般人は、ワンオフやオーダーなどせず 信頼できる 吊るし(既製品)を選ぶことがベストです。ブリジストン アンカーなどが間違いないです。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

ご丁寧な回答に感謝します。わかりやすい説明で納得できました。カーボンとの比較もありがとうございます。クロモリ寿命が半永久的と言うのも意外でしたし、反発力についても勉強になりました。アルミはいつか破断しますからねー。クロモリのお手いれ方法もありがとうございます。

お礼日時:2016/03/25 08:35

クロモリフレームの寿命は、体重や脚力等に合わせて適切な厚さ以上のパイプを使っていれば半永久的です。

鉄にはそういう特性があります。(S/N特性)
アルミ、チタンは一般的には有限寿命と考え枯れます。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

クロモリフレームの寿命が半永久的だったとは意外でした。アルミは最終的に破断するとは聞いていましたが、そういった特性が鉄にはあるのですね!
錆、重いといった欠点もありますが、弾力もあり、半永久的とあればクロモリも良いですねーー。情報ありがとうございます^^

お礼日時:2016/03/24 08:40

クロモリとはクロームモリブデン鋼の略で


炭素鋼(すなわち鉄の一種)にクロムとモリブデンを加えた合金です。
アルミに較べると硬く強く、それでいて弾力性があり(ゆえに乗り心地が良いとされる)
加工もしやすくさらに安価と、長所が多いのですが
腐食に弱いのと重いことが欠点です。
アルミは柔らかく弾力性もなく(アルミ缶を思い出して下さい)
一見、自転車の材料として不利ですが
何より非常に軽いのが魅力で、かつ鉄よりは腐食に強いですし
パイプ径を太くしたり、曲げ・折り・潰しなど形状的な工夫で欠点を克服することで
あっというまに自転車のフレーム素材の主流になりました。

> 重いし錆びるしで他の素材のフレームよりは、メリットが少ない
メリットが少ないというよりは
他の素材が急速な技術進歩でデメリットを克服してきているのに
鉄はこのところあまり進歩がないのが問題なのだと思います。
ただ、アルミは錆びにくいとは言ったものの全く錆びないわけではありませんし
(カーボンやチタンよりも錆びやすい)
一度錆びると鉄のように簡単に錆を落とせません。
鉄は容易に錆びますが、塗装などで表面を保護しますから
ふつうにキチンとメンテをしていれば
そんなに気にするほどの問題ではないと思います。

長くなりましたが
私の個人的な考えとして1日100km以内の走行では
絶対的な「クロモリの乗り心地の優しさ」はそうそう感じられないと思います。
むしろアルミ・フレームに多いゴツイ見た目&デジタルな乗り心地と
クロモリ・フレームの繊細な見た目&アナログな乗り心地の
どちらが好みか?ということではないかと思います。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

ご丁寧な回答ありがとうございます。弾力性があって、乗り心地が良いとは知りませんでした。さびや重みが欠点でしょうが、乗り心地重視と言う事を加味すれば悪いということもなさそうですね。
錆についてはメンテをきちんとすれば問題ないと指摘して頂きましたし、アナログな乗り心地の選択の余地はあるかも?と思います。
大変ありがとうございました^^

お礼日時:2016/03/24 05:45

1.クロモリの素材とは一体何なのですか?



冗談ではなくクロモリです。
正式名称はクロムモリブデン鋼(略して「クロモリ」)です。

2.また、アルミやカーボンと比べて長所や短所についても教えて下さい。クロモリフレームはどんな走行に一番合うと思われますか?

金属として高い強度重量比を有していて、溶接が容易なのでアルミやカーボンよりも工作が容易です。
ただ腐食耐性がステンレス程高くはないのでこまめなメンテナンスが必要です。

3.クロモリの耐久年数などについても教えて頂けたらと思います。

これに関しては表面処理の仕方で変わる事なので一概な事は言えません。
基本的に「鋼(はがね)=鉄合金」であることを考えていただければ良いかと。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

早速の回答ありがとうございます。クロモリはいわゆる鉄のようなものですから、腐食がしやすいのですね。初めて知りました。溶接が容易と言うのも意外でした。
メンテナンスが重要という事ですね!ありがとうございます^^

お礼日時:2016/03/24 04:46

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!