No.4ベストアンサー
- 回答日時:
私は、タンパク質の発現を仕事にしています。
プラスミドの配列が正しい場合でも、GSTのみが発現することがあります。
GSTと後のタンパク質の間のリンカー部分が、内因性のプロテアーゼによって切断されるなどした場合です。
発現直後はちゃんとした融合タンパク質なのですが、この場合は発現直後にGSTと後のタンパク質の間で切断されてしまうため、電気泳動などではGSTのみが発現しているように見えてしまいます。
GSTと同様に、後のタンパク質も電気泳動で確認できる場合と、できない場合があります。
できない場合は、タンパク質が構造的に不安定で分解されやすいのかもしれません。
こういう現象は、融合させたタンパク質の性質が良くない場合におこることがあるようです。
解決案の一つは、リンカー部分をなくすことですが、今度はGSTごと発現しなくなったり、発現してもインクルージョンボディであったりする可能性もあり、難しいところです。
しかし、上記に述べたのは、あくまでも可能性の一つでしかありません。タンパク質発現の場合、理論的には起こりそうに無いことでもおこる事があり、原因の究明はなかなか難しいことが多いのです。
今後の研究を考えると、フレームがずれていたという方が、解決が早くてよいのですが・・・。
アドバイスありがとうございます。
>GSTと同様に、後のタンパク質も電気泳動で確認できる場合と、できない場合があります。
できない場合は、タンパク質が構造的に不安定で分解されやすいのかもしれません。
こういう現象は、融合させたタンパク質の性質が良くない場合におこることがあるようです。
これについては文献でGST融合蛋白として発現させているものが何件もみつかったので心配ないと思います。
シークエンスの結果待ちですがフレームがずれていることを願うばかりです・・
No.3
- 回答日時:
>インサートに用いる遺伝子でORF以前の塩基は少ない方がよいのでしょうか?
場合にもよりますが、若干長いほうが機能を阻害をしなくなる可能性があります。
>ORF手前20塩基ほどついています。
21塩基ではなくて、20塩基?
No2の回答に対するお礼のところをみて、すごくチェックされているのだなあとびっくりしました。
僕はいつも制限酵素チェックしたら、すぐにシークエンスです。
ただ、それだけチェックされたのにGSTのみで発現しているということは、コドンにずれが生じていると思います。
そして、使っている酵素にもよりますが、PCRで欠損や変異が起こる可能性よりも、下記の可能性のほうが高いです。
1.No1さんがご指摘の通り、5'末端のプライマーの設計に間違いがある。
(多分既にチェックされているでしょうからこの可能性はないでしょうけど)
2.まれにですが、プライマーが注文どおりに作られてないということもあります。
(日本ではないですが、この1年ちょっとで250ほどプライマーを注文していますが、
5つぐらいありました。2%です。)
この場合は、DNAシークエンスをチェックしないと、判明しません。
もし、合成ミスなら、合成した会社に言いましょう。
まあ、とにかく、シークエンスの結果待ちですね。
アドバイスありがとうございます。
>>ORF手前20塩基ほどついています。
21塩基ではなくて、20塩基?
発現ベクターの読み枠をあわせるために20塩基となっています。
プライマーのずれというものはまったく考慮にいれていませんでした。
シークエンスの結果を待って再度実験をおこないます。
ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
>ORF以前の塩基は少ない方がよいのでしょうか?
少ないことにこしたことはありませんが、基本的にはフレームがあっていれば、ある程度の長さがあっても問題ありません。20塩基は短い方でしょう。発現ベクターの多くはクローニングとフレーム合わせの自由度を高めるため、クローニングサイトを長くとっていて、場合によっては20塩基よりもっともっと長いスペーサーが入ることもあります。
>PCRで増幅させたDNAを制限酵素処理→TAクローニングでライゲーション
制限酵素処理は、ベクターにつなぐための末端処理でしょうか。だったら、TAクローニングするというのは?念のため書きますが、TAクローニングは、PCR産物の3'末端にTが一個余計についた突出末端をつくる性質を利用して、末端にAが一個突出したベクターにクローニングする方法です。
出来上がったコンストラクトのシークエンスは確認していますか。DNA末端が分解されるなどして、必ずしも設計通りのフレームでつながっているとは限りませんよ。それに、PCR産物の場合、取り込みエラーで変異を生じていることもあります。不運にもストップコドンが生じているかもしれないですし、そうでなくてもアミノ酸置換が生じていて、使い物にならないかもしれない。
そもそも、ちゃんとインサートは入っているものがクローニングできていますか?まさか、ライゲーション産物を直接、in vitro transcription/translationしているなんてこと、ないですよね?
詳しい説明ありがとうございます。
>PCRで増幅させたDNAを制限酵素処理→TAクローニングでライゲーション
制限酵素処理は、ベクターにつなぐための末端処理でしょうか。だったら、TAクローニングするというのは?念のため書きますが、TAクローニングは、PCR産物の3'末端にTが一個余計についた突出末端をつくる性質を利用して、末端にAが一個突出したベクターにクローニングする方法です。
書き方を間違えたのですが、PCR産物→TAクローニング→インサートチェック(PCR兼blue/white seection)→プラスミド抽出→制限酵素処理→ゲルからの切り出し・精製→発現ベクターへの組み込みの手順で行っています。
>出来上がったコンストラクトのシークエンスは確認していますか。DNA末端が分解されるなどして、必ずしも設計通りのフレームでつながっているとは限りませんよ。それに、PCR産物の場合、取り込みエラーで変異を生じていることもあります。不運にもストップコドンが生じているかもしれないですし、そうでなくてもアミノ酸置換が生じていて、使い物にならないかもしれない
現在解析を依頼しているところです。
>そもそも、ちゃんとインサートは入っているものがクローニングできていますか?
発現ベクターのインサートチェックはMCSをターゲットとしたPCR、MCSとインサートのプライマーの組み合わせのものを2通り、計3通りのPCRで行い、それからプラスミド抽出→制限酵素処理→バンドの確認で行っています。
シークエンスの解析結果待ち状態なので結果が出次第指摘していただいたことを参考に再度行ってみます。
ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
大腸菌での話でしょうか??
まず、GSTは自分のタンパク質のN末端かC末端のどちらに融合させる予定ですか?
C末端であれば、タンパク質とGSTの間に終止コドンがないように
フレームをあわせてコドンをもうける必要があります。(ひと続きのアミノ酸配列になるように)
この時、ORF後半の配列を加工する必要が出てくるかもしれません。
また、自分のタンパク質の開始コドン(M)が、所定の位置に来ることも確認して下さい。
N末端にGSTを付けるときもGSTから目的タンパク質の間がアミノ酸のコドンで埋まるように設計する必要があります。この場合、ORF前半の配列を加工する必要があるでしょう。
転写は、ベクターに予め組み込まれているGSTのMetから始まりますので、開始コドンの設定は気にする必要はありません。
話からして、後者の方だと思いますが、いかがでしょうか。
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