森林はCO2濃度の減少に貢献するかしないか?という問いについて、以下のような論考があります。
1.減少に貢献するのは森林面積が増えたり、森の木が成長するときである。植物の総量が増えていく場合であり植物のボディ(セルロースとか)を構成するのにCが使われ、固定化するから。
2.森林面積増加や木の成長が止まった場合、冬季の落葉とか1年生の草などが地面に落ちて分解されるときにCO2が排出される。そのため光合成による吸収と落葉の分解による排出とがバランスしてCO2についてはニュートラルになる。CO2減少には効果がない。
確かに炭素原子Cの質量保存という観点から森林が無尽蔵にCO2を吸い込むはずはないのでそうかなという感じがあります。
もしこのことが正しいならば、それを検証するという意味でさらに以下の疑問があります。
1.冬季は枯死した植物の分解で大気のCO2濃度は夏季より高くなるはずだがどうか。(ただし、冬季は空気が安定成層しており、対流が弱い(夏季の積乱雲がない)はずなので地表面付近の大気の混合が弱い、とか暖を取るため石炭を焚くという条件でCO2濃度が高くなる影響を除く必要があるが。)
2.夜間は光合成が行われていないので植物は呼吸(光合成で蓄えたエネルギを消費する)してCO2を排出しているか。とすると、夜間はCO2濃度は高くなっているのか?
3.砂漠地帯と熱帯雨林などではCO2濃度の変化は異なるか? 砂漠では植物の影響が少ないのでCO2濃度の変動が少ないはず。地球全体の大気を一様に考える前に地球の中の局所的な違いがあるか?
4.光合成で植物がCO2を吸収するプロセスは一時的にでも大気のCO2濃度を減らすのに必要であることは理解できる。植物が生育してその機能を維持するためには大気には一定のCO2が必要なはずだが、どのくらいの濃度がいいのか。CO2排出規制を進めると減りすぎるということはないのか。
というような疑問です。どのような解答になるのでしょうか。環境系の研究所などでは常識的な回答があると思いますが。世の趨勢としては大気中のCO2を極力ゼロにせよ、と言っているな印象なのでお尋ねしました。私の誤解とか疑問が成立していないなどの指摘もお願いします。
A 回答 (3件)
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No.3
- 回答日時:
前提論考に対し、疑義論考がかみあっていない(露骨に言えば、疑義に意味ない)と感じます。
前提論考のタイムスパンは、ウン10年より明らかに長いです。
ゆえに、
疑義論考の1.2.については前提論考に影響を与えない。
疑義論考の3.について、何が言いたいかわからない。
地球全体の大気は、数年スパンで考えれば地球全体でかき回されて、
地球平均+地域差 となるため、地球の中の局所的な違いがあっても関係ない。
地球平均の変動が重要。
疑義論考の4.について、産業革命以前のCO2濃度に戻すことなぞ、だれも考えていない。産業革命以前のCO2濃度で植物が生育できるのは明らか。
そもそも論。
前提論考の意味しているところ。
地球上の全森林が全滅したとする。
その結果、固定された炭素は放出されるが、その後、炭素(=炭酸ガス)は増えない。
そう言ってる。 まあ、ここまでは正しいんだろうけど、国際政治的に考えると....以下、書きなくないので書きません。
回答ありがとうございます。前提1,2とそのあとの4つの疑問は1,2に対する疑義を与えているわけではありません。1,2を承認するにも疑義を提示するにしても、1~4は実感する補強材料のようなものです。
そもそも植物が光合成をしてCO2を一時的にでも吸収しているという実感は人間は全く持てず、教科書に書いてあるから(専門家がそういっているから)、というぐらいのことだと思います(山にいくと空気がきれいっていいがちですが、かなり誘導的だと思っています)。なので、言われていることの間に何らかの矛盾がないかを検証する、このことぐらいしか普通の人々にはできることがないと思います。植物のCO2に対する貢献を最もよく示すものとして考えられるのが植物が全くない砂漠と植物だらけのアマゾンであり、そこでCO2濃度の変化(毎日あるいは季節)を調べるとああ、やっぱり植物の影響は大きいなと思えるわけです。CO2は空気中の濃度はかなり少ないので地球平均値で実感しにくいはずです。そういう意味で影響が最も出やすいものを使って論考のチェック(承認と疑義)ができるのではないかと書いたわけです。さらに言うと自分で批判的にとらえて考え直してみるという契機ということなのですが。
No.2
- 回答日時:
全くの素人ですが、、、
> 1.冬季は枯死した植物の分解で大気のCO2濃度は夏季より高くなるはずだがどうか。
⇒ 埼玉のデータ http://www.kankyou.pref.saitama.lg.jp/CO2/img/co …
⇒ 全球のデータ http://www.gosat.nies.go.jp/recent-global-co2.html
http://www.gosat.nies.go.jp/images/10x60trendmet …
平成21年4月以降の「いぶき」観測データを用いて「全大気」の二酸化炭素平均濃度を算出したところ、月別平均濃度は北半球の植物の光合成が活発になる北半球の夏に下がり、光合成が弱くなる北半球の冬に上がる季節変動を経ながら年々上昇する様子が現れました。
https://ds.data.jma.go.jp/ghg/kanshi/tour/tour_a …
補足:(北半球の夏冬の植物状態)との関連が、全球でも大気のCO2濃度の低高に関係しているようにみえることは、南半球では植物が少なくて、植物活動の年間変化が大気のCO2濃度には大きく影響しないためのようです。
植物の光合成などによる二酸化炭素の放出・吸収による季節変動の幅は、陸地が少ない南半球では小さくなります。
> 2.夜間は光合成が行われていないので植物は呼吸してCO2を排出しているか。夜間はCO2濃度は高くなっているのか?
