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「比較的」という言葉の使い方を訊かれて、困ってしましました。
 
「的」の用法は、下記のとおりでよいと思います。
https://kotobank.jp/word/%E7%9A%84-575235 
〈1 名詞に付いて、形容動詞の語幹をつくる。 〉
 形容動詞を認めない考え方のかたは、そのように置きかえてお読みください。
 この「○○的」という言葉は、主として下記のように使う気がします。「圧倒的」を例に考えます。 
1)圧倒的+名詞 
 圧倒的勝利 圧倒的強さ/圧倒的美しさ 
2)圧倒的+な+名詞 
 圧倒的な勝利 圧倒的な強さ/圧倒的な美しさ  
3)圧倒的+に+用言 
 圧倒的に勝つ 圧倒的に強い 圧倒的に美しい 

 多くの「○○的」は↑のように使う気がします(未検証)が、「比較的」の場合は、かなり違う気がします。
1)比較的+名詞
 比較的高価 △比較的強さ △比較的美しさ 
2)比較的+な+名詞 
 △比較的な高価 △比較的な強さ △比較的な美しさ 
3)比較的+に+用言 
 △比較的に勝つ △比較的に強い △比較的に美しい 
4)比較的+用言 
 比較的勝つ 比較的強い 比較的美しい 
「比較的勝つ」で言い切るとかなり不自然ですが、「比較的勝つことが多い」ならおかしくないでしょう。

「比較的な〜」はほとんど使わないでしょう。
「比較的に〜」もあまり見ないような。
 辞書を確認すると、ほとんどの辞書は「副詞」にしていいますが、「形容動詞」としているものもあるようです。
 さらに言うと、〈まれに「比較的に」の形でも使う。〉としている辞書も1冊見つかりました。
 どうにも「比較的」の使い方がわかりません。

 とりあえず、質問を2つに絞ります。
①「病状は比較的に良好です」のように「比較的に〜」という表現は使いますか?
②「比較的」と同様に、「○○的な」や「○○的に」を(ほとんど)使わない言葉はほかにあるのでしょうか。

質問者からの補足コメント

A 回答 (12件中11~12件)

なかなか良い問題提起ですが、相変らずの形式的な理解では問題の核心に迫ることはできません。



①「病状は比較的に良好です」のように「比較的に〜」という表現は使いますか?

使います。「比較的に良好」は和語としての使用法です。
「比較的良好」は漢語としての副詞的用法です。

間接的接触 → 間接的な接触
積極的外交 → 積極的な外交
抽象的思考 → 抽象的な思考

などと同じです。
 
②「比較的」と同様に、「○○的な」や「○○的に」を(ほとんど)使わない言葉はほかにあるのでしょうか。

直ぐには思い浮かびません。

ここでは、何が問題かというと「圧倒的」は属性表現の語、つまり活用を持たない形容詞と同じで、言わば形容動詞の語幹に当たります。したがって、和語として使用すれば、「圧倒的な強さ」「圧倒的な速度」「圧倒的に優位」「勝利は圧倒的だった」のように形容動詞として使用されます。漢語的な熟語として使用すれば「圧倒的優位」「圧倒的強度」「圧倒的速度」のようになります。

しかし、「比較的」は属性表現の語ではなく、本来の副詞だということです。
副詞は本来、活用を持ちません。

形容詞と副詞の相違は何かといえば、形容詞とは実体の静的な属性表現の語です。動的な属性表現の語が動詞です。形容動詞を含め用言と呼ばれます。

では、副詞とは何かといえば、情態副詞と程度副詞があるように、この属性の抽象的な在り方、つまり情態や程度を表わし、属性表現の内容を具体化、立体化し表現するもので、属性表現の語に副(そ)うという意味で副詞と呼ばれます。

「比較」は物と物、事と事とを較べることで、物、事それ自体の属性ではありません。それゆえ<比較的>も物や事それ自体の属性ではなく、「比較的自由」「比較的困難」のように、「自由」「困難」という静的な属性の情態、程度を表す副詞になります。

このように、「比較的」は形容動詞ではなく副詞なので属性を表わす、「早い」「美味い」「強い」などの形容詞や、動詞「走る」「飛ぶ」などと組合せ、「比較的早い」「比較的走る」、又「比較的整然としている」「比較的優位」のように使用します。

和語の副詞が「ガタガタ【に】なる」「目茶苦茶【に】なった」のように、格助詞「に」で位置付けて表現されるように、「比較的に早い」「比較的に面白い」「比較的に自然だ」のように「に」で位置付けされることもあります。

