No.1
- 回答日時:
あまり詳しくはない者ですが。
「エピクロス哲学」という本があったんですけれど、とうの昔に絶版になったみたいです。
でも、下記のサイトでその本の内容を詳しく書いていますよ。
参考URL:http://www.logico-philosophicus.net/notes/Epicur …
古本屋を中心に探してみようかと思います。
話しはすこし違いますが、シャーマンキングと言うマンガの主人公、朝倉葉はゆるゆるです。
楽をしたいから王になる。
志としては低俗ですが、その信念は揺るぎません。
楽をしたいから。
それを少し思い出しました。
HP見せていただきました。
「神は恐れる必要がなく、死はなにものでもなく、善は手に入れやすく、苦しみは容易に耐えられる」という教説は少し涙が出ました。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
エピクロスに興味をお持ちになった方がいらっしゃって、嬉しい限りです。
エピクロスは実に誤解を受けやすい哲学者です。
もし「快楽主義」という言葉から、セックスなど官能的な快楽にふければいいんだ、というイメージからエピクロスに興味を持たれたのなら、それはまず差し置いて考えた方がよいです。どうもフロイト同様に猥談じみたものと見なされがちなところがありますので。
私はエピクロスを大いに評価しています。
プラトン(ソクラテス)から始まってニーチェで崩れた「善悪」という尺度が、まだ今の世の中にも根強いですが、世界を変えるとしたら、エピクロスの主張に耳を傾けることからはじめなければいけないと思います。
まず自分を正義とおき、他を悪とする……といった前提自体、おかしいんですから。
No.2さんの中傷もなかなかのもので、いかにも善悪二元論的です。
さてさて、エピクロスの文献ですが、エピクロス本人の書いた多くの作品はほとんどが散逸しています。ただ、その中で、一部が後代の哲学者の研究者ディオゲネス・ラエルティオスの「ギリシア哲学者列伝」の掉尾に多く掲載されています。
エピクロスはデモクリトスの原子論に影響を受けました。ざっとこんなことです。
無からは何も生まれない、何も無にはならない。過去も未来も宇宙は現にあるがままであって、宇宙は物体と空間(空虚)のみからなる。宇宙は無限であって、その中で物体も空間も無限である。物体は原子に分割できる。原子はすべてが同一形状というわけではない。原子の運動はその形状や大小を問わず等速で、思考の働きなみに素早い。その原子の動きで衝突や反発が起こることによって物体が形成し、原子間の密度が物体の硬軟になったりする。
そこから話は心理学(霊魂論)に発展します。
霊魂も物体であるとエピクロスは言います。物体には2種類あって、みずから結合するものと、みずからでは結合できないもの……霊魂は後者になります。霊魂は肉体によって保護されていて、その保護されている間は感覚が作用します。霊魂が肉体を離れると当然感覚もなくなりますね。
さて、感覚です。あらゆる物体の表面からはたえずエイドーロンというものが放射されていると言います(エイドーロンとは、姿・像・映像といった意味です)。このエイドーロンが肉体の器官を通って霊魂に到達すると、感覚を呼び起こすというのです。現代科学とはいまいち食い違っていますが、昔のギリシアでここまで考えられていたとはと思うと、すごいことだと思います。
さて、感覚は知識の唯一の源泉で、感覚による知覚はすべて真である、ということを言います。それならば人間は誤ることがないはずなのですが、それは、精神(知性)が感覚のとらえる範囲を逸脱して臆説を立てるからだ、というのです。
上のディオゲネスによると、真理の標識は「感覚」(アイステーシス)、「表象(先取観念)」(プロレープシス)、「感情」(パトス)であるとエピクロスが語ったとされています。
さて、それなら、善悪の問題はどうなるのか。当然感覚によります。
ここからが倫理の分野になります。
快(ヘードネー)こそが幸福な生活の出発点、原理(アルケー)にして到達点、目的(テロス)であると断言します。なんというか、人は本能的に快を求めるからですね。
