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詐欺の成立には、「財物の交付」や「移転」が必要のようですが、クレジットカード詐欺の場合、
(1)成立時期はいつでしょうか?


・カードを悪用し、商品を購入手続きをした瞬間(カード会社に対する詐欺
・商品を店から持ち出したとき(商店に対する詐欺)
・引き落としをされた時(口座所有者に対する詐欺)

(2)『告訴権』は誰にあるのでしょうか?

(3)特に、口座所有者に(利用明細で)発覚した時点は、既遂でしょうか・未遂でしょうか?

以上3点、よろしくお願いいたします。

A 回答 (2件)

ここは学説が錯綜しているところで、簡単に答えることはできません。



その錯綜のポイントとしては、被欺罔者(だまされた人)、処分行為者(騙されて物を渡した人)、被害者を誰と見るか、損害を何と見るかによります。

1.通説的見解によると、商品を損害として、加盟店が被欺罔者、処分行為者、被害者と見ます。すると、既遂時期は加盟店が商品を渡した時点ということになります。成立時期を、実行の着手時期とすれば、自ら名義人でないのに名義人であると偽ってまたは支払能力/意思がないにもかかわらずあると偽って、カードを用いた購入の手続きに入ろうとする時期ということになるでしょう。

2.この立場からは加盟店が被害者ですから、告訴権も加盟店にあることになります。カード会社が金を払うのだから被害などないと見ることも当然できるのですが、すくなくとも通説はそこにはあまり注目しないのです。

3.1で書いたように、通説からは既遂時期は商品を渡した時点です。だとすると、通常は利用明細で発覚した時点では既遂ということになります。

実際に口座から引き落とされた時点で既遂となるのではないかと考えられているのかと思われますので、少し補足を。
口座所有者とは、これは引き落とし口座の名義人のことだと思いますが、刑法上この人は被害者とは考えません(口座名義人を被害者とする学説は少なくともメジャーではありません)。なぜならこの人は法律上は何の損害も受けないからです。というのも、自分のカードを使って他人に買い物されたとしても、事実上はその人へ請求書がいってしまうことにはなりますが、自分の法律行為ではない以上払う義務がないのです。カード会社が間違って請求書を送ってしまっただけのことであって、払う義務がない以上被害もないということになるのです。事実上の損害(もちろん自分は使っていないとカード会社と交渉したりといろいろあるわけですが)よりは、実際に処分された物に着目するのが刑法の考え方なんですね。ここはまあ一般常識からすると違和感のあるところだと思います。

以上のような理由から、カード会社はうるさいわ、といって告訴もできないわ(告発はできます)と、口座名義人はなかなか苦しい立場に立たされることになるわけです。
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この回答へのお礼

よく分かりました。。。

お礼日時:2005/12/23 14:02

(1)


加盟店に対する1項詐欺罪が成立するとの裁判例の見解からは、「支払意思・支払能力を欠いて加盟店にクレカを提示した」時点で挙動による詐欺行為に着手して未遂が成立。錯誤した店員が商品を行為者に引き渡した時点で占有移転があったから1項詐欺罪既遂。
(2)
(1)での見解を前提とすれば、成立した1項詐欺罪の被害物件は加盟店の有した当該財物に他ならないから、加盟店のみが被害者であり告訴権者となる。

この回答への補足

明快な回答 ありがとうございます。

特に、口所有者の取りうる態度は、どの様なものがあるでしょうか?

補足日時:2005/12/22 22:49
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