No.1ベストアンサー
- 回答日時:
フグの毒はテトロドトキシンによるもの。
テトロドトキシンの半数致死量は0.01mg/kg。フグは自分自身でテトロドトキシンを作るのではありません。テトロドトキシンはある種の海洋細菌に含まれ、それを巻き貝が食べて蓄積し、さらにそれをフグが食べて肝臓や卵巣に濃縮するのです。養殖フグはエサが異なるので、毒を持っていません。ところで、フグの肝臓を食べたフグは死なないのだろうか? 自然界で他の魚がフグを食べたらどうなるか。フグの肝臓を池にいるニジマスやヤマメに与えると、口に入れた途端、吐き出すことが確認されています。魚は味覚神経で毒を感知していると考えられます。またフグ毒を魚に注射すると、マウスと同程度の量で息絶えます。同じようにフグに注射すると、トラフグで300倍、クサフグは1000倍を与えて初めて死にました。このことから、フグにはフグ毒に対する抵抗があることが分かりますが、毒の影響を受ける神経細胞が他の魚や人間などと異なるのか、無毒化する機能があるのか--その理由は分かっていません。
No.3
- 回答日時:
1994年4月4日『日本農芸化学会総会』が東京で開催されました。
その中で東北大学農学部の別名“フグ博士”安元 健(当時 教授 生理活性科学)が、
『フグはなぜ自分の毒で死なないか』の論文を発表し、
その『絶妙な仕組みを世界ではじめて解明』しています。
フグ毒の正体は他の回答者も指摘されているように、
『テトロドキシン』という『化合物』です。
動物の神経情報を伝達は、
『細胞膜の内側にナトリウムイオンが侵入』し、
『カリウムイオンが排出』されることで行われます。
テトロドキシンは
『ナトリウムイオンの経路:ナトリウムチャンネルに結合』して
その神経情報の伝達を妨げます。
結果として、神経や筋肉の麻痺が発生するわけです。
フグ毒が『ナトリウムチャンネル』に結びつく強さは、
結合部の遺伝子のアミノ酸配列によって決まりますが、
安元教授は、フグの場合は、
『この配列が他の動物と少なくとも二ヶ所で異なる』ことを発見しました。
この違いで『フグはいったん毒が結合』しても、
『すぐ解放すことから毒性が発揮しない』ことが判ったのです。
また筋肉にフグ毒を加えたところ、『許容量を越える毒』については、
『筋肉の細胞膜上にあるタンパク質内に蓄えられる』ことも解明しました。
結果としては二重の安全構造になっているわけです。
他の有毒動物の場合『毒腺』に毒を隔離していますが、
フグなどの魚介類では、毒が肝臓・その他の臓器に広く分布しているのが、
謎とされていましたがフグではその理由が解明されたわけです。
付け加えておきますが
『フグ毒が海中の細菌を起源とする物質』の発見者が、
この安元 健教授です。
先生いわく
「なぜフグは自分の毒で死なないのか?よく尋ねられたけれど、明確に答えられずに困っていた」
「自分も釈然としなかったので解明したかった」と研究の動機を話されています。
少し難しかったでしょうか?
No.2
- 回答日時:
フグの毒って「テトラドトキシン」ですよね。
有名な神経毒です。
この毒でフグ自身が死んだ所は見たことがないのですが、フグはこの毒を含むプランクトンを食べても、消化器系からは体内に吸収しない仕組みになっているのではないですか?
でも、外部から毒が注入されれば、神経に作用して死に至らしめる事になるのではと思います。
人間の場合、この毒を食べたら吸収してしまい、神経伝達を阻害され、死に至るのですよ。
同じように、有名な矢毒かえるの毒があります。
これは、矢の先に毒を塗って、動物に刺すと殺す事ができますが、これは食べても吸収されないので、死なないと聞いた事があります。
ただし、20年前に大学の授業で習った範囲の内容なので、それから科学的進歩があったかも判りません。
そうだったらごめんなさい。
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