下記の質問のやり取りを見て驚きました。
「犬も歩けば棒に当たる」の解釈は、古くから2説あるんですね。
【犬も歩けば棒に当たる ということわざ。 あなたはどっちの意味で理解してましたか?】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/12951255.html
詳しく下記参照。
【犬が歩くと当たる“棒”は幸運か、災難か?】
https://japanknowledge.com/articles/blognihongo/ …
当方は「でしゃばってよけいなことをすると、ロクなことがない」といった意味だと思い込んでました。
故事ことわざの解釈はがかわってきた例として有名なのは「情けは人のためならず」でしょうか。
これは「むやみに情けをかけるのは甘やかすことになるので、結局その人のためにならない」といった解釈は、現段階ではまだ「間違い」だと思います。もうこちらのほうが主流ですかね。
このように故事ことわざの解釈がかわってきた例を教えてください。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
日本のことわざなのかどうか知りませんが、
A rolling stone gathers no moss. ころがる石は苔を生ぜず。
ですね。苔が生えて欲しいのか、生えて欲しくないのかよく分からない。
多分元々は生えて欲しいのでしょうね。
コメントありがとうございます。
それがありましたね。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E8%BB%A2%E7%9 …
===========引用開始
転石(てんせき)苔(こけ)を生(しょう)ぜず の解説
《A rolling stone gathers no moss.》職業や住居を変えてばかりいる人は、地位も財産もできないの意の英国のことわざ。転じて、活発な活動をしている人は時代に取り残されることがないの意でも用いる。転がる石には苔は付かない。
===========引用終了
元々は「生えて欲しい」でしょう。
「転じて」しまうと、どちらの解釈もアリですよね。
すなると、非常に使いづらくなります。
No.12
- 回答日時:
>当方は「でしゃばってよけいなことをすると、ロクなことがない」といった意味だと思い込んでました。
諺の話ですよね?
意味はこの通りで、変わっていませんよ。
棒は幸運か不運か以前に、
犬が棒を見つけたなんて解釈が間違いです。
犬が落ちている棒に興味を示すはずもないし、
だいたい、犬が棒を見つけたら何?ですよね。
庶民が思わずうなずくような真理も教訓もないのに、
諺になるはずがないじゃないですか。
諺の考証は、古文書だけでなく、文化全体を
総合的に調査して行うものです。
当時の犬は地域で飼育されていて、また、綱吉の時代には、
中野や京都の犬小屋に収容するようになり、、
それなりに可愛がられてはいた反面、
日本にはもともと犬食文化があり、
また、狂犬病等の獣害もあるため、
野犬化した犬は処分もされていました。
そういうわけで、考証するまでもなく、
犬は本来の居場所を離れてウロつくと処分される動物で、
その様子が、江戸っ子の野次馬根性を戒める諺になります。
棒を見つけて喜ぶ犬の絵でも大量に発見されれば、
諺の解釈も変えていいとは思いますが、あり得ないですね。
>故事ことわざの解釈はがかわってきた例として有名なのは「情けは人のためならず」でしょうか。
これも現代でも変わらず、形容動詞「為なり」の否定だから、
情けは人のためではない、です。
「為になる」も古くからある言葉ですが、
その人のためにならないという意味なら、
「情けは人の為にならず」のはずです。
もとのご質問は、解釈が変わった例ということですが、
この二例も含め、多くの場合、解釈が変わったのではなく、
変わった解釈にもとづいた誤用なだけです。
そういう誤用例は既にいくつも回答があるし、
検索すれば誤用を指摘するサイトも多数あるけれども、
最近その傾向が行き過ぎて、誤用だという誤用が目立つので、
いくつか挙げてみます。
・爆笑
はじけるように笑うことなので、1人で爆笑でも正しい。
・とんでもございません
誤用だというのが間違い。
「とんでもない」は、連語「途でもない」の変化なので、
「ない」は否定の助動詞と考えても問題ないし、
