アプリ版:「スタンプのみでお礼する」機能のリリースについて

二宮尊徳が「お金儲けの秘訣を教えてください」といわれたので、
湯船に水をはって、それを手でグルグルかき回して見せたエピソードがありますが、禅問答みたいで意味が分かりません。
風呂に入れた水は増えて無いからお金儲けできてないと思うのですが、何がしたいのでしょうか?

A 回答 (3件)

「桶の水」「湯舟」などの話じゃないかと思います。



少し調べましたが桶の水の例えは「循環」についてイメージする事と湯船については「順番」について気を付けるように諭したものだと思いますよ。

以下は長いのでお暇なときにでもどうぞ。

二宮さんは江戸時代後期の経世家、農政家、思想家だそうです。経歴を見ると「農村などで経営破綻を起こしている領地の建て直し屋」として認められてきたようです。

生い立ちはどん底過ぎる環境でした。運が悪いと言えば運も非常に悪いです。その中で地味にステップ・アップを続けて最後は幕府に召し抱えられています。生家の力もなく、スタートラインも悪く、運も味方しない中で「どうしてそこまでいけたのか?」と言う部分で皆さんが興味を持ち、その秘訣を聞こうとしたのでしょう。

彼はいくつか教えを残しているようです。

今回はその中の「循環」について解釈します。

では思考実験をしますね。

一つの物語を考えます。

宇宙船に複数の家族が乗っていたとしましょう。生活環境は整っており、安住できる程であったとしましょう。この時にある悪意ある人が来て悪戯を考えました。

「気を付けてください。この宇宙船は空気が漏れています。
 皆に話すとパニックになるのでコッソリ教えます。
 この空気ボンベを使うと周囲の空気を集めて圧縮できま
 す。空気が不足して争いが起きる前にこれを使って出来
 る限り家族の為に集めてください。また、使う時も慎重
 に。無駄遣いをすると助かりません。どうしても苦しい
 時に少しだけ吸うんです。
 貴方の家族の幸運と奮闘を祈っております」

酷い嘘です。これを信じた方々がこっそりと空気を集め始めました。すると、本当に気圧が低下しました。

「彼の言ったとおりだ。この宇宙船は危ない。空気貧乏状
 態だ。どこかに逃げ出さないといけない。今はこの大事
 な空気をコッソリ吸って家族が生き延びないといけない」

宇宙船という社会がどの様にして生活環境を維持しているか知っている人は、この悪意ある悪戯を聞いて憤慨するでしょう。しかし知らない人は本気にしてしまうんですよ。自らの疑いにより全体が本当に酸欠状態に成ります。船内では空気漏れが無いかと皆で必死に探しました。備蓄している空気を開放しました。それでも足りません。

「苦しいと思って大分使ってしまった。だがまだ沢山ある。
 うちの子が限界なので少し使おう」

「お父さん。これ吸っても苦しいよ。なんか気持ち悪い」

「そんな・・・まさか。・・・何でだ。集めた空気の質が
 悪くなっている。これでは意味がない。このボンベに集
 めた空気の意味が・・・価値が・・・無くなっている。
 これは絶望だ・・・希望が無い。それでもこれすら大事
 にしないといけない。他の家族はもっと酷いしな。
 神様。この酷い状況を何とかしてほしい」

と慌てる家族が出始めました。勿論、空気ボンベの存在を知らない家族が大部分です。殆どの家族が被害を受けました。

その中でナントカ生き残った少年がいました。彼は「このやり切れない、意味のない空気貧乏状態」に怒りを覚えました。

「無限に空気が湧き出るのだと思っていた。
 実は循環させていただけなんだ・・・
 どこからか湧き出るものだと思い込む無知な人を憎む。
 循環しているのだという事に気づかない人達を恨む」

(ちょっとした悪戯と無意味な道具。これだけで宇宙船内の人々を全滅させられるわけです。皆さんは知識がありますからこんな事になりませんよね。しかし空気を皆で減らしたらどうなるか? 本当に死にますよ)