⇒ たった1日のデータ http://www.kankyou.pref.saitama.lg.jp/CO2/img2/c …
⇒ 冬期の観葉植物の種類と天候と組み合わせたのでは https://www.pref.aichi.jp/nogyo-keiei/nogyo-aich …
なお、外気のCO2濃度は400ppmです。
観葉植物栽培温室における炭酸ガス濃度の1日の変化を天候別に示した。
5品目すべて、温室内の炭酸ガス濃度は、夜間に 500~600ppm程度まで上昇し、おおむね日の出後1~2時間で減少に転じた。日中は温室内の気温が上昇して天窓の自動開閉換気で外気に近い400ppm前後で推移。
アンスリウムとモンステラでは、日中は天候に関係なく炭酸ガス濃度が低下したが、晴れの日は換気時間が長く外気と同程度の400ppm前後で推移したが、曇りの日は換気時間が短く、外気を下回る300ppmを下回った。
ポトスでは、中程度の遮光が行われ、晴れの日でも換気がほとんど行われなかった。曇りの日はほとんどCO2濃度は低下しなかったが、晴れの日の日中は400ppmまで低下した。
植物の影響で、日中はCO2濃度が下がり、陽が射さないとCO2濃度が上がる傾向はあるのでしょう。
なお、日中は夜間に比べて、人間が活発に活動し大量のエネルギーを使用するため、CO2を大量に放出するという側面もありますので、日夜のCO2濃度の変動は、植物だけを考えるのだと考慮不足でしょう。 人間の活動も考慮すべきです。 また、温度が上がると海洋や土壌中のCO2が大気中に放出され、温度が下がると大気中のCO2が海洋や土壌中に吸収されることもあるので、計算は難しいです。
> 3.砂漠地帯と熱帯雨林などではCO2濃度の変化は異なるか? 地球全体の大気を一様に考える前に地球の中の局所的な違いがあるか?
⇒ 「局所」を狭く言い出すと大きな違いがあちこちにあることになるのでしょう。 「局所」を大きく眺め、しかも「年平均」でみた場合にも、それなりの違いはあるようです。 https://ds.data.jma.go.jp/ghg/kanshi/co2sphere/c …
参考図参照
> 4.植物が生育してその機能を維持するためには大気には一定のCO2が必要なはずだが、どのくらいの濃度がいいのか。
⇒ 植物の種類や気温、日照、水などの条件が大事です。 https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=1 …
光合成によるCO2固定量と呼吸によるCO2放出量が等しくなる点を光補償点とよんでいます。
CO2補償点はC3植物(約26万種の植物の大部分)とC4植物(トウモロコシ、サトウキビ、ケイトウなど、〜1200種)とで異なり、C4植物ではCO2補償点はゼロに近く(0〜5 ppm CO2)、C3植物では50〜100 ppm CO2です。従って、C3植物では50〜100 ppm以下のCO2濃度では呼吸による損失の方が光合成による固定量よりも大きく、光合成によって成長することができません。
C4植物はCO2を葉の細胞内で濃縮をする機構を備えているため、このようにC3植物に比べ低いCO2濃度の中でもCO2固定ができます。そのため、太陽光の下でC4植物は、ほぼ300 ppm CO2でCO2固定量は飽和し、現在の大気CO2濃度(380 ppm)がこれ以上増加しても、CO2固定量のこれ以上の増加は期待できません。一方、現在の地球上の植物種の大部分を占めるC3植物では、現在の大気CO2濃度でCO2固定量は飽和していないため、今後の大気CO2濃度の上昇によって、まだいくらか光合成CO2固定の増加が期待できます。
回答ありがとうございます。植物によるCO2への影響は年平均ということになると大気の運動による拡散のために一様化されてしまうんだろうと思います。影響は少ないということですが、逆転するということはないだろうとは思うのですが。砂漠には植物もないですが、人もいませんので何とも言えないのですが、植物の効果だけ取り出せたらやはりアマゾンの方がCO2は低いんじゃないかなと思いますが。
