先日、“ 数学の扱っている対象は、実在するのですか?・・・ ” の質問をし、沢山の方々から貴重なご回答を賜り、ありがとうございます。
しかし、私の頭のレベルでは、勿体なくも、完全には理解することができず、じく怩たる思いです。身の丈に合わない、あまりにも高尚な質問をしたせいだ、と自戒しております。
そこで、臆面もなく、関連しますが、程度を落とした卑近な質問を、またさせてもらいます。
質問
「ピタゴラスの定理」は有名ですね。(直角三角形では、斜辺の2乗は、直角をはさむ辺を2乗して足したものと等しい)
ピタゴラスは、この定理を証明したそうですね。
ところで、彼はこの定理を発見したのでしょうか?
あるいは、発明(創造)したのでしょうか?
{発見したのであれば、この定理がこの世に既にあった(実在していた)のだし
発明(創造)したのであれば、その時はこの定理はこの世になかった(実在していなかった)と、考えたくなります。}
No.5
- 回答日時:
発見か発明かなんて、ただの言葉遊びですよ。
どっちでもいいんです。数学で意味があるのは、証明したかしなかったかだけです。
「証明」を言い換える言葉として、「発見」も「発明」も必要ありません。
漱石の夢十夜に、運慶が仁王を彫る話がありましたか。
定理を証明するというのは、木から仁王を彫りだすようなことだと思います。
誰が仁王の姿を創造したかが問題ではない、運慶が掘り出したことだけが
確実なのです。
早速のご回答ありがとうございました。
<運慶>は、樹の中に埋もれて誰にも見えない<仁王>を見つけ出し(発見し)、ただ<掘り出>しただけのようですね。
No.4
- 回答日時:
この場合は「発見」です。
なぜなら、その定理そのものは直角三角形の性質の中に隠れていたものだからです。
ピタゴラスが新たに作った概念ではありません。
そこにあったのに誰も気づかなかったというたぐいです。
発明とは、例えば次のようなものです。
・炭化した繊維は、電気を通すと光を放つことは周知でした
・真空中では物は燃えないことも周知でした
しかしこの”直接の関係のない”2つを組み合わせることを考えたのはエジソンの全くの独創です。
エジソンが考えなければ、この2つは他の誰かが思いつくまで永遠に結びつきませんでした。
なので、フィラメント電球はたしかにエジソンの「発明」です。
ニュートンの万有引力の法則も、あれは発見ではなく発明でしょうね。
なぜなら、ニュートンは引力を見たわけでも感じたわけでも、発生しているところを観察したわけでもないからです。
ただ頭の中で「そういう概念を導入すると、天体の運行と地上の運動が統一的に説明できる」と考えただけでした。
今は重力波が観測されて重力があるのは確実視されていますが、実はそれまでは重力とは実体のない概念にすぎませんでした。
ただ、「重力がある」と仮定すると物体の運動が広汎に精密に合理的に説明できるので、あるものとして考えて一向に差し支えない、と受け入れていたすぎません。
重力以外にもっと物体の運動を精密に合理的に説明できる概念が生まれれば(つまり発明されれば)、その概念に現在の座を明け渡すべき存在でした。
早速のご回答ありがとうございます。
思いもよらなかったのは、
<ニュートンの万有引力の法則も、あれは発見ではなく発明でしょうね。>です。<引力>というものを<導入>すれば、<天体の運行と地上の運動が統一的に説明できる」と考えただけでした。>
<重力以外にもっと物体の運動を精密に合理的に説明でき>れば、<ニュートンの万有引力の法則)は立ち去ることになるのですね。
成程と唸ります。
No.3
- 回答日時:
「発見」というのは「元々そこにあるが、人間が初めてそれを認知した時に使われる言葉」です。
たとえば最近になって「火星にも水がある(ほとんどが氷の状態)」ということが「発見」されましたが、人間が見つけなくても火星の氷はずっと前から存在し、今後も存在し続けるわけです。
ピタゴラスの定理は人間が数学を扱うようになって図形と数字の関係性を「発見」したものといえます。同じように「ゼロ」も元々数学的な数としてそこに有ったものを、人間が「発見」したといえます。
これに対して「発明」は、いろいろな自然法則を組み合わせてあることができるようにすることを言います。
電球や電話を「発明」したのはエジソンですが、これは自然法則を上手く組み合わせて便利なモノを作ったので「発明」と呼びます。
早速のご回答ありがとうございます。
<「発見」というのは「元々そこにあるが、人間が初めてそれを認知した時に使われる言葉」です。>
<ゼロ」も元々数学的な数としてそこに有ったものを、人間が「発見」したといえます。>なのですね。
No.2
- 回答日時:
定理とは証明された命題のことです。
3.4.5が直角三角形になることは、ずっと以前より使われてきた事実はあります。
それらを一般化して(直角三角形では、斜辺の2乗は、直角をはさむ辺を2乗して足したものと等しい)ってのは反例見つからないしどんな場合でも成り立ちそうだなっていったら、命題です。 図形上など、何らかの形で証明したら定理となります。
だれが、証明したかについては、はっきりしていないようですが、記録上で証明が残っているのはユークリッドみたいですが、、、
ピタゴラスの定理は紀元前3世紀にユークリッドが『原論』の中で証明していますが、ここではピタゴラスという名前は出てきません。しかし、5世紀にプロクロスの書いた『ユークリッド原論注釈』や紀元前1世紀ローマの建築家ウィトルウィウスの『建築十書』には、この定理の発見者はピタゴラスであるとされています。こうした古代の文献がルネッサンス時代に見つかり、以降、ユークリッド『原論』に、これはピタゴラスが発見したと書かれるようになりました。しかし、現在では、ピタゴラスはこの定理の発見者ではないという見解が有力です。
https://www.ndl.go.jp/math/s1/c6.html
早速のご回答ありがとうございます。
<ピタゴラスはこの定理の発見者ではないという見解が有力です。>ですね。古いことだから、真相は闇の中ですね。
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