そして少年はあるとき同じような話を聞きまいした。

「あの宇宙船で空気漏れが起きたらしい。
 解決できず宇宙船は破棄。生活していた人たちは
 何とか避難したけど破産状態らしいよ」

「技術者が沢山いても解決できないなんて。何だか
 恐ろしいね」

これを聞いた少年は「宇宙船の空気漏れ解決します」と言う商売を思いつきました。勿論、基礎的な技術を学ばないといけません。それでも「これはいける」と確信していました。自分だけが気づいた秘訣があったんです。そのため必死になって勉強をしました。

そして小さなチャンスをつかんだんです。

「凄いね君。何でも欲しい物を言いたまえ」

「いえ。要りません。初回はサービスですよ」

「なんて欲のない・・・これは他の人にも紹介せねば」

少年は成長し「宇宙船怪事件解決のプロ」として有名に成りました。勿論、謙虚な姿勢を崩さず、地味にステップアップを続けたことも功を奏したのだと思います。そんな彼の秘密を知りたくて教えを乞う人が現れます。

「自分が住む宇宙戦で空気不足が起きた時を思うと怖
 くて仕方ありません。そういう状況で改善するコツ
 は何ですか?」

すると彼は人差し指を立て、頭の所でクルクルとまわしました。

物語は以上です。

循環を意識している人があまりいないという事ですね。無限に湧き出る何かだと思い、自分の身の上を心配して集めようとしてしまう。しかし、空気はシステムの中で清浄化して再度放出しないと行けません。自分で貯めてもだめなんです。最後の方は汚い空気を集める事になりますよね。何もない中で「疑心暗鬼が生ずる」だけで全滅できるという事です。

二宮さんはお風呂の水を使って「押し出せば跳ね返って来る。自分に向けて掻き込んでも結局また外に向けて流れ出す」と教えたようです。これは循環とは違って「順番」です。結局は元に戻るとした時、押し出した水が自然に戻ってくるという事を知っている人が少ないと指摘したんでしょう。自分に向けて掻き込んでも労力の無駄であり、外に向けて押し出しても戻って来るので怯えるなと言う話ですね。

どちらも自己犠牲を諭しているわけではなく、

「仕組みを知れば慌てる必要が無い。ただしパニックを
 起こすと水自体が減ってしまい、循環もしないし、押
 し出しても戻ってこない。実際は桶の様に底が平では
 無い場合があり、水が減るとせき止められてしまう。
 なので何かで引っ掛かっていないか探して平らにする。
 ある程度は水を入れてかさ上げする。慌てて水を貯め
 ようとする人がいるはずなので落ち着かせる」

と言う合理的な話であると思います。

お金の話を水や空気に例えました。しかし「優しさ」の様なものであっても通用します。数学者が集合の問題で循環に関わるを興味深い話を証明しています。

その興味深い証明とは、

「人の交友関係や仕事の利害などで『個々人が接する
 人がほぼ固定化している』状況がある場合、自分の
 知らないところで友達の輪が繋がっており、必ず自
 分に戻るループを形成する」

という話です。

「俺の友達の友達の友達の・・・て広げていくと最後
 は俺に戻るの?」

「友達だけではなく仕事場の同僚とか、家族とか恋人
 やまたは好きなアーティストなどでもいい。
 そういう関係を辿っていくと自分に戻ってくるとい
 う話だよ。幾つかのループが出来てしまい、その中
 の一つに必ず所属する事になるらしい」

これはどういう事を意味するのか?

「何でそんなに怒ってるんだよ?」

「いやさ今朝ちょっと面白くない事があって」

「八つ当たりかよ。ふざけんな。
 いけね。会議に行かなきゃ。マジで嫌な日だ」

(そして・・・会議が荒れてしまいました)

(その後日)

「何だよ。今日も俺に八つ当たり?」

「今回は違うんだ。昨日より酷いんだよ。
 聞いてくれよ」

「うるせえ。またあの嫌な会議があるんだ。
 勘弁してくれ。全く酷い日が続く」

こうなるわけです。

誰かがグッとこらえて循環を止めませんと無限にストレスがループをしますよね? 一度、誰かが八つ当たりしたら止まりません。何も起きていないのに「超電導」の様に抵抗なくストレスが友達の輪に流れ続けるんです。