このように、形容詞と副詞の本質、相違をしっかりと把握しないとこの問題は明らかにはなりません。

なお、この「しっかり」も副詞で、「しっかり把握する」「しっかり【と】把握する」のように、格助詞「と」を使用する場合があります。■
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書き辞書にあるように、本来中国語からきたものです。

辞書にあるように、形容動詞として使われるなら、「な」も「に」もあり得ることになります。私的(してき・わたくしてき)のほかいろいろありますね。「テキ屋」という語もこの類なのでしょうか。
①「比較的に〜」よく使いますが、何と比較するのか分からぬまま使います。「比較的小柄な人
②「~的」しか使わない語ですか。下記辞書にはそういう名詞的用例があるようです。

【日本国語大辞典】より
てき 【的】〔接尾〕

〔一〕人名または人を表わす語、あるいはこれらの一部分(多くは、はじめの二音節)について、親愛の気持、または軽蔑の意をこめてその者を呼ぶのに用いる。中国の俗語で、「村的(いなか者)」「唱的(芸者)」「控馬的(馬子)」などの用法があり、これをまねたものという。江戸末期から明治にかけての俗語として用いられ、明治期(一八六八~一九一二)には、書生ことばや新聞の雑報欄の用語として使われ、香具師(やし)や盗人の隠語として、後にも引き継がれる。「幸的(幸次郎)」「土左的(土左衛門)」「官的(官員)」など。
*夜航余話〔1836〕下「これも賤娼的の口気なり」
*滑稽本・七偏人〔1857~63〕初下「べらぼうに気の宜(いい)家主(おほや)てきだのウ」
*人情本・毬唄三人娘〔1862~65〕三・一八回「それとも又要人(かなめ)さんが嫉(ぢん)てきで、厳(きび)しくでも言ひなさるか」
*当世書生気質〔1885~86〕〈坪内逍遙〉一〇「だから田の的(テキ)が恋着するヨ。どうです。田の的(テキ)を廃業(ひか)してしまって」

〔二〕名詞、特に抽象的な意味を表わす漢語の名詞や体言的な語および句について、体言、または形容動詞語幹をつくる。中国語の助辞の用法にならって、明治初期の翻訳文のなかで、英語のtic などの形容詞的な語の訳語として二字の漢語につけて用いられ出してから、学術的な文章などに多く用いられる。

(1)そのような性質をもったものの意を添える。初期の例に多い。

(イ)体言について用いる場合。
*消毒新論〔1874〕〈島田脩海訳〉狂犬の唾液「蓋し其唾液何的の故を以て前条の如き悪症を発するや未だ詳ならざるが故に」
*幸福は性霊上と形骸上と相合する上へに成るの論〔1877頃か〕〈西周〉二「前に述べたる如く衣食住より銭貨等に至るまでの外物的を富饒に得る幸福と」

(ロ)文・句を受けて全体を体言格とする場合。
*文章新論〔1886〕〈坪内逍遙〉「予がいふ反訳文は今の新聞紙の文体をいふ也。『豈(あに)それ然らんや』的の文章、若しくは『アナ喧や静まらずや』的の文辞をいふなり」
*新日本之青年〔1887〕〈徳富蘇峰〉五「何となれば、其本質に於て決して化合す可からざる的のものを備ればなり」
*内部生命論〔1893〕〈北村透谷〉「眼に見うる的の事業に心を注がずして人間の根本の生命を暗索するものを重んぜんとするを」

(2)漢語について、直接、または「な」をともなって連体修飾語として用いられるほか、形容動詞語幹として使われる。
(イ)そのような性質を有する、それらしい、の意を表わす。「貴族的」「悲劇的」「病的」「合法的」「平和的」「徹底的」など。
(ロ)それに関する、それについての、その方面にかかわる、などの意を表わす。「美的」「私的」「科学的」「政治的」「現実的」など。
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この回答へのお礼

コメントありがとうございます。

 うーん。そんなにわかりにくい書き方でしたかね。
>①「比較的に〜」よく使いますが、何と比較するのか分からぬまま使います。「比較的小柄な人」
 それは「比較的に〜」の例ではありません。
「何と比較するのか分からぬまま」というのは別のテーマになりそうです。「そんなに高くないものを〜」とか。 

>②「~的」しか使わない語ですか。下記辞書にはそういう名詞的用例があるようです。
 どれのことでしょうか。

お礼日時:2020/02/10 20:26

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