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1. まづ粗い議論ですが 遊牧民は 農耕民が労働を生活と捉えているのに
対して 労働はしないものと思っていて 労働するほかの人間を使用するのだ
と言います。

▲ (江上波夫:遊牧民と農耕民とについて) ~~~~~~~~~~~~~
2. 牧畜・騎馬民族の特徴は 自分たち人間は労働するものではないという
考え方です。働くのは牛馬や農耕民の仕事でね。自分たちはその上に立って支
配する。軍事を司り 学問し 政治をする。

3. 牛馬と言えば もともと彼らはたいへんな発見をしている。羊 山羊 
牛と馬 これだけ飼って世界を横行することを考えた。何もない所へ行っても 
これだけで全部間に合う。食べる方は乳と乳製品で十分 毛と毛皮で 服も夜
具もテントもできる。それ自身が生きた缶詰です。

4. 鞭ひとつで草のある所 水のある所へかついでいってくれ かってに子
供も産んでくれる。あとは寝ていればみんな事足りる。人間よりよっぽど頭が
いいですよ。

5. 彼らはやがて牛馬の代わりに機械を働かせるようになる。あるいは植民
地の人々を働かせる。それが帝国主義となり 産業革命となり いわゆる近代
文明を生んだ。

6. いっぽう農耕民族は人間は労働するものだという考え方なんですね。こ
このところが牧畜・騎馬民族との大きな違いです。

7. 農耕民族からみれば 牧畜・騎馬民族には文化がない 彼らは野蛮人だ
というのですが 文化の型が違うのです。

8. 牧畜民は個人主義で 自由で 民主的です。文化は農耕民族の創出した
ものを摂取すればよい と考えている。

9. 実際にいろいろな文明を融合して普遍性のある世界的な文明をつくって
きたのは農耕民族ぢゃなく 牧畜民なんです。

10. ヨーロッパでは 地中海世界ではなくてゲルマンが牧民なのです。そ
ういう意味で 世界史における牧民の役割を明らかにするのが私のテーマにな
っちゃったんです。

(江上波夫(著者代表):『天城シンポジウム 日本人とは何か――民族の起源
を求めて――』 1980 pp.16-17 )
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

11. どうなんでしょう? グローバリズムは 遊牧民の所為なんでしょう
か?

12. そして 遊牧民は そのまま勤勉でさらにガリ勉になるというよりは
そのように働く人びとを上手に使うすべを知っていて 言わば社会力学じょう
優位に立ち 政治的な調整力や統治力を発揮する――その意味で 資本主義を
牽引しているということなのか?

13. 問題は いわゆる《政治経済学》としての分析・研究が必要か?

 


14. 江上はすでに故人であり このたぐいの江上説について論じた研究を
知らないのですが みなさんは どう捉えますか?





15. さらに資料として挙げておきます。

▲ 『江上波夫の日本古代史――騎馬民族説四十五年』)~~~~~~~~~
16. 騎馬民族の社会〔は〕

  ① 民主主義的 
  ② 主知主義的 
  ③ 機能主義的 
  ④ 国際主義的

といったような 共通な特徴をもち 

  ⑤ 優れて人間中心で 
  ⑥ すべての民族に解放的な 自由な性格の
  ⑦ 実力優先の社会であった・・・。

17. このような古代遊牧民族の社会は 《有形な文明》は持たなかったが 
《頭脳の文化》《無形の支配者文明》を持っていたので それがあってこそ彼
らは農耕都市文明地帯に征服王朝を建て 多民族の世界国家を建設することが
できたので 

18. またそこにおいては東西の文化を交流させ 地方的な土着の文明 宗
教の権威を打ち砕き それらの物質文明を人間中心の理念によって再編成し 
様々な世界文明――古代ペルシャ文明 ヘレニズム文明 キリスト教文明 仏
教=クシャン文明 アラブ=イスラム文明 ゲルマン=西欧文明などを生成す
る契機をつくった・・・。

19. すなわちそれらの文明は ユーラシア大陸の古代遊牧騎馬民族の《頭
脳の文明》 眼には見えない《無形の支配者文明》を共通の根源としてもって
お・・・ったのである。・・・(1992 p.347 )


20. 征服王朝が征服している場合は武力による場合ももちろんありますが 
むしろ軍事力によってではなく 文化的に同化したり 政治・経済的に合作し
たり 結婚や買収や 盟約や談合や 外交手段などで 戦争による場合と同様
な成果をあげて 相手を服属させたり 仲間に入れたりする無血征服の場合が
多い・・・。( p.289 )