「とんでもございません」も正しい用法。
その理由は、例えば助動詞「そう」は、
形容詞の語幹に接続するので、
「切ない」「儚い」「少ない」は、それぞれ
「切なそう」「儚そう」「少なそう」になる。
例外として「良い」「無い」は語調を整えるために、
「さ」を挿入して「良さそう」「無さそう」となる。
だから「良い」「無い」を末尾に含む連語の「心地良い」
「頼りない」「申し訳ない」は、「さ」を挿入して、
「心地良さそう」「頼りなさそう」「申し訳なさそう」となる。
そして「とんでもない」に「そう」を接続すると
「とんでもなさそう」と「さ」を挿入するのだから、
「とんでもない=とんでも+ない」と
正常な日本語話者が感じている、となります。
・ご苦労様
目上に使えないというのが間違い。
もともと目下が目上に対して使う言葉で、
目上から目下のに対しては「大儀」と使っていた。
・了解と承知
「承知」のほうが望ましいというのが間違い。
「了解を得る」という言葉がある通り、
「了解」は同意も含むが、「承知」はただ知っているという意味。
適切に使い分けることが必要。
思うに、インターネット以前は、書物や放送の発信者は、
それなりに文章に専門性があり、検閲や校正も経由しているので、
流通する日本語に一定のレベルが期待できました。
その後、インターネットが普及すると、
一般人の文章が大多数を占めるようになり、
更には言葉の専門家でもない半可通が、
自己流のマナーを展開しているというのが現実です。
別に専門家でなくても、誰でもどんな言葉遣いでも、
自由に会話できるのがインターネットの利点なので、
そのこと自体に苦言を呈する意図はないです。
ただ、インターネットの言葉遣いやおかしな説を見て
日本語を判断するのは控えたほうがいいだろうなと思います。
コメントありがとうございます。
諸説あるものを断定的に書くなら、それなりの典拠をあげていただけませんか。
>意味はこの通りで、変わっていませんよ。
当方もそう思ってましたが、信頼できるかたの文章や、辞書の記述を教えてもらって考えが揺らいでます。
>「情けは人の為にならず」のはずです。
それを省略して「情けは人の為ならず」という解釈もできる気はします。だから「誤用」が広まったような。
>検索すれば誤用を指摘するサイトも多数あるけれども、
多くは慣用句ですよね。
下記あたりのときも慣用句の話になっていました。なぜ皆さん、故事ことわざと慣用句をゴチャゴチャにするのでしょう。
【坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、、、を坊主憎けりゃ今朝まで憎いとか勘違いしたことわざってありますか?】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/12583762.html
以下、慣用句に関してですが、過去に書いたものを。
>はじけるように笑うことなので、1人で爆笑でも正しい。
本来はそうだと思いますが、多くの辞書はそうはしていません。「もうダメ」でしょうね。
【このタイトルはないだろう──同級生 入籍 爆笑 圧倒的に不利 閑話休題 珠玉の大作 敷居が高い】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2866. …
>とんでもございません
文化庁は許容してますが、多くの書籍は×扱いだと思います。
【「~ない」形の形容詞の迷宮──
【2】「とんでもございません」】
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-11792417530.html
>ご苦労様
元々はもっと広く使われていたと思いますが、これは「もうダメ」でしょうね。
【よくある誤用22──微妙な言葉の取説2 ご苦労さまです お疲れさまです ご苦労さまでございます】
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-entry-2527. …
>「承知」のほうが望ましいというのが間違い。
「間違い」までは思いませんが、これも「もうダメ」でしょうね。
【自力まとめサイト 了解の話】
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12636179398.html
No.11
- 回答日時:
>何か典拠らしきものはありますか?
