

No.3ベストアンサー
- 回答日時:
回答 No.1 で記したように、遺族補償年金を受給することができる資格を持つ遺族を「受給資格者」といいます。
第1順位から第10順位まであり、最も先の順位の者が「受給権者」となり、実際の支給を受けられます。
ただし、既に説明したように「転給」といったしくみがあり、先順位の者が受給権を喪ったときは、その次の順位の者に受給権が移ります。
──────────
回答 No.1 の第7順位~第10順位の者に関しては、受給権者となっても60歳を迎えるまでは支給停止となり、実際の支給を受けられません。
このしくみを「若年停止」といいます。
一方、同一順位に複数人の受給権者がいるとき、その受給権者ひとりひとりが受け取れる額は、その人数で等分した額になります。
ただし、請求は、原則として、うち1人が代表して行なわなければならず、また、実際に受領できるのはその代表人に限られます。
──────────
>年金の額は「受給権者及びその者と生計を同じくしている受給資格者」とあるのですが、死亡した労働者が、妻、中学生の子2人、父母(60歳以上)の6人で暮らしていた(生計を維持していた)場合、遺族の数は5人で遺族補償年金の額は給付基礎日額の245日分(4人以上)でいいのでしょうか?
いいえ。
以下のように精査してゆく必要があります。
遺族補償年金でいう「遺族数」とは、「受給権者 + 受給権者と生計が同一である受給資格者」の人数をいいます。
「受給権者と生計が同一であること」というのがミソです。
ここを「死亡した者と生計が同一であること」という「受給資格者の要件」と混同しないよう、十分に気をつけて下さい。
つまり、【死亡した者が「妻、中学生の子2人、父母(60歳以上)」の5人と生計が同一だった】といっても、【受給権者となる妻は、父母と生計が同一だとは限らない】というわけです。
受給権者である妻から見たとき、妻がいままで父母と生計を一緒にしていたかどうか・今後も生計を一緒にするのか‥‥ということが問われます。
したがって、遺族数は、必ずしも「5人」になるとは限りません。
受給権者である妻が父母と生計を同一にしていなかった・同一にすることがない‥‥というのならば、遺族数は「3人」になってしまうわけです。
このため、遺族補償年金の額が変わってきてしまう可能性があります。
遺族数が「3人」であれば、給付基礎日額の223日分となります。
すなわち、遺族数が「4人以上」であるときの245日分になる、とは言い切れない場合が生じるわけです。
(労働者災害補償保険法 別表第1)
考え方といいますか、盲点になり得る部分はもうおわかりになりますね?
実態に即して、きちっと切り分けて考えてゆかないとダメです。
条文(別表や附則も含めて)を、しっかり・じっくりと学んで下さい。
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その他、妻が受給権者であるときは、18歳到達年度末までの子を持つので、死亡した者が厚生年金保険被保険者だったなら、妻は、遺族厚生年金(厚生年金保険法)と遺族基礎年金(国民年金法)を受けられることになります。
このとき、死亡の事由が遺族補償年金(労働者災害補償保険法)同一だと、遺族厚生年金 + 遺族基礎年金 が優先され、遺族補償年金は本来の80%の額になります。
(遺族厚生年金だけのときは84%に。遺族基礎年金だけのときは88%に。)
労働者災害補償保険法施行令第2条に基づく併給調整です。
ですから、併給調整の件も頭に入れておかないと、遺族補償年金の額がどれぐらいになるのかといったことを正しくつかめません。
この回答へのお礼
お礼日時:2021/07/20 18:07
こんなにも丁寧に教えてくださってありがとうございます。もう一度条文を読んで、もっと理解を深めます。
2つの質問に答えてくださり、本当にありがとうございました!

No.2
- 回答日時:
遺族補償年金の受給資格者は、以下のいずれかの事由に該当すると、受給権を喪失します。
これを「失権」といいます。
1度でも以下のいずれかの事由で失権してしまうと、その後の受給権の復活はありません。
ア 死亡したとき
イ 婚姻したとき(事実婚も含む)
ウ 直系血族又は直系姻族以外の者の養子(事実上の養子も含む)になったとき
エ 離縁によって、死亡した者との親族関係が終了したとき
オ 子、孫、兄弟姉妹については18歳到達年度末が終了したとき(高校卒業まで)
(注:5については、死亡した者の死亡当時から連続して障害状態にある時を除く)
カ 障害のため受給権者又は受給資格者となっていた夫、子、父母、孫、祖父母、又は兄弟姉妹であるときは、その障害状態がなくなったとき
ご質問の場合には、カに該当します。
このとき、既に申しあげたとおり、1度でも失権してしまうと、60歳以降に受給権が復活することはありません。
また、60歳以降であっても、障害状態でなくなれば失権し、同様に、その後の受給権が復活することはありません。
先順位の者が失権すると、既に回答 No.1 で触れたように、次順位以降の者への転給が行なわれます。
転給のしくみについては、回答 No.1 をよく理解してください。
転給は、労働者災害補償保険法での遺族補償年金独特のしくみです。
国民年金法での遺族基礎年金や厚生年金保険法での遺族厚生年金には、このような転給のしくみは一切存在しません。
この回答へのお礼
お礼日時:2021/07/18 22:31
すみません、もう一つ質問があるのですが...
年金の額は「受給権者及びその者と生計を同じくしている受給資格者」とあるのですが、
死亡した労働者が
妻、中学生の子2人、父母(60歳以上)の6人で暮らしていた(生計を維持していた)場合、遺族の数は5人で遺族補償年金の額は給付基礎日額の245日分(4人以上)でいいのでしょうか?

No.1
- 回答日時:
労働者災害補償保険法第16条に基づく遺族補償年金ですね。
受給できる遺族(受給資格者)は、「労災(通勤災害を含む)によって死亡した者」の収入によって「生計を維持されていた者」であって、以下の順によります。
(★ 注:続柄は、死亡した者から見た続柄です。)
1 妻、又は夫(但し、夫は60歳以上か一定障害状態であること)
2 18歳到達年度末まで(高卒まで)にあるか、一定障害状態である子
3 父母(但し、60歳以上か一定障害状態であること)
4 18歳到達年度末まで(高卒まで)にあるか、一定障害状態である孫
5 祖父母(但し、60歳以上か一定障害状態であること)
6 18歳到達年度末まで(高卒まで)にあるか、60歳以上であるか、または一定障害状態であるか、いずれかにあてはまる兄弟姉妹
7 55歳以上60歳未満である夫
8 55歳以上60歳未満である父母
9 55歳以上60歳未満である祖父母
10 55歳以上60歳未満である兄弟姉妹
ご質問の直接の答えとはなりませんが、転給というしくみがあります。
転給は、同法第16条の4によります。
次順位の者に受給権が移る、というしくみです。
もしも「亡くなった者には妻や子がいなかった」ということであれば、その者の父(55歳であって、一定障害状態であった)が遺族補償年金を受け取ります。上記3に相当します。
妻や子がいない、という前提で考えると、孫がいることも考えがたいため、
結果として、5の祖父母に転給される可能性が最も高い、と言えます。
細かい年齢条件(上記1~10)や、亡くなった者の妻・子の存在の有無が不確かなため、言えることはここまでです。
(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC00 …)
一方、ご質問のケースの場合には、まず、失権を考える必要があります。
この件については、別途、続けて回答します。しばらくお待ちください。
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