ただし、エピクロスは、目先の快にとらわれて、その数倍のわずらいを呼んでしまうことには注意しなければ、と言います。何か、快適な生活のために環境破壊のしっぺ返しを食らいそうになっている現代の私達に、ぐさっとくる言葉ですね。
快について正しい見解を導くのは、正しい生活であって、快く生きるためには賢くすこやかに正しく生きることだ、という風に言います。
エピクロスの説く快とは、積極的な享楽(例えば利己的なものであったり)ではなく、むしろ苦痛がない状態のことです。
となると、理想の幸福の状態は、外界から煩わされない、情熱とか欲望から自由になった心の平静不動なありさまです。この「アタラクシア」という理想状態は、いわば悟りの境地ですね。
そのためには公共の生活から引きこもることを勧めました。引きこもりを社会悪とする現代からするとおやっと思うところですが、まあ仙人の修行だと思うことですね。そこで死や神々に対する恐怖を克服することだ、と説きます。
何か宗教じみていますが、マルクス主義と大いに違うのは、エピクロスは無神論ではなかったということです。ただし、普通に人間が考える神とは違います。神は中間界(メタコスミア、インテルムンディア)に住んでいて、人間を煩わせたり人間に煩わされたりすることはない、と言います。この神々の発するエイドーラ(映像)を心静かに受け入れることによって、人間は神々の静謐さを得ることができるとしています。賢者が神の姿に似るのはこのためだ、とか言っていますね。
ニーチェが神は死んだなどと言いましたが、こういうエピクロス的な神は死ぬとは思えませんね。実際、私自身エピクロスから離れていろいろ悩んでいたのですが、心の平静が訪れて、後になって「ああ、これがアタラクシアか」と思うようになりました。まあ信じてもらえないでしょうからどうでもいいんですが。
フロイトは晩年、鼻の病気の治療薬に麻薬がいいと常用していましたから。
多くの事柄に性的なものと結びつけられているのは、仕方がない事かと。
単純に「夏休みの宿題は、夏が終わる頃にするのは苦痛を伴うし勉強という意味では意味がないので結局損。なんだかんだで、定期的に行った方が苦痛はなし、楽よ。」と解釈しました。
快楽主義ではなく、苦痛・困難回避主義というか、。
この考え方は快楽のイメージとはほど遠く、とても建設的なものとさえ思えます。
そこに惹かれたのです。
とても参考になりました。
No.3
- 回答日時:
再登場。
機会があったので、ブリタニカの百科事典で、「快楽主義」を調べてみました。
どうもエピクロスの前に、キュレネ学派のアリスティッポスという人がいたようです。
この人は、瞬間的な快楽のみを善として、可能な限り多くの快楽を集めることが幸福につながる、としました。
(幸福)=(快楽)×(量)ということですね。
エピクロスは違うって言ったんです。
快楽を量で見ないで質で見ましょうよ、って言ったんです。
だから精神的な快楽で、何ごとにも動揺しない心の平静なありさま、ということを言うのです。
ちなみにエピクロスの学派は「庭園学派」と言われ、ぶどう畑で日がな暮らすといった禁欲的な生活だった(引きこもりですが)とされています。
このことがどうも世間の誤解を招いたようですね。
普通に考えると、快楽主義なら快楽をむさぼれよ、と言いたくなってしまうので。
さて、近代に入ると、ベンサムという功利主義の思想家が「最大多数の最大幸福」なんてことを言い出します。快楽の量的差に基づく快楽計算を提唱します。
しかし、これも「量」や「数字」に動揺して心がかき乱された考え方のような気がしますね。
ここからは私自身の考えです。
そもそも、物質の快楽は、果てがありません。「あれも欲しい、これも欲しい」です。
しかしよくよく考えると、人間は生まれた時は丸裸です。何も持っていません。
なぜ持つことに固執するんだろう、死んだら持っているものを全て失うというのに。
(もしかしたら、死の恐怖から逃避するためかもしれませんね)
欲求すべきは、ただひとつです。
「欲求しないでも済むようになることを欲求する」
多くの人は、欲求を満たすべく多くのものを欲求することで底なしになりますが、それではいつまで経っても果てません。
エピクロスが禁欲的生活をしたのも「ゼロへの欲求」というのがあったからのような気がします。
そうすれば、心のわずらいごとも「ゼロ」になるはずですからね。
