
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
>凹凸があると何故接触角が大きくなるのか?
No2のところで説明した通りですが、数式が出てくるので
分かりやすさに欠けているかもしれません。
それ故、もう少し分かりやすく説明してみたいと思います。
固体表面に液滴が存在し、一定の接触角を保っているとします。
接触角を小さくして表面を濡らそうとする力が固体表面の
表面張力γsです。
一方、その反対方向に働く力が界面張力γslです。
通常、両者の力は異なった大きさですから、そんままでは
液滴の角度は変化してしまいます。
それを補正しているのが、液体の表面張力γlで、横方向に
どれだけの寄与をするのかが、接触角θによって変化します。
90°以下の場合、接触角が小さくなるほど濡れを防ぐ方向の
成分割合が多くなりますよね。
固体表面が粗くなると、当然表面積は増えます。
表面積が増えれば、単位面積当たりの自由エネルギー
γsやγslは増加しますよね。
例えば、1cm^2辺りの自由エネルギーがγsならば、
2cm^2での自由エネルギーは、当然2γsとなります。
よって、表面が粗い時の面積比をrとすれば
粗い場合
固体の表面張力、固体と液体との界面張力は単純にr倍になります。
もし、固体の表面張力を5という数値、液体との界面張力を
2という数値だっとしましょう。
濡れ広がらせようという力(エネルギー)が5で
弾こうという力(エネルギー)が2となります。
この液滴の接触角は一定に保たれている訳ですから、
濡れ広がらせようという力(エネルギー)と
弾こうという力(エネルギー)は等しいはずです。
ですから液滴の表面張力による力が、弾こう側に3加わって
いることが分かります。
5=2+3 ということです。
この状態で表面を荒らして、面積比を1.5としてみましょう
濡れ広がらせようという力(エネルギー)は5×1.5=7.5
弾こうという力(エネルギー)は2×1.5=3
その差は4.5
平滑な時に比べその差が大きくなりました。
よって、cosθが変化して液体の表面張力の弾く方向への
成分を増やさないといけません。
具体的にはθを小さくして、cosθの値を大きくして
3から4.5に増加させ負ければならないのです。
同じ倍率の時、元々の数値が大きい方の増加量が
大きいので、その差を埋めるべくθが変化するのです。
固体の表面張力が大きくγs>γsl ならば
平滑面での接触角は90°以下となりますから、
θは、平滑面の時と比べ小さくなります。
逆にγs<γsl ならば、接触角は90°以上となりますから
θは平滑面の時と比べ大きくなります。
No.2
- 回答日時:
凹凸のある表面では、平滑面に比べて濡れやすい時は、
より濡れやすく、濡れにくい(はじく)ときは、よりはじく
ようになります。
この現象はWenzelの式、または法則として説明されます。
http://www.adhesion.co.jp/technology/wet/0102.html
Wenzelの式はcosθw=rcosθ よって r=cosθw/cosθ
ここで、θwは表面が荒い時の接触角、rは粗面の面積比
(r≧1)です。
rが大きくなると接触角が90°以上の場合はθが
より大きくなり、90°以下の時は、より小さくなる
ことが分かります。
では、なぜWenzelの式のようになるのでしょうか?
質問者さんはそこが知りたいのだと思います。
昔の教科書では、粗面を微小な三角形の粗さに近似して
それを拡大して、粗面との接触角で測定値とは別に
ミクロでの真の接触角が平滑面での接触角と一致し・・・
というような議論をしているものがありました。
このような議論は、あまり良い方法ではありません。
測定される接触角の液体の変形領域に比べ、表面粗さの
凹凸は極端に小さきため、凹凸の影響は、くり込まれて
いて、個別にミクロの接触角を議論しても仕方がないのです。
ならば、Wenzelの式をどのように考えれば良いのか?
ヤングの式はご存知ですか?
ヤングの式は丸い通常の液滴では、厳密的には成立しません。
補正が必要です。
厳密的には、かまぼこ型の液滴に対して成立します。
かまぼこ型の液滴に対して
固体の表面張力をγs
液体の表面張力をγl としましょう。
そして、両者の界面に働く界面張力をγslとします。
ヤングの式は、ご存知だと思いますが
γs=γlcosθ+γsl ですよね。(蒸気の影響は無視します。)
ここで、固体の表面に凸凹が発生したとします。
固体の表面に凸凹が発生しても、液滴の液体表面の
粗さに変化は生じないので、γlは変化がありません。
しかしながら、γsやγslは変化します。
今まで、γsやγslを表面張力としていましたが
表面自由エネルギーと考えても本質的には同じことです。
1cmの幅に働く張力と考えるか、1cm^2の面積を増やす時に
増加する自由エネルギーとするのかは同じです。
表面が粗い場合見かけ上1cm^2の面積増やした時に
実際の面積はそれ以上増えるので、この時に増加する
表面自由エネルギーはγsやγslではなく、それよりも
大きくなります。
粗い時の粗面の面積比をr(r≧1)として、ヤングの式に
代入しましょう。
粗い時
rγs=γlcosθw+rγsl γlcosθw=(rγs-rγsl)=r(γs-γsl) ・・1式
平滑な時
γs=γlcosθ+γsl. γlcosθ=(γs-γsl)・・・2式
1式を2式で割ると
cosθw/cosθ=r となり、Wenzelの式が誘導できます。
No.1
- 回答日時:
平滑面に比べて、表面に凸凹があると撥水性が向上するのは
何故か?という質問ではなく、単純に
>なぜ接触角が大きくなると撥水性が上がるのでしょうか?
という質問だと理解すればよろしいですか?
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すみません!自分の質問を見返してみたところ内容に少し差異がありました!
簡潔にいうと聞きたいのは「凹凸があると何故接触角が大きくなるのか?」ということです!