> 補足をご参照ください。
>【犬が歩くと当たる“棒”は幸運か、災難か?】
>https://japanknowledge.com/articles/blognihongo/ …
その記事にもある通り、初出(発見されている最古の用例)が「幸運説」なので、それが典拠ですが。
上の記事ではコラムニストが「どっちか判断できない」と書いていますが、普通は時系列で古い史料の用例を原義と仮定します。「幸運説」の史料と「災難説(?)」の史料には、およそ50年の時差あり、半世紀もあるので、古い方の史料を原義と見なすが学術的というか、まあ常識的な判断かと思います。(両者の時差が5年とかだったらアレですが…)。
また、史実としては「生類あわれみの令」が関係あるのではないでしょうか。
生類あわれみの令が普及していた時期、犬を棒で殴るということはご法度でした。逆に犬のために色々な便宜を図るような法令があったので、野良犬が「お櫃の底≒残飯」にありつくことを「棒にあたりし」と比喩するように「棒」は、ちょっとした幸運を意味していたのでしょう。
しかし、その後、生類あわれみの令は順次、廃止されていきました。そこで犬に対する暴力もOKになりました。そして実際に、犬は増えすぎていたので、犬を棒で殴り殺すことを仕事にする人達が江戸にいました。その段階に至り、そもそもは幸運の意味で使われていた「棒」が「災難」と言う意味に転じたのではないかと考えられます。
「犬棒かるた」は犬を棒で殴り殺してOKの時代になってからできたものなので、犬が痛がっている様子を描いた絵が普及したのでしょう。
上方の方では、将軍のおひざ元である江戸に比べて、生類あわれみの令の普及が徹底していなかったので、犬もそこまで増えておらず、したがって犬を棒で殴る風景も庶民の目に留まる確率はそんなに高くなかったと思われます。だから上方では、その定型句は「かるた」にならなかったのでしょう。
逆に「災難説」を原義と仮定した場合、最古の史料を無視(軽視)することになりますし、生類あわれみの令との兼ね合いで考えた場合でも、仮説としては無理が出るように思います。
……えーと。
神永さんは、現在の辞書編集者のなかでもトップクラスの方だと思います。
その神永さんが(おそらくご自身が関わっている辞書に関して)
===========引用開始
50年ほどの違いではあるが、災難説、幸運説どちらが先だったかということは、これだけでは判断できない。ただし、「犬棒カルタ」の絵は、犬が棒に当たって顔をしかめているものが多いので、災難説が主流なのかも知れない。
===========引用終了
と書いているのですから、当方はこれを信じます。
No.10
- 回答日時:
「犬も歩けば…」は「無目的にでもとりあえずウロウロ行動していたら、ちょっとしたよいものにいきあたる説」が原義、「ウロウロしていると災難に遭うので要注意だ」が転意だとずっと思っていました。
現存する初出も「ちょっとしたよいものにあたる」の使い方が一番古いみたいですね。実際、犬って棒とか骨とかそういうものが妙に好きなので、棒を拾って大はしゃぎしてる犬の様子から生まれたことわざなのかな、と思っていました。
使うことはめったにないですが、自分が使う場合はやはり「犬みたいにブラブラウロウロしているだけでも、なんかしらは手に入ってしまうものだよね」みたいなニュアンスで使っています。「下手な鉄砲も数うちゃ当たる」に近いニュアンスで使う感じで「たなぼた」みたいに、本格的になにもしてなかったけど本格的にラッキーに恵まれた☆って感じではないです。道で10円拾った時に使ったりとか、そんなかんじですね。
「犬棒かるた」が主流ではない関西地方で生まれ育ったからかもしれませんが、身近な人も同じニュアンスで使っていたように思います。
>故事ことわざの解釈がかわってきた例
故事ことわざとは違いますが「王道」は結構微妙な感じがありますね。
政治的な意味では「王道」は人徳により治める政治のありようという意味で、これは大して変化していないのですが、第二義の「早道、楽な安易な道」という意味は、もう廃れていると思います。
もともとはユークリッドがエジプトの王様に幾何学を教えていて、めんどくせーなと思った王様が「もっと手っ取り早い感じで教えてくんないかな?近道ないの?」と尋ねたときに「学問に王道なし(王様だけ特別扱いのロイヤルロードみたいなものは学問の世界にはない)」と切り返した、というお話が元ネタです。ロイヤルロードという英単語は、学者が王を皮肉ってそう言ったということになってるのですが、それを直訳して日本語の「王道」という単語になったので、元ネタに基づいた理解としては「王道≒近道、早道」みたいな意味になるはずです。
しかし実際には「王道」という字面に引っ張られて「本道、スタンダード、定番、セオリー」みたいな意味でつかわれる方が圧倒的に多いと思いますし、辞書でも、第3の意味にそれを挙げて「正解」にしていることが多いみたいですね。
故事ことわざではないですが、荷物に貼る「天地無用」のシールは、どっちなのか紛らわしいな~は、よく思います。最近は「さかさま厳禁」というシールが出現したみたいで、「天地無用」はそのうち滅びる謎熟語になりそうなので、文化財として保管しておこうかな、と思ったりします。
コメントありがとうございます。
>「犬も歩けば…」は「無目的にでもとりあえずウロウロ行動していたら、ちょっとしたよいものにいきあたる説」が原義、「ウロウロしていると災難に遭うので要注意だ」が転意だとずっと思っていました。
何か典拠らしきものはありますか?
