永井均の<私>論は、哲学を勉強し始めた僕にとってとても
魅力的で、かつ実感的な説得力があるように感じていました。
でも理屈としては腑に落ちないところがあります。
永井は『<こども>のための哲学』の中で、
「(自我と他我の)問題を、最初から、認識論的にではなく、存在論的に考えようとした。」(96頁)
と書いていますが、そんなことが可能なのでしょうか?
他人の世界の実在を認めたうえで、<この私>の世界の独自性を認めようとする思考を「独在性の思考」と永井は呼んでいますが、そもそもそんなことは不可能ではないかと僕は感じるのです。
だって、「実在が認められる」ということこそが、<私>の独自性じゃないんでしょうか? その特徴を他人にも認めてしまうのなら、その時点で<私>の独自性なんて無くなってしまうのではないでしょうか?
細かい質問で申し訳ありませんが、ここを解決しないと先へ進めません。
どうか御指導をお願いします。
また、独我論を論駁する試みにはどのようなものがあるのか、参考文献だけでも教えて頂ければとても嬉しいです。
謙遜ではなく本当に知識が無いので、ごく基本的なものでも構いません。
お願いします。
No.5
- 回答日時:
僕は永井均氏の著書をほとんど読んでいます。
ここでは、詳細に論じるわけにはいきませんが、氏は「独在性」と「独自性」を明確に区別しています。shunchiさんはその辺りがまだクリアになっていないのではないでしょうか。哲学を勉強なさっているのでしたら、『〈魂〉に対する態度』の第3部や『〈私〉の存在の比類のなさ』所収の「他者」等をお読みになった方が、『〈子ども〉のための哲学』よりも理解しやすいように思います。独我論を論駁する試みは数限りなく行われています。むしろ、そちらの方が主流だといっていいほどだと思われますが、永井均を読んだあとはほとんど虚しい試みに思えてきたというのが正直な印象です。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
すみません。
参考文献だけになってしまいますが、柄谷行人(からたにこうじん)さんの「探求1」「探求2」はきっと参考になると思います。講談社の学術文庫から出ていて、とても刺激的な本です。永井均さんの本は「マンガは哲学する」とかもシンプルかつ深くて好きです。アドバイスありがとうございます。
昨日「探求1」を読み終えました。
経済論っぽい分野はよく分かりませんでしたが、ウィトゲンシュタインには以前から関心があったのでとても興味深く読みました。
永井的な<私>との関わりという点で深く考えられるほどには、まだ消化できていませんが、とても勉強になりました。感謝します。
No.3
- 回答日時:
>他人の世界の実在を認めたうえで、<この私>の世界の独自性を認めようとする思考を「独在性の思考」と永井は呼んでいますが、そもそもそんなことは不可能ではないかと僕は感じるのです。
そうだったんですか。僕が考えているのは、(独自や独在などを使い分ける事は僕にはできないので、言葉が足りない事をすみません)
>その特徴を他人にも認めてしまうのなら、その時点で<私>の独自性なんて無くなってしまうのではないでしょうか?
認めても証明はできないはずです。重要なのは、他者に目が見えているか?と言う事で無く、私と他の様々の関係でなく。私と、それによって捉えられる世界(目の前の世界が)との関係が、絶対的第三者(私の息のかかったものではない存在)
と私の関係に似たものがあるということだと思います。絶対的第三者を想定しないと、私がいることの証明をできません。世界があるのは私が世界を見ているからで、私がいるのは、それと同じような事が、私と何かの間で起こっていると考えます。その何かが世界であると言うのは無理な事です。何故ならその世界は私による世界だからです。私と世界は相互に関係しているのではないのです。私の独自性は、世界(他者)によるのでなく。絶対的第三者によっているのです。僕が考えているのはここまでです。絶対的第三者と世界の関係について、それを含めた三者の関係はまだよく整理ついてません。こんな駄文ですが、何か参考になればうれしいです。
No.2
- 回答日時:
私は哲学にくわしいわけではないのですが、永井均さんの本が好きです。
shunchiさんの質問の答えになるかわかりませんが、永井さんの「翔太と猫のインサイトの夏休み」を読まれたことはありますか?これは「こどものための~」よりもうちょっと理論的に彼の哲学を説明してあります。独我論についてもあったような記憶があります。すでに読まれていたらごめんなさい。「翔太と猫」は結構前に読みました。
少しだけ今読み直したのですが、独在性からのつながりで出てきたカントの話は
もう一度詳しく読んでみる価値があると思いました。
御回答に感謝します。
No.1
- 回答日時:
永井均さんの本を読んだこともありませんので、見当違いかもしれませんか、
質問を読んでいると、
人の数だけ、実在や独自性があると、永井均という人は言っているのではないですか?