いくつかの質問が残念な事に削除されてしまったようですが、メールや幸いにも前もって多くの回答を保存する事ができました。(自業自得な面も。^^;)
ひきこもり、快楽主義の二つの単語を見れば、誰だって勘違いをしそうです。
ゼロへの欲求ですか。
私はかってに、最小限で最大限の幸福を得る方法を知っていたのだと、思っています。
哲学の回答を見ると、難しい事を書いてある場合もありますが、大変わかりやすい説明でした。ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
唯物論だからエピクロスはダメ、という拒否反応をお持ちの方がいらっしゃるのですね。
とても「詳しく知っている方」とは思えません。
論争にならないようにという注意がついていますが、ともすると質問者に誤解をされることがあるかもしれないので、再度補足しておきます。
エピクロスが最終的に説いたのは、心の平静なありさまです。
心の価値がないとか、物質的価値しか認めないとかいう誤解は、どうして生じてしまうんでしょうかね。
むしろ物質的なものに価値はないと言っているのに。
心の平静な状態(アタラクシア)においては、あらゆることを認め受け入れることができます。エピクロスは愛について語っていないようですが、自己と他者を区別する必要もないですし、正義と悪で物事を測る必要もなくなります。ニーチェの「運命愛」にも近い考え方と言えるかもしれません。
さてさて。
エピクロス派と対立した形でストア派というものがあると言われています。
ストイック(禁欲的)などという言葉と対比されることで、放恣な快楽というレッテルが貼られた感がありますが、実はストア派もエピクロス派も同じようなことを言っているような気がします。
ストア派についても調べられることをお勧めします。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88% …
下の参考URLはウィキペディアによるエピクロスの記事ですが、人生くらいしか詳しく書かれていません。もし理解ができるならばリンクから英語版に行かれることをお勧めします。
参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%94% …
うーん、考えた結果。
けっこう揺れています。
たぶんすべてが「あるがまま受け入れる」、さらに「心が平穏ならいいじゃん」って事なんでしょうが。
晩年、病気に苦しみながら、それでも心の平温を求め、おねーちゃんの膝でなくなられたのは、ちょっとうらやましいかなー、とも思えました。
もうすこしエピクロスだけでなく、他の哲学者の本も読む必要がありそうです。
No.5
- 回答日時:
やっぱりエピクロスというと、「メノイケウス宛の手紙」
死は、もろもろの悪い物のうちで最も恐ろしい物とされているが、
実は我々にとって何ものでもないのである。
なぜかと言えば、我々が存するかぎり死は現に存せず、
死が現に存するときにはもはや我々は存しないからである。
を思い出しますけど、フロイトのタナシスに通じるものが
あるんですかねえ。
(すいません。自分の心への癒しでした。)
先にこちらから。お礼が簡単だから。
これに関しては、分かると言えば、分かるんですが。
要は、PCのエラーが起きたらメールを送るソフトを作ったけど、PCが壊れて電源がつかない状態では、メールが届かないので壊れているかどうか分からない。
これと同じように、痛みを認知するのは肉体なので、魂になった状態では痛みはない。、、、って事なんでしょうが。
「霊魂が痛がっている。」等の昔話や、逸話、テレビ番組をよく見かけるので、これに関してはピンと来ません。
まぁ、ありがとー。
No.6
- 回答日時:
これが2400年前に書かれたことに意味があるといいたかったのですが、くだらない回答で申し訳ありませんでした。
いや、okwebでは「最新の答える!」で回答があればアップされるので、人目に触れる機会も多くなる点では、感謝です。
私の中では、思考の指向が嗜好にあいそうなだけなので、2400年前であり、最近であれ、どっちでもいい事でした。
3000年くらいじゃー、人間の脳も変わってないだろうから、昔の人であれ考えついた事は、今の人と同じじゃないかなー?とか、思ってます。
まぁ、時代背景で言える事、言えない事、いいにくかった事はあるでしょうが。