中国とアメリカ東岸でCO2濃度が比較的高くなるというのは人間活動ではないかと思います。アメリカはどこでもかもしれませんが、年中エアコンをつけっぱなしですね。エアコンが要らないときはエアコンが判断して機能を弱め、寒暖の必要に応じて自動で冷房・暖房に切り替えます。そういう意味でエアコンが勝手に走り続けているはずです。あのエネルギーの使い方でしかもアメリカで比較的人口密度が高いところではCO2は高いんじゃないかと思います。
いずれにしても、CO2に関する政策について感情的にならず科学的に矛盾がないことを確認しておきたいと思いました。
No.1
- 回答日時:
素人ですが、回答できるところのみ回答し自論を述べます。
最初の1、2についてはわかりませんが、直感的には大事なことが抜け落ちていると思います。
次の1、2はそのとおりで、気象庁の大気中CO2濃度の観測データがありますので、写真を添付します。これをみると夏と冬でCO2濃度は10ppm程度変動しています。この事実から昼と夜でも変動していると推定されますが、我々はこの程度の変化に気づかないし健康には何の影響も与えません。
3についてはわかりません。
4については、大気中の平均的なCO2濃度を300ppm以下に維持したいということなので、心配不要だと思います。
ここから持論です。
地球温暖化の先進的な研究をしている人たちから見ると、現在深刻な影響が顕著になりこのまま進むと破滅的な未来が見えているのだと思います。なので、今回のCO2排出削減目標は妥当だと思います。技術者は「そんなこと到底無理」と言いながら、不可能な目標の達成にはなぜかしゃかりきに挑戦したくなる人種です。それは、過去の技術史が証明しています。
地球温暖化のメカニズムに関する入門書的な本を読みましたが、気温に関わる大気や海水の循環は非常に複雑で、しかも循環には数十年以上かかっているものもあります。その中で雲は不思議な役割をしていることがわかりました。雲は気温を下げる役割も上げる役割もします。どしゃぶりの雨は気温を下げますが、夜間の雲は放射冷却を防ぎ気温が下がるのを防ぎます。
直感的には、大気中のCO2濃度が300~400ppmのどこかに達した時点でCO2濃度が地球温暖化の主役になるのではないかと思っています。石炭に火をつけるのは大変だけど一旦火が着いてしまうと強力な火力になるのと似ていると思います。CO2濃度が高くなると大気中の水蒸気が増加することにより地球温暖化は加速度的に進行するのだと思います。
CO2濃度が10%(10万ppm)以上になると人体に破滅的なダメージを与えますが、数パーセント程度(数万ppm)ではなんともないと思います。なので、地球温暖化で論じられているCO2濃度は極々微々たる量の世界です。
これは、うつ病に深い関わりを持つセロトニンの体内量と似たところがあります。セロトニンが不足するとうつ病になるが、体内量1mmgは致死量です。非常に微妙なところでバランスしていると言えます。
結論は、森林はCO2濃度の現象に貢献する、というよりもうまくバランスさせている、ということになると思います。
最後に、新型コロナは地球温暖化に急ブレーキをかけて、昨年春から大気の熱循環が100年ぐらい前に戻っているのに、海水温にはブレーキがかからず、バランスが崩れてしまい今までの気象モデルが使えない気候が出現しているように思います。
急ブレーキとは、大型旅客機・貨物機・大型船の運行急減です。これらの窒素酸化物やCO2排出量は自動車への厳しい規制と比較すると非常に大甘です。
回答ありがとうございました。石炭火力とCO2温暖化の類似性についてご意見がありました。今はそれほど影響がないけれど、いったんそのモードになったら元に戻れない、坂道を転げ落ち始めると止まらない、あるいは正のフィードバックといってもいいでしょうか。焚火でいったん燃えはじめると、近くにある薪も過熱され水蒸気が飛び、延焼する材料になってしまうというようなことだと思います。CO2による温暖化がそういう側面を持つというご指摘のように思いました。そういう印象を持たれる理由・心証は何かあるのでしょうか。ところでメタンガスは温室効果がCO2の数十倍とのことですが、これが出始めるとちょっとまずいかもですが。
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