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ヴァイオリンを習っている者です。

先生から、通常のチューナーで調弦するときは、Aを基準値(たとえば442Hz)に合わせた後、DとEはそれぞれ2セント弱プラスのほうへ、Gは4セント弱プラスのほうへ合わせたほうがいいと言われました。

平均律と純正律では、5度の場合、1.96セントのズレがありますから、DとEについては納得できます。

ただ、Gは、基準のAから1オクターブ以上離れたところにあります。

純正律派であってもオクターブの概念(約束事)を守るのであれば、いちどオクターブでリセットされるわけなので、単純に「基準のAから4セント弱離す」というのはおかしいのではないかと。

ただ、考えていても私のアタマでは埒が明かず、どなたか詳しい方にご教示いただければ幸いです。(うちの先生は説明力がまったくないので、説明力のある方におすがりする次第です/笑)

A 回答 (2件)

すでに平均律と純正律、「セント」などをご承知のようなので、普通に言えば、「平均律の五度は、純正律の五度に比べ、約2セント狭い」ので、A線を基準にすると


 ・上のE線は、チューナー(平均律)で合わせると、純正五度上よりも約2セント低い
 ・下のD線は、チューナー(平均律)で合わせると、純正五度下よりも約2セント高い
 ・下のG線は、チューナー(平均律)で合わせると、D線から純正五度下(基準のA線から純正五度2回分下)よりも約4セント高い(五度2回分なのでズレが2倍)
ということです。

 平均律でも純正律でも「オクターブで周波数2倍」ということで、オクターブごとに一致させれば差はリセットしますが、ヴァイオリンの調弦の場合には「純正五度の積み重ね」(低い方には A → D → G と五度2回)なのでリセットしません。(オクターブで合わせることはしませんよね?)


 「セント」を理解されているのであれば、理論的な話をしておきましょう。興味がなければ、あるいは数学に詳しくなければ読み飛ばしてください。

 チューナーは、基準音f0(たとえばA=442Hz)に対して、各々の音の周波数を「平均律」で計算しています。
 「平均律」の半音とは、オクターブの周波数比「2倍」を、数学的に均等に「1/12」したものです。とは言っても「かけ算的に1/12」ということで、数学的には「2の12乗根」(2 の 1/12乗)ということです。
 つまり、半音の周波数比が 2^(1/12) 倍ということです。半音を12回重ねると(12回かけ合わせると)周波数比で2倍になります。

 ということで、「五度」は「半音7つ分」なので、周波数比で 2^(7/12) (2の 7/12 乗)
 つまり、基準の A 線に対して、五度上の E の周波数は f0*2^(7/12) ≒ 1.498307*f0 です。
 耳で聞いて純正五度にチューニングすれば、五度上の E の周波数は 1.5*f0 です。(純正五度とは、周波数比で 1.5 倍)
 その比(ズレの度合い)は、平均律を基準にして
  1.5*f0 / (1.498307*f0) ≒ 1.001123
です。(周波数は、すべて「かけ算」の関係なので、「ズレ」も引き算ではなく「割り算」で表わします)

 「セント」という単位は、この「かけ算の関係」を「足し算の関係」で表わすようにしたものです。つまり、数学的には周波数比の「対数」です。上記を対数で表わすと
  Re = log[ 1.5*f0 / (1.498307*f0) ] ≒ 0.00049045
となります。

 音程の1セントとは、半音の 1/100、つまり「オクターブの 1/1200 」の対数ですから
  2^(1/1200) = 1.0005778
  Rc = log[ 2^(1/1200) ] ≒ 0.0002509   (A)
となります。

 上の Re が、この Rc の何倍かというと
  Re / Rc ≒ 1.955
ということです。あなたの書かれている「E 線は 1.96セント上げる」とは、このことを言います。


 ヴァイオリンの他の弦の調弦では、五度調弦だと
  D線:Aの五度下 → (2/3)f0
  G線:D線の五度下 → (2/3) * (2/3)f0 = (4/9)f0 ≒ 0.444444*f0  ①
でチューニングします。

 このG線①が、平均律の G 、つまり
  f0 * 2^(10/12) ≒ 1.781797
の2オクターブ下、つまり周波数で (1/2)^2 となる
  f0 * 2^(10/12) /4 ≒ 0.445449*f0  ①
とどれだけの「セント」離れているか、計算できますよね。

 やってみると、①と②の周波数比は、平均律の方を基準にして、
  0.444444*f0 / 0.445449*f0 ≒ 0.997744
この対数をとると
  Rg = log[ 0.444444*f0 / 0.445449*f0 ] ≒ -0.00098094
これが (A) の1セントの何倍かというと
  Rg / Rc = -3.9097
つまり、「約4セント下げる」ということです。

 ヴァイオリンの先生は、ここまで数学的な話は理解されておらず、単に「セントでいえばこんな値」というのを知っているというだけかと思います。理科系でもない限り、ここまでの話はご存じないでしょう。
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この回答へのお礼

懇切丁寧にご回答をいただきまして、ありがとうございます。「ヴァイオリンの調弦の場合には『純正五度の積み重ね』(低い方には A → D → G と五度2回)なのでリセットしません。」という、この明確なご指摘がいちばん得たかったものでした。自分の中でもなんとなく、「純正5度調弦楽器は、その考え方を貫くべきであって、Gで妥協するというのは、結果的にどっちつかずになってしまう」と感じていたのですが、ご回答をいただけたのですっきりしました。もちろん純正5度の関係性だけで上下にどんどん音域を広げていけば、平均律との差が大きくなって折り合いがつかなくなるでしょうが、ヴァイオリンはせいぜい3オクターヴ半ですし、音の問題は周波数だけではなく、音色、演奏技術、独奏なのか合奏なのか(純正律楽器同士か平均律楽器同士か)など、そのシチュエーションによって異なってきますので、「何が美しいか」を基準に話し出すと容易に結論は出ないだろうと思います。なにはともあれ、ありがとうございました。

お礼日時:2016/09/23 07:17

全然知らんけど調べた範囲で書いてみる無謀な試み.



Wikipedia の
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1 …
によれば
・A に対して D は完全 5度 (純正律で 702セントほど) 下
・D に対して G は完全 5度 (純正律で 702セントほど) 下
なので, A に対して純正律の G は1404セントほど下の音になります. 一方平均律の G は 1400セント下の音ですから, 純正律の方が 4セントほど広がっていることがわかります. このことを「Gは4セント弱プラスのほうへ合わせたほうがいい」といってるんじゃないかな.

「オクターブでリセットされる」は何が「リセット」されるのかわからんし「基準のAから4セント弱離す」は素直に解釈するとさすがにあまりにもおかしい (「DとEはそれぞれ2セント弱プラスのほうへ」というのを「基準の A から離す」と理解していなさそうなのと比較すると不自然) のでノーコメント.
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この回答へのお礼

ご親切にご回答をくださいまして、誠にありがとうございます。「先生」というのも、大抵は「感覚派」の人が圧倒的に多いので、なかなかこういった「理屈」の問題に答えていただけないのが現状です。いただいた回答を参考にさせていただきます。ありがとうございました。

お礼日時:2016/09/23 06:59

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