補足をご参照ください。
【犬が歩くと当たる“棒”は幸運か、災難か?】
https://japanknowledge.com/articles/blognihongo/ …
>故事ことわざとは違いますが「王道」は結構微妙な感じがありますね。
【よくある誤用17── これもおなじみ 逆王手 王道 煮詰まる】
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12281686885.html
ただ、最近は辞書も認めているので「もうダメ」でしょうね。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E7%8E%8B%E9%8 …
使用例は、もっぱら〈3 物事が進むべき正当な道。「ミステリーの―を歩む作品」〉の気がします。
No.9
- 回答日時:
人によって解釈が違う(=使い方に注意が必要)な例。
文化庁 国語に関する世論調査
https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/to …
令和2年度 Ⅳ 言葉遣いに対する印象や、慣用句等の認識と使用
<問10> 「がぜん」「破天荒」等の言葉は、どちらの意味だと思うか
令和元年度 Ⅴ 新しい表現に対する印象や,慣用句等の認識と使用
<問12>「手をこまねく」「敷居が高い」等の慣用句は,どちらの意味だと思うか
平成30年度 Ⅴ 六つの表現の認知と使用,慣用句等の意味・言い方
<問17>どちらの意味だと思うか ―「憮然」,「御の字」,「砂をかむよう」
平成29年度 Ⅵ 新しい表現や,慣用句等の意味・言い方
<問17>どちらの意味だと思うか ―「檄を飛ばす」「なし崩し」「やおら」
平成27年度 Ⅵ 新しい表現や,慣用句等の意味・言い方
<問25>どちらの意味だと思うか ―「さわり」「ぞっとしない」「知恵熱」
平成26年度 6 慣用句等の意味・言い方について
<問24>どちらの意味だと思うか ―「おもむろに」「枯れ木も山のにぎわい」「小春日和」「天に唾する」
平成25年度 7 慣用句等の意味 について
<問24>どちらの意味だと思うか ―「他山の石」「世間ずれ」「煮詰まる」「天地無用」「やぶさかでない」「まんじりともせず」
<以下略>
コメントありがとうございます。
「国語に関する世論調査」ですか……。
いろいろ問題を感じておりまして。
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12699439129.html
これもほとんどは慣用句ですね。
「枯れ木も山のにぎわい」
「他山の石」
は誤用が増えつつある故事ことわざのようです。
補足をご参照ください。
「破天荒」も故事ですかね。
新聞(テレビ欄限定)にもよく誤用の意味で使われます。
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12281685620.html
http://1311racco.blog75.fc2.com/blog-category-4. …
No.4
- 回答日時:
忸怩たる思い(じくじたるおもい)
(正)はずかしく思うこと
(誤)くやしいと思うこと、思い悩むこと
檄を飛ばす(げきをとばす)
(正)自分の主張を広くつたえ、行動をうながす文書を送る
(誤)はげます、発破をかける
他山の石(たざんのいし)
(正)他人の失敗から学ぶこと
(誤)他人の良い所から学ぶこと
(誤)自分には関係ないと思うこと
天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)
(正)人はみんな大事な存在
(誤)自分だけが大事な存在
確信犯
(本)正しいことと信じて行われる犯罪
(誤)悪いことと分かってやること
一姫二太郎
(本)一人目は女の子、二人目は男の子の方が理想
(誤)男の子が2人、女の子が1人が良い
気のおけない人
(本)気をつかうことがないほど親しい人
(誤)気を許せない人
首がまわらない
(本)金銭のやりくりがつかない
(誤)忙しくて他のことができない
五月晴れ
(本)旧暦の5月(現在の6月)の梅雨の間の腫れた日
(誤)5月の晴れた日
……まだまだありそうですが、このへんで
コメントありがとうございます。
慣用句の誤用が広まった例はいろいろありますよね。
下記あたりのときも慣用句の話になっていました。
【坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、、、を坊主憎けりゃ今朝まで憎いとか勘違いしたことわざってありますか?】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/12583762.html
あげていただいたもののなかでは、「他山の石」は故事ことわざですかね。
これも「誤用」が広まっているようです。あくまでもまだ「誤用」でしょう。
「天上天下唯我独尊」は「釈迦が誕生した時に言ったとされる」ので、一応故事ですかね。
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