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初めての質問です。
物理学科卒のものですが、先日メカ好きの友人から問われた高校物理レベルの力学の問題にうまく答えられず、その後自分でも考えてみたものの明解な説明を与えられず、この度、皆様のお知恵を拝借させて頂くことになりました。よろしくお願いします。

問題設定です。単位はMKSで考えます。簡単化のため、1次元方向の動きのみで考えます。

十分に大きくて重い、甲板が平らなタンカーが静止している海の上を例えば海岸に沿って右方向に定速度A(陸に対しての速度)で動いているとします。そしてその上を、質量Mの自動車が、初期状態ではタンカーの進行方向にタンカーに対して相対速度Vi,終状態では速度Vf(ただしVf > Vi ≧ 0)で走っているとします。
この時、タンカーに固定した観測系 S_tankerでの自動車の始状態と終状態の自動車の運動エネルギーの差は

ΔK_tanker= 1/2.M.Vf^2 - 1/2.M.Vi^2
=1/2.M.[Vf^2 - Vi^2] ジュール..................式1

となり、この式1の値がエンジンが車に与えた仕事になると思います。

一方、この動きを陸に固定さた観測系S_groundで見ると、この自動車の始状態と終状態の運動エネルギーの差は,タンカーの地上に対しての速度がAであることを思い出すと、

ΔK_ground= 1/2.M.(Vf+A)^2 - 1/2.M.(Vi+A)^2
=1/2.M.[ (Vf^2 - Vi^2) + 2.A.(Vf - Vi) ]ジュール............式2

となり、この式2の値も、やはり自動車が始状態から終状態に遷移するにあたってエンジンが自動車に与えた仕事と思います。
しかし 式1 ≠ 式2 であり、その差は M.A.(Vf - Vi)
です。

自動車がエンジンからなされる仕事の量の計算値が、考察する観測系(どちらも互いに慣性系)によって異なってしまってもいいのでしょうか?

おそらく私が何か考え方について根本的に勘違いしていると思います。
是非、誤りのご指摘をお願いします。

A 回答 (1件)

>自動車がエンジンからなされる仕事の量の計算値が、考察する観測系(どちらも互いに慣性系)によって異なってしまってもいいのでしょうか?



同じ力でも慣性系が変われば仕事の大きさは違う。だから上記のことは何も問題はない。

エンジンのした総仕事は観測系に依存せず一定です。ただ、エンジンの仕事は車の加速だけに使われているのではない。タンカーに対しても仕事をしている。このことを計算に入れていないことが根本的な原因です。
車を直接的に加速している力はタイヤとタンカーとの摩擦力です。この摩擦力のした仕事を考える際に、車に対してした仕事だけ考えるとはまります。タンカーに対してした仕事を考慮に入れるとすんなりと説明できます。
今回の場合、タンカーとともに動く観測系で見ると摩擦力がタンカーに対してした仕事は"0"です。(タンカーは動いていないから) 車の運動エネルギーの増加はエンジンのした仕事の分だけになります。
陸に固定された観測系から見ると、摩擦力がタンカーに対してした仕事は負の値を持ちます。この分、車の運動エネルギーの増加はエンジンのした仕事よりも大きくなります。

車の加速を摩擦ではない方法、例えばジェットエンジンでした場合はどうなるか、というのも考えるとなかなか面白い。(この場合、エンジンが噴射したガスの運動エネルギーが観測する系で変わることを考えれば矛盾なく説明することができます)
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この回答へのお礼

ありがとうございます。こういう問題を考えるときは孤立系、この場合は自動車とタンカーを合わせて考えないといけないということですね。
エンジンのした総仕事は一定だが、その仕事のやりとりは自動車だけではなくタンカーともやりとりがあり、とくにタンカーからは負の仕事をされる、ようはタンカーから仕事をされる、ということも考慮すると、ちゃんとエンジンのした総仕事は観測系によらず一定ということですね。わかりやすい説明、どうもありがとうございました。

お礼日時:2020/05/22 18:30

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