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マーシャル的調整により安定であるのは、均衡数量より多い数量で供給価格が需要価格を上回り、均衡数量より少ない数量で供給価格が需要価格を下回るときです。

という解説を読みましたが、そう言えるのは、なぜでしょうか?

A 回答 (1件)

一言で言うと、その条件は「生産者が利益を最大化しようと行動した結果、自然と数量が均衡点に戻っていく」ことを示しているからです。



以下で、図を使いながら具体的に見ていきましょう。

1. 前提知識の確認

まず、いくつかの言葉の意味と「マーシャル的調整」の考え方をおさらいします。

需要価格 (Price demand, Pd): 消費者が「その数量の商品なら、最大でこの価格までなら払ってもいい」と考える価格。需要曲線上の点の高さに相当します。

供給価格 (Price supply, Ps): 生産者が「その数量の商品を売るなら、最低でもこの価格は欲しい(これ以下では採算が合わない)」と考える価格。供給曲線上の点の高さに相当します。

マーシャル的調整: 市場の調整は「数量」が動くことで起こると考えます。生産者が「今の数量は儲かるか?損するか?」を判断し、生産量を増やしたり減らしたりするプロセスです。

2. なぜその条件で「安定的」と言えるのか?

市場が安定しているとは、何らかの理由で均衡点からズレても、自然と均衡点に戻ろうとする力が働く状態を指します。
ご質問の条件が、まさにその「戻ろうとする力」を生み出すのです。

ケース1:数量が均衡数量より「少ない」とき (Q₁ < Q*)

解説の条件によれば、このとき「供給価格(Ps)が需要価格(Pd)を下回る」、つまり Pd > Ps となります。

図の説明: 数量がQ₁のとき、生産者は最低でもPₛの価格が付けば売りたいと考えています。一方、消費者は最大でPᏧという高い価格を払っても良いと考えています。

生産者の視点:
「この数量(Q₁)なら、Pₛのコストで生産できるのに、市場ではPᏧというもっと高い値段で買ってくれる人がいる! これは儲かるチャンスだ!」と考えます。

生産者の行動:
より多くの利益を得るために、生産量(数量)を増やそうとします。

結果:
数量がQ₁から増えていき、均衡数量であるQ*に近づいていきます。

ケース2:数量が均衡数量より「多い」とき (Q₂ > Q*)

解説の条件によれば、このとき「供給価格(Ps)が需要価格(Pd)を上回る」、つまり Ps > Pd となります。

図の説明: 数量がQ₂のとき、生産者は最低でもPₛの価格で売らないと採算が合いません。一方、消費者はPᏧという安い価格までしか払う気がありません。

生産者の視点:
「この数量(Q₂)を生産するにはPₛのコストがかかるのに、市場ではPᏧという安い値段でしか買ってくれない…。これでは作れば作るほど損をしてしまう!」と考えます。

生産者の行動:
損失を避けるために、生産量(数量)を減らそうとします。

結果:
数量がQ₂から減っていき、均衡数量であるQ*に近づいていきます。

まとめ

このように、

数量が少なすぎる場合 → 「もっと儲かる!」というインセンティブで生産者が増産する → 均衡点へ

数量が多すぎる場合 → 「これ以上は損する!」というインセンティブで生産者が減産する → 均衡点へ

というメカニズムが働きます。

どちらのケースでも、数量が均衡点からズレると、生産者の合理的な利益追求行動によって、自動的に数量が均衡点に向かって調整されます。この「元に戻る力」が働く状態を「マーシャル的に安定である」と表現するのです。

したがって、ご質問の解説文は、この市場の自律的な調整メカニズムが働くための条件を的確に言い表している、ということになります。
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この回答へのお礼

大変詳しく教えていただき、ありがとうございました!

お礼日時:2025/08/01 00:46

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