No.8
- 回答日時:
エピクロスが説いた核の部分は、デモクリトスの万物は原子からなる、という考えを元に、人間、あるいは魂、心の作用、あらゆる全てのものを、この世限りのもの、とした事に集約されます。
エピクロスが説いた、心の持ち方とは、ニヒリズム的な平静心、であり、
行き着く先は全くの唯物的世界であるという事ですね。仏教的な無我感というものもありますが、こちらも、魂はない、自分は無い、というような、間違った思想となり大変似ています、まさしくニヒリズムであります。死んで、原子に分解され、なにもなくなってしまうのであれば、
なにがどうなろうと、構いませんね。自分だけが地上生活を楽しめれば、
後はどうでもよい、という愛の無い、思想ですね。おこもり状態で、隠れて生きよ、などと、言っていますが、自分の欲望、執着のコントロールができずに苦しみの心境が見え隠れしています。ニヒリズムが幸福であるわけはありません。唯物思想からは何も出てきませんし政治家や宗教家、世の中の影響力のある方がはまったら、たまったものではありませんね。氷山の上の部分だけ見ていないで、海面下の隠れた本質をよく捉えてほしい、と思います。
唯物論から流れる害とは、
自分がよければあとは構わない、愛がない、無責任な人生、冷たい、
人に知られなければ犯罪を犯しても構わない、(政治家の場合、粛正などに
つながる場合が多い)魂の向上がない、などなど
心の価値とは、ソクラテス、プラトンが説いたように、永遠不滅のものであり、不増不減、の存在であり、霊魂不滅、永遠の生命、転生輪廻の法則の中にある、という事が基本ですね。
人間の基本的な最も大切な魂の向上を妨げるものが唯物思想である、
という事を、指摘させていただきたいと思います。
先日は誠に申し訳なく思っております。
やはり大人でなければ、と心よりの反省しきりです。(クソッ笑)^^
哲学用語の多くが正確な意味を理解していないのですが、
>この世限りのもの、とした事に集約されます。
とは、前世等のしがらみがないという事でしょうか?
これは、新興宗教等に惑わされない、いい事だと思うのですが。
>死んで、原子に分解され、なにもなくなってしまうのであれば、なにがどうなろうと、構いませんね。
はい、かまいません。
天国や地獄は漠然とあったらいいな。とは思っていますが、必ずあると信じているわけでもなく、来世をもっとよくするために、今をよりよく生きたいとも思ってません。
仏教でいう輪廻からはずれたいとも思ってないし、来世は畜生道ではなく、せめて人間、できれば仏の世界へと思えるほど信者でもありません。
罪を犯してから、自殺すればいい。という考え方はマズいですが、もしその状態の私はきっと心の平穏はなく、辛いだけだと思います。
きっと快楽ではありません。
エピクロスに興味を持ったのが、万民性はなくとも私に通じると思ったからです。
幸い、私が気持ちいいと感じる事は、やや善なので。
10円募金するだけで、私は暑い日にアイスを食べるより幸せになれます。
UDというガン解析のボランティアソフトも、熱い時にCPUをフルに使うので寿命を少し縮めるかも(熱対策をしてればたぶん平気)と思いながら使っていますし。
仕事も辛いのがいやなので、簡単で効率のいい方法を考えます。
上司にも改善案を出します。
失敗すれば怒られるので、自分自信も非難するので、丁寧な仕事をします。
怒られたくないから、悔やみたくないから、つまりは快楽のためです。
このへんがエピクロスの100%前向きでないけど、本質かな?と、思っているのですが。
とはいえ、書きましたが万民性はなく、文献も少ないので誤解や湾曲されているかと思いますが。
もしかすると、エピクロスも新興宗教の教祖と同じで、お布施を払いやすそうな女性や信頼してくれそうな奴隷を対象に教育という場で洗脳していったのかもしれません。
それを後世の人がいい方向に解釈したのかもしれません。
私はエピクロスさんにあった事もないし、日本語訳された書物1冊しかよんでいないので、正しい事はいえません。
唯物思想もピンとこない哲学0歳児です。
過ぎた表現もあると思いますが、許して頂ければ幸いです。
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