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高校の授業で電子配置 (s d p等)を習ったのですが考え方、当てはめ方がいまいちわかりません。

コツなどあれば教えていただきたいです。

また、とっかかりとしてわかりやすくまとめられているサイトや動画があれば教えてください。

A 回答 (2件)

教科書の終わりの方に付録として書いてありませんか?


4s 4p 4d 4f
3s 3p 3d
2s 2p
1s
って書いてあって矢印が斜めに打ってあるような図が。まあ、高校生にもなんとか理解できるように説明してみますが、長いですよー。

カリウムK の電子配置が K(2)L(8)M(9) にならずに K(2)L(8)M(8)N(1) になることを 軌道spdf… を使って理解する程度で十分かと思います。

① まず、高校化学で学ぶ「電子殻KLMN…」はむちゃくちゃ単純化(近似)されたものだ、と思ってください。裏を返せば「電子殻」は正確ではないのです。「電子殻」の考え方を捨てる必要はありませんが、「電子殻」のイメージにひっぱられているとこの先の理解はできません。

「電子殻」がダメなのかというと、実はそうでもありません。原子のなかに存在している電子の状態を正確に表現しようとすると非常に難しい数式なんかも出てきてしまいます。原子の電子配置を考える程度のことでそれは大変。「電子殻」は結構簡単に表現できわりに、ある程度の正確さが保たれているので、コスパが良いのです。


② 1つの「電子殻」だと説明されてきたものは、実は複数の「軌道」に分かれています。「軌道」とは簡単に言うと、電子のたどった道筋のこと。電子の道筋を鉛筆なんかでなぞっていくと、いっぱい通ったところは濃くそれほど通らなかったところは薄く、だんだん何らかの形が浮かび上がってきます。それが「軌道」です。

例えば、L殻 は s,p という2種類の軌道、M殻は s,p,d という3種類の軌道に分かれています。「なんでs,p,d…と名付けられているか」ということはこの際気にしないでください。種類の違いさえ区別できるならば、名前なんてどうでもよいことです。それよりも、L核がなぜ2種類に分かれているか、M核がなぜ3種類に分かれているか、ということの方が大切です。実際あなたが気になるのは、どうやってその数を見抜けばよいのか、ということではないでしょうか。


③ 1つの「軌道」には、「主量子数」と「方位量子数」という2つの要素があります。
「主量子数」:電子の移動範囲の広さ、軌道の大きさ、と思ってください。
「方位量子数」:電子の軌跡が描く形の複雑さ、軌道の形、と思ってください。

「主量子数」と「方位量子数」にはゆるーい関係があります。「主量子数」が同じでも「方位量子数」というのが異なる軌道が何種類かあるのですが、「主量子数」が大きくなるほど、おなじ「主量子数」に属する「方位量子数」の種類が多くなります。

要するに、大きい軌道ほど、形のバリエーションが多くなると言うこと。行動範囲が広がるほどたくさんの行動パターンがとれるでしょ、ってことですね。


④ 「方位量子数」はせいぜい数パターンしかないです。「方位量子数」を軌道の形や電子の道筋に例えるならば、どんな形になってもいいんじゃないかな、と思うかも知れませんね。でもそうはゆきません。物事を単純に表現しようとするとどうしてもつじつまの合わないことが出てきます。

「電子と電子が衝突せずにすむ」という制約が出てくるので、軌道の形のバリエーションはそう多くはありません。このことを、「方位量子数は整数値をとる」などと言いますね。方位量子「数」って言うくらいですから、本当は数値なんです。0が最も小さくて、1,2,3…と続きます。

なんで0からやねん、とか気になりますか? これはとても複雑な方程式を解いた答えなので、説明するのは無理です。それよりも方位量子数と軌道の名前の対応を押さえましょう。
s軌道…方位量子数0 
p軌道…方位量子数1
d軌道…方位量子数2
f軌道…方位量子数3
数字が大きくなるにつれて、どんどん形が複雑になってゆきます。


⑤ 「主量子数」も整数値しか取れません。1が最も小さく2,3,4…と続きます。

この理由を説明するのがとても難しいです。方位量子数の制約は「電子と電子が衝突せずにすむ」ことだと説明しましたが、主量子数の制約は言ってしまえば「過去の自分と未来の自分が衝突せずにすむ」ということです。

