
第三級アルコールを無水酢酸でアシル化したいのですが、適当な触媒として、ジメチルアミノピリジンとトリエチルアミンの使用を考えています。このジメチルアミノピリジンとトリエチルアミンの触媒作用が正確にわかりません。第三級アルコールを無水酢酸でアシル化している論文を読んだのですが、ジメチルアミノピリジンが求核触媒、トリエチルアミンが塩基触媒となっていました。ジメチルアミノピリジンはジメチルアミノ基中の窒素のローンペアーによりピリジン環が共鳴安定化するため求核性が高いということはわかっています。よってトリエチルアミンよりもジメチルアミノピリジンのほうが求核性が高いと考えてもよいのでしょうか?もしそうであればジメチルアミノピリジンの存在下ではトリエチルアミンは無水酢酸のカルボニル炭素に求核攻撃して活性中間体を形成しないのでしょうか?またトリエチルアミンが無水酢酸のカルボニル炭素に求核攻撃しない場合、トリエチルアミンはただプロトンをトラップするだけの役割しかないのでしょうか?以上よろしくお願いします。

No.2ベストアンサー
- 回答日時:
追加です。
根拠となる論文があるかどうかは不明ですが、一般論として、トリエチルアミンのような第三級アミンは立体的な要因によって、求核性は小さいはずです。
したがって、トリエチルアミンによる活性中間体の形成を考えるのは難しいように思います。
トリエチルアミンを用いる理由は、酸無水物との反応によってアミドを形成する恐れのない第三級アミンであることと、しかも、安価であることによるのだと思います。
ちなみに、第一級アルコールの場合にトリエチルアミンを用いた例があるとのことですが、その場合には、生じる無水酢酸をトラップすること、あるいは酸無水物を攻撃するためのアルコキシドの生成を有利にする役割があるのではないでしょうか。
ただし、トリエチルアミンよりもピリジンを用いる方が一般的であり、反応も速やかに進むように思います。

No.1
- 回答日時:
立体障害の大きいアルコールやアミンをアシル化する際に、ジメチルアミノピリジン(DMAP)を用いるのはセオリーのようなものですね。
この反応では、まずDMAPと無水酢酸が反応して、より活性なアシル化剤に変化します。
そして、これがアルコールと反応してエステルになります。
上述の過程においては、DMAPの求核性が関与しているでしょう。
なお、トリエチルアミンにはこのような作用はありません。つまり、反応の結果として生じる酢酸を中和する程度の働きしかしていないことになります。
したがって、トリエチルアミンを他の塩基、例えばピリジンなどに置き換えることは可能です。
しかし、DMAPなしでは反応が遅くなったり、全く進まなくなったりします。
この回答への補足
丁寧な解答ありがとうございます。追加の質問になるのですが、立体障害の比較的小さい第一級アルコールを無水酢酸でアシル化する時には、触媒としてトリエチルアミンだけを用いている論文があるのですが、この反応のトリエチルアミンの役割は、やはりプロトンのトラップ(酢酸の中和)だけなのでしょうか?トリエチルアミンに活性中間体を形成するだけの求核性がないという根拠となる論文があるのであればその論文を教えていただけたらありがたいです。
補足日時:2005/10/07 09:13お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
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