独我論など聞いたこともありませんのでお役に立てません。
御回答ありがとうございました。
でも、永井均がいっているのは、それぞれの独自性みたいなものじゃなく、・・・
<この>私の独自性・・・えーと、ごめんなさい、僕の力では詳しく説明できませんが、人はひとりひとり誰でもがかけがえの無い存在だとか、そういうことでは無いのです。
質問の中で説明が足りなかったかもしれません。
すみませんでした。
お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
おすすめ情報
- ・漫画をレンタルでお得に読める!
- ・人生のプチ美学を教えてください!!
- ・10秒目をつむったら…
- ・あなたの習慣について教えてください!!
- ・牛、豚、鶏、どれか一つ食べられなくなるとしたら?
- ・【大喜利】【投稿~9/18】 おとぎ話『桃太郎』の知られざるエピソード
- ・街中で見かけて「グッときた人」の思い出
- ・「一気に最後まで読んだ」本、教えて下さい!
- ・幼稚園時代「何組」でしたか?
- ・激凹みから立ち直る方法
- ・1つだけ過去を変えられるとしたら?
- ・【あるあるbot連動企画】あるあるbotに投稿したけど採用されなかったあるある募集
- ・【あるあるbot連動企画】フォロワー20万人のアカウントであなたのあるあるを披露してみませんか?
- ・映画のエンドロール観る派?観ない派?
- ・海外旅行から帰ってきたら、まず何を食べる?
- ・誕生日にもらった意外なもの
- ・天使と悪魔選手権
- ・ちょっと先の未来クイズ第2問
- ・【大喜利】【投稿~9/7】 ロボットの住む世界で流行ってる罰ゲームとは?
- ・推しミネラルウォーターはありますか?
- ・都道府県穴埋めゲーム
- ・この人頭いいなと思ったエピソード
- ・準・究極の選択
デイリーランキングこのカテゴリの人気デイリーQ&Aランキング
-
「私」と「この私」
-
ラストサムライで使用されたお経
-
あなたは何に人生を懸けたので...
-
哲学と文学の違いを教えていた...
-
認識論のみでは 《しゃべる蛸...
-
『言行一致の勇気ある実践哲学...
-
「実定性」の意味
-
般若心経の意味
-
この季節 感傷的になります。こ...
-
哲学するのに必要なこととは
-
お経で精神統一
-
三回忌法要で詠むお経の種類を...
-
納骨袋に般若心経を書きたいの...
-
般若心経の音声データについて
-
私は何人いますか? 哲学的に
-
般若心経の読経
-
お墓参りで素人が読経すると霊...
-
お墓参りで読経するお経はなに...
-
般若心経って結局何を言わんと...
-
絶対的な考えと、相対的は考え...
マンスリーランキングこのカテゴリの人気マンスリーQ&Aランキング
-
世界は10分前に生まれた みたい...
-
『身近な哲学』という題で
-
哲学のレポートが難しすぎてか...
-
「実定性」の意味
-
絶対的な考えと、相対的は考え...
-
お墓参りで読経するお経はなに...
-
「私」と「この私」
-
哲学のレポートってどう書けば...
-
お墓参りで素人が読経すると霊...
-
日本の老人はなぜあほとばかと...
-
三回忌法要で詠むお経の種類を...
-
亡くなったお父さんと会話しま...
-
「構制」とは何ですか?
-
自発の「が感じられる」と「を...
-
《かけまくもかしこきイザナギ...
-
納骨袋に般若心経を書きたいの...
-
汎通的規定の原則 カント
-
即効で文章の暗記のしかた 覚え方
-
大物になる人は変わった人が多...
-
教訓はどのようにして得られるか?
おすすめ情報