▲ (江上波夫 vs 佐原真:『騎馬民族は来た!?来ない?!』)~~~~~
21. 近代を特徴づける

  ① 民主主義・
  ⑧ 個人主義・
  ③ 植民地活動・ 
  ⑨ 実用的な学問・実験の発達

は 本来 遊牧騎馬民族の間にあったものだと思うんです。・・・

  ⑩ 核家族制
  ⑪ 契約制 
  ⑤ 土地よりも人間を問題にする人間主義 
  ⑦ 能力主義 
  ①&⑤ 平等主義 
  ⑥ 恋愛の謳歌 
  ③&④ 開拓・植民 
  ②&③&⑦ 知識・情報の愛好など

は 早くから騎馬民族を特徴づけたものです。・・・

22. 動かざる農耕的な古代的文明をつくったものと それから 動く一
つ一つは滅びて消えていったけれども それぞれが常にその時代におうじた
騎馬民族的な役割を持ったものと その両者によって世界ができているんだ
と私は思うわけです。(1990 p.115f. )
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


23. わたしの感覚では 日本にも遊牧民の文化は入って来ていて ほか
ならぬアマテラス公民圏を成すもっぱらのアマテラス公民およびアマテラシ
テ象徴が それではないかとにらんでいますが 果たしてどうでしょう?

A 回答 (2件)

>日本にも遊牧民の文化は入って来ていて ほかならぬアマテラス公民圏を成す...


アマテラス公民圏というが何のことか不明ですが、アマテラスの時代から受け継がれていることの何か だとして。
江上波夫さんの騎馬民族征服説とは、「古墳時代」に騎馬民族に征服された、という説です。
アマテラスの時代って、いつなのですか?記紀を信用するなら、少なくても2600年前。(神武東征の年であり、アマテラスは、もっと旧い。)
安本美典説でも、アマテラス=卑弥呼。 つまり、古墳時代より旧い。
よって、アマテラスの頃にに遊牧民の文化がある、というのは、江上波夫さんの説そのものと矛盾しています。
※古墳時代以前に騎馬民族に征服された、という説も存在するが、それは江上波夫さんの説ではない。

で、江上波夫さんの騎馬民族征服説自体が、現状では青息吐息で、支持者はほとんど存在しないでしょ?
※トンデモ説でなく、学説の範囲ではあるが....


>資本主義の形成にかんする江上波夫の遊牧民寄与説
あまりに矛盾がひどくて、本人ですら、学説として意味があるとは考えていないと思うけど。

矛盾の例。
>8. 牧畜民は....
>9. 普遍性のある世界的な文明をつくってきたのは農耕民族ぢゃなく 牧畜民なんです。
>10. ヨーロッパでは 地中海世界ではなくてゲルマンが牧民なのです。
遊牧とは、定住しない牧畜  のこと、ですよね? (自然環境上、定住できないから遊牧となる。まあ常識)
ゲルマンは、「定住している牧畜」。よって、遊牧では無い。 定住牧畜と遊牧を混ぜこぜにしていいのか?
ここでダウト。(定住牧畜だからこそ産業革命を達成できた、ということに対し、江上さんの反論方法不明。)
>5. 彼らはやがて牛馬の代わりに機械を働かせるようになる。
遊牧民ではあり得ない発想。(自給自足という基本ルールに反する。)定住牧畜とか農耕 なら自給自足ルールを崩すことは、ありうる。

というわけで、遊牧を定住牧畜を一緒くたにして遊牧にした、という箇所でアウトもいところ。
よって、江上さん自身が、雑談では言うももの、学説として発表していない(発表したら即座にタコ殴り)
であって、
学説として、
「江上波夫の遊牧民寄与説」は、そんなの正式に主張されてないから誰もコメントしない
で終わりと思うけど。
 ※座談会の発言だけでは学説とは言わない。騎馬民族征服説レベルで、初めて学説。
 ※※なお、邪馬台=エジプトというトンデモ説でも学説に含めるつもり。シンポジウムの議事録って、それより価値無いです。(学説主張のルール的に。)
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この回答へのお礼