「八つ当たりしない人が形成するループに所属する
 とかどうよ?」

「それもあるけどさ。八つ当たりの代わりに幸せな
 気分とか癒しを流し込んではダメなんか?
 自分に戻って来るんだろ?」

これは本当です。ただし自分が所属するループの人だけが恩恵を受けます。また途中にいる人がブラックホールの様に優しさを吸収してしまう(飢えた子供のような状態)場合は効果ありません。

「何を言っても心に響かず、八つ当たりで反撃して
 来る人を交友の輪から外せばいいのか?」

「まあ皆でそういうムーブをするのが良いんだろね」

この様に組み換えも起きます。恐ろしいのは「幸福感」だけが循環するループとストレスだけが循環するループに分れるという事です。

「同じ日本であるのに。天国と地獄になる。
 気が付かずに自分達で地獄を作り出している。
 自分の振る舞いが循環して戻ってきていると気づ
 かないといけないとなあ」

という分けで日常でも循環が大きく影響しています。この論理が強力なので「二宮さんに生じた不運」は彼の人生を阻害しなかったわけです。それを二宮さんは伝えたかったのでしょう。

「運はあまり関係ない」

「当たりの入っていない人生」は自分が今この瞬間に作り出しているのです。意識してストレス発散(八つ当たり)を辞めて「癒し」「楽しみ」などを自分に近い人に流し込んでいると、いつの間にか幸福感に包まれますよ。お勧めです。

自分から進んでストレス・ループに所属するのは行けませんよ。一生は一つしかありません。何の積み上げにも成らない場所で「心の酸欠」に喘ぐのは如何なものかと思います。

以上、ご参考になれば。
    • good
    • 2

二宮翁夜話 第38話


これを手にて己が方に掻けば、湯我が方に来るが如くなれども、皆向うの方へ流れ帰る也。これを向うの方へ押す時は、湯向うの方へ行くが如くなれども、又我方へ流れ帰る。少しく押せば少しく帰り、強く押せば強く帰る。

常に奪うに益なく譲るに益あり、譲るに益あり奪うに益なし。

>「お金儲けの秘訣を教えてください」

だとすれば余ったお金は他のために譲れば(推譲)自分にも利益があると言っています。「推譲」というのは二宮尊徳の根本的な思想で夜話に何度も出てきます。
第79話
少く行えば少く帰し、大に行えば大に帰す

「二宮翁夜話」は多数出版されています。
    • good
    • 0

二宮尊徳が風呂の水をかき回して見せたエピソードは、彼の教えや考え方を通じて、物事の本質や人生の哲学を表現したものとされています。

このエピソードは、「湯船の水をかき回すことで増えるわけではないが、それでもやり方次第で水の流れや変化を感じることができる」というメッセージを持っています。

このエピソードは、お金儲けに関する質問に対する彼の回答として使用されることが多いですが、あくまで一般的な人生の教訓や哲学に関するものとされています。その意味は以下のように解釈されることがあります。

物事の本質を見る: お金儲けや成功において、表面的な変化や結果だけにとらわれるのではなく、物事の本質や背後にある要因を理解することの重要性を示しています。湯船の水が増えないように、見た目だけで物事を判断せず、深い洞察力を持つことが大切であることを示唆しています。

努力と変化: 水をかき回すことで増えるわけではありませんが、努力や行動を通じて物事は変化する可能性があるということを表しています。適切な方法やタイミングで取り組むことで、物事は好転することがあるという希望的な側面も含まれています。

物事への感受性: 湯船の水の流れや変化を感じるためには、注意深く見つめることが必要です。同様に、人生やビジネスにおいても細かな変化や機会に気づく能力が重要であり、鋭敏な感受性を持つことが成功への一歩となることを示しています。

このエピソードは、ただ水をかき回す行為の表面的な意味よりも、深い思索や人生の智恵を表現するためのメタファーとして広く受け入れられています。
    • good
    • 1

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!