
ニトロベンゼンをスズと塩酸とで還元すると、「アニリン塩酸塩」が生成し、溶液を塩基性にするとアニリンが得られる。
と参考書に載っています。
そして、
ニトロベンゼンからアニリンが得られるときの反応式は
2・C6H5NO2 + 3Sn + 12HCl → 2・C6H5NH2 + 3・SnCl4 + 4・H2O
と記述があります。私は
2・C6H5NO2 + 3Sn + 14HCl → 2・C6H5NH3Cl + 3・SnCl4 + 4・H2O
じゃないのかな? と考えたのですが、どこが間違っていますか?
いつ溶液が塩基性になったのかな…? と思ってしまったんです。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
ご質問の内容の場合,「溶液を塩基性にするとアニリンが得られる」
という記述があるので,
2・C6H5NO2 + 3Sn + 14HCl → 2・C6H5NH3Cl + 3・SnCl4 + 4・H2O
の両辺に
2OH-を加え,右辺のアニリン塩酸塩とOH-の反応を考慮した式を書くと
2・C6H5NO2 + 3Sn + 14HCl + 2OH- → 2・C6H5NH2 + 2Cl- + 3・SnCl4 + 6・H2O
となります。塩酸の電離で生じるH+はOH-と反応して水になるので,この式は
2・C6H5NO2 + 3Sn + 12HCl + 2H2O + 2Cl- → 2・C6H5NH2 + 2Cl- + 3・SnCl4 + 6・H2O
と書くことができます。さらに,両辺に共通するCl-と2H2Oを消去すると
2・C6H5NO2 + 3Sn + 12HCl → 2・C6H5NH2 + 3・SnCl4 + 4・H2O
となりますね。
したがって,「ニトロベンゼンからアニリンが得られるときの反応式は」
2・C6H5NO2 + 3Sn + 12HCl → 2・C6H5NH2 + 3・SnCl4 + 4・H2O
であり,
「ニトロベンゼンをスズと塩酸とで還元すると、「アニリン塩酸塩」が生成」するときの反応式が
2・C6H5NO2 + 3Sn + 14HCl → 2・C6H5NH3Cl + 3・SnCl4 + 4・H2O
であると考えるのが妥当だと思います。
有機化合物を合成するとき,酸性・アルカリ性の変化で簡単に遊離させることができる物質の場合,「ニトロベンゼンを塩酸とスズで還元するとアニリンが得られる」というような省略した言い方がよく行われているようです。
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