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実験で安息香酸の分配比を求めることをしました。
安息香酸は有機相では2量体を形成していることはわかりました。実験では、安息香酸の濃度が濃くなると分配比の値は大きくなりました。しかし、濃度が濃くなると2量体を形成しやすくなるため、分配比の値は小さくなるのではないのでしょうか?
また分配比とpHの関係について教えてください。
お願いします。

A 回答 (1件)

要は化学平衡の問題です。


分配比とは有機相にいる安息香酸達と水相にいる安息香酸達の濃度比をあらわしています。ここで「達」としたのは、有機相は2量体+1量体、水相は1量体+一価の安息香酸イオン+二価の安息香酸イオンとなるからです。
安息香酸は二価のイオンなのでH2Aとすると、平衡式は以下の様になります。(添え字、aは水相、oは有機相)

(有機相)
2(H2A)o⇔(H2A)2o(2量体)・・・(1)

(有機相から水相)
(H2A)a⇔(H2A)o      ・・・(2)

(水相)
(H2A)a⇔(HA-)a+(H+)a   ・・・(3)
(HA-)a⇔(A-)a+(H+)a   ・・・(4)

つまり、(2)の式の平衡がどちら側に傾くかが問題で、安息香酸がより2量体を形成すると、(1)の式の平衡が右側に偏ることになり、(H2A)oの濃度が減るためそれを補おうと(2)式の平衡が右側により、結果として有機相に含まれる割合が増加=分配比が大きくなったと考えられます。

次に分配比とpHの関係ですが、導出は面倒なので結果の式を書くと、
D=Kd/(1+Ka/[H+]a)(Kd:分配係数、Ka:酸解離定数)
となります。でもおそらく質問の意図は、定性的なpHの増減と分配比の増減の関係でしょうね。上記平衡式の(3)、(4)を見れば自ずと明らかになると思うので考えてみてください。
長々と失礼しました。
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