正確に言うと「電子が定常波として存在するため」なんですが・・・うーん・・・電子が永遠に原子の周りに存在し続けるとするならば、同じ所を何度も通ることになるわけですが、電子は一度通ったところをもう一度通るときは、前に通ったときと同じ感じで通りたいんですね。そのための軌道の大きさには実は制約ガアッテ・・・うーん・・・説明が苦しいのでこれ以上はやめときます 笑

それよりも・・・実は今まで「電子殻」と呼んでいたものが実は「主量子数」にあたるんですね。
K殻…主量子数1
L殻…主量子数2
M殻…主量子数3
N殻…主量子数4
数字が大きくなるにつれて、どんどんと大きくなります。化学基礎で渦巻きを書きませんでした? 内側からK、L、M、Nってね。まさにそのことです。


⑥ 主量子数と方位量子数には緩やかな関係性があり、同じ主量子数(大きさ)だけど、方位量子数(形)の異なる複数の軌道が存在します。そして、主量子数が大きい(範囲が大きい)ほど、たくさんの方位量子数(形)の軌道が存在します。③で一度指摘したことですね。

もっと具体的に言うと、主量子数の数だけ方位量子数に種類があります。例えば、

▼主量子数1(K殻)なら、方位量子数0のみの1種類。
主量子数1、方位量子数0 … これを1s軌道という。

▼主量子数2(L殻)なら、方位量子数は0と1の2種類。
主量子数2、方位量子数0 … これを2s軌道という。
主量子数2、方位量子数1 … これを2p軌道という。

▼主量子数3(M殻)なら、方位量子数0,1,2の3種類
主量子数3、方位量子数0 … これを3s軌道という。
主量子数3、方位量子数1 … これを3p軌道という。
主量子数3、方位量子数2 … これを3d軌道という。


⑦ 方位量子数がℓである軌道には、2(1+2ℓ)個の電子が収容できます。

実は主量子数・方位量子数が全く同じ軌道が複数存在する(電子の衝突を避けるという制約を満たしながら、取り得る形の複雑さが同程度である軌道が複数存在する)こととか、電子の自転方向とかが関係することとかが関係するんです。ですが、カリウムの電子配置を説明する程度ならば、そこまで立ち入らなくてもいいので、ここでは割愛します。

電子の収容数は次のようになることが確認できれば十分です。
s軌道(ℓ=0)…2個 = 2×(1 + 2×0)
p軌道(ℓ=1)…6個 = 2×(1 + 2×1)
d軌道(ℓ=2)…10個 = 2×(1 + 2×2)


⑧ 電子はより小さな軌道(主量子数が小さい軌道)から占拠してゆきます。これは「電子殻」の考え方と同じですね。加えて、大きさが同じ軌道ならばより形の単純な軌道(主量子数が同じならば方位量子数の小さい軌道)から占拠してゆきます。

つまり、電子が占拠してゆく順番は
1s → 2s → 2p → 3s → 3p
となるのですが、次が問題で、結論から言うと電子は3dよりも4sの方を先に占拠します。
1s → 2s → 2p → 3s → 3p → 4s → 3d

軌道の大きさと形の複雑さの両方を加味した場合、4sの方が3dよりも占拠しやすいのです。(主量子数+方位量子数)というものを計算すると少し見通しがクリアになって、
4s → 主4 + 方0 = 4
3d → 主3 + 方2 = 5
4sの方が小さく3dの方が小さくなるでしょ。小さい方を先に電子が占拠してゆくわけです。電子殻で言うとN殻がM殻より占拠されると言うことですね。

⑨ 軌道で考えた場合の、カリウムの電子配置は
1s(2) → 2s(2) → 2p(6) → 3s(2) → 3p(6) → 4s(1)
となりますね。んで、
K殻…主量子数1
L殻…主量子数2
M殻…主量子数3
N殻…主量子数4
で電子をまとめてみると、K(2) L(8) M(8) N(1)となるわけです。


できるだけ言葉で簡単に説明しようとしてもこれくらいにはなってしまいますね。いや、長い。
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本来、高校で習うことではないはずなので、どういう風に習ったのかわかりませんので何とも言い難いです。


通常は、主量子数、方位量子数、磁気量子数との関連で軌道のエネルギー準位や数を説明し、スピン量子数やPauliの禁制律と結びつけて周期律との対応を説明するのですが、それだけでも丁寧に説明すれば高校の授業で2時間程度はかかるはずです。
コツと言ったことを聞きたいのであれば、自分がどう習ったのかとか、どこがわからないのかを書かなければアドバイスは難しいです。
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