ご回答をありがとうございます。

★ アマテラス公民圏というが何のことか不明ですが、アマテラスの時代
から受け継がれていることの何か だとして。
☆ 社会が二階建て構造に成っていると見ています。一階が スサノヲ市
民圏とよぶ市民社会で 二階が アマテラス公民圏――マスコミをも含め
た広い意味での公務員の世界――のことです。

国家は スサノヲ市民の中からアマアガリする者が出て 二階に住むよう
になりました。

大雑把に言って 300年に崇神ミマキイリヒコが出て ムラヲサ(市長)
となり ミワ(三輪)政権を建てました。その後 400年ごろ 応神ホ
ムダワケが その母の神功オキナガタラシヒメのとともに のちにアマア
ガリを画策するカフチ(河内)政権を始めました。

500年ごろ 雄略ワカタケルが ミワ政権の跡取りを暗殺したりしてそ
のあとの継体ヲホドの台頭をみちびきました。このあと さらにはミワと
カフチのふたつの系譜のあいだですっだもんだがありましたが 欽明のあ
たりで 統一が成った模様です。

つまり 二階建ての社会形態つまり国家が出来上がりました。


★ 江上波夫さんの騎馬民族征服説とは、「古墳時代」に騎馬民族に征服
された、という説です。
☆ 《征服》というよりは 同化による乗っ取りでしょうね。ただし わ
たしの場合は 騎馬民族が来たかどうかは問うていません。その思想がつ
たわったのではないか? という問いです。


いくらか割愛して:
★ で、江上波夫さんの騎馬民族征服説
☆ ここでは焦点を当てていませんが 江上に言わせれば 天皇陵の発掘
を宮内庁が許可してやらせれば 百済王家の系譜だと分かる資料が出て来
るはずだと言っていました。



★ 矛盾の例。: ゲルマンは、「定住している牧畜」。
☆ 江上の言うのは 出身・出自のことだと思います。ユダヤやアラブは 
遊牧民だったけれど そうでなくなっている場合が多い。


★ ここでダウト。(定住牧畜だからこそ産業革命を達成できた、という
ことに対し、江上さんの反論方法不明。)
★ >5. 彼らはやがて牛馬の代わりに機械を働かせるようになる。
遊牧民ではあり得ない発想。
☆ 《同化》(20)という特徴・特技が いちばん大きいでしょうね。
しかも 適材適所で現地の人びとをうまく配置し動かすとか。


草々にて。

お礼日時:2018/02/03 13:39

遊牧民は元来、ファミリー単位で移動する、自給自足の民です。


また、資産ごと移動するので、財産の蓄積には不向きです。
ケニアの遊牧地域で暮した時、5度も強盗に入られ、警察に
行く度に「財産を守る力の無い者は失って当然だ」と、銃で
武装するようにアドバイスされました。
彼によると、家畜を守る力のない者は奪われて当然だそうです。
なぜなら相手は人間だけでなく、ライオンやハイエナだから、
モラルは意味がないとの事。

物々交換が発達していたのは、年に一回しか収穫のない稲作農耕の
ブータン人でした。
もちろん、遊牧民や農耕民とは別に、交易を担う民がおり、彼らが
交換経済~資本主義の土台を成したのでしょう。
「資本主義の形成にかんする江上波夫の遊牧民」の回答画像1
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この回答へのお礼

ご回答をありがとうございます。

★ ~~~~~~~
(あ) 遊牧民は元来、ファミリー単位で移動する、自給自足の民です。

(い) また、資産ごと移動するので、財産の蓄積には不向きです。

(う) ケニアの遊牧地域で暮した時、5度も強盗に入られ、警察に
行く度に「財産を守る力の無い者は失って当然だ」と、銃で
武装するようにアドバイスされました。
彼によると、家畜を守る力のない者は奪われて当然だそうです。
なぜなら相手は人間だけでなく、ライオンやハイエナだから、
モラルは意味がないとの事。
~~~~~~~~~~~~~~~
☆ 《自給自足》が 基本である(あ)が 生活するに足りない場合
には 他の人びとのモノを奪う(う)――ということでしょうか?



★ 物々交換が発達していたのは、年に一回しか収穫のない稲作農耕の
ブータン人でした。



★ もちろん、遊牧民や農耕民とは別に、交易を担う民がおり、彼らが
交換経済~資本主義の土台を成したのでしょう。
☆ この文(判断とその表明)には 悪意があるように感じます。

お礼日時:2018/01/27 22:19

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