A 回答 (6件)
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No.6
- 回答日時:
免疫沈降ですが、細胞破砕上清にHK活性測定に干渉するようなものがあるのだったら、抗HK抗体を使って免疫沈降を行い、HKを精製する必要があるかもしれません。
免疫沈降とは、あるタンパク質(ここではHKとします)にたいする抗体(抗HK抗体)を破砕上清に加えます。当然、HKは抗HK抗体の抗原ですから、抗原抗体反応をおこし、複合体を形成します。次に抗HK抗体に対する抗体(二次抗体といいますが、これは抗HK抗体が何の動物で作られたかによって、使い分けます)を、ビーズ(アガロースビーズ、セファロースビーズなど)に結合させたものを入れます。ここでは、抗HK抗体が二次抗体を介してビーズにくっつきます。当然、HKもこの複合体に含まれます。ビーズは遠心分離で容易に沈降しますので、HKの精製ができるというわけです。もっと詳しくお知りになりたかったら、実験教本に書いてありますので、参考になさってください。ちなみに私が学生のころはイラストレイトッドシリーズにお世話になりました(参考URL)。生協にいけばあると思います。参考URL:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4879621 …
有益な情報をいつもありがとうございます。
ところで追試を今週しましたのでその結果をご報告したいと思います。
ホモジナイズする段階からPBSにDTTを入れてホモジナイズしました。その時以前より神経質に氷で冷やしながらホモジナイズし、遠心後エッペンに分注して凍結保存し、次の日反応に使用しました。
反応はホモジナイズの有無の差を確認すべく同じ濃度の腹水肝癌細胞の浮遊液を使い、ホモジナイズ前後の細胞数を顕微鏡でカウントすることで実際にホモジナイズされた細胞数を導きました。グルコースも同じ濃度で反応させ、ホモジナイズなしではRPMIという培地を用い、ホモジナイズありではトリエタノールアミン、DTT、ATP、Mg、などを混ぜたものを用いて反応に使用しました。
結果は、ホモジナイズしたものも反応し、成功を収めたのですが、ホモジナイズしなかったものよりも10倍近く反応(HK活性)がよかったのです。不思議に思いました。
先週の実験は何がいけなかったのか…。
そして今後このHKの反応を評価するうえで何が必要なのか。まずこの実験の方法論を確立させるをうちのボスは要求していて、どの条件が一番HKの活性を評価するうえでよい反応を示してくれるかを考え実験を繰り返してほしいようです。確立すればその応用の実験も広がるので春までにそれを完全にしなさいとの要求です。
もちろん、ウエスタンブロット、免疫沈降による生成によりその細胞にどの程度の量のHKがあるかを測定し、GlucoseがGlucose-6-Pに変化する過程を見るのが一番評価によいと思われます。
プロテアーゼインヒビターの問題、ホモジナイズする時のバッファーをトリエタノールアミンにするか、なぜホモジナイズしなかったほうが反応が悪かったか、いろいろ問題が山積みになりました。
とりあえずやれということなので次は正常の肝臓の細胞で試してみることになりました。結果は腹水肝癌細胞よりもHK活性は低いとでるはずなのですが…来週も、今週よりもハードに実験することとなりそうです。
No.5
- 回答日時:
>抗体で酵素を部分精製する論文やウエスタンブロットを用いた論文も拝見しましたが、うちの研究室ではHPLCを使っていく方針だそうです。
抗体で酵素を部分精製して、HPLCで解析するということで、、、互いに矛盾することではありません。自分で系がわかってますか?
過剰のホモジネートを精製した反応系(酵母由来のHKを使ってグルコースをリン酸化させる反応は成功しグルコース6リン酸のピークを確認)に混ぜて反応が阻害されるかどうかというコントロールが可能です。
また、このときホモジネート、酵母由来のHKの量はウエスタンなどで知っておく必要があります。
ありがとうございます。
酵素自体をHPLCで測定するやり方は研究室でカラムがないのでできなさそうだと思います。糖分析用カラムは買ってもらったのでそれを使う実験になると思います。
ホモジネートし精製したものに酵母由来のHKを混ぜて反応を見る実験はやったほうがいいですね。前向きに検討させてもらいます。
HKの量はウエスタンブロットまで手が回らないのでやってないです。反応に使った試料の蛋白濃度をLowry法で測定して蛋白1mgあたりの活性をみているぐらいです。
まだ自分でもこのHk活性の測定について知らないことが多いのでまだ手探りの段階です。
いいアドバイスをお待ちしています。
No.4
- 回答日時:
おはようございます。
反応系に入れているDTTは数mMですよね?それから、DTTはプロテアーゼ阻害のためにいれているのではなく、細胞内の還元的環境を維持するためにいれているものと思われます(あなたがおっしゃるようにSH基の保護を含みます)。プロテアーゼ阻害剤には多くの種類があります。私が使っているものでは、PMSF,pA-PMSF,Pepstatin,leupeptin,aprotininです。各社でプロテアーゼ阻害剤カクテルを取り扱っていますので、そちらを利用してもいいと思います(参考URL)。
さて、実験系の改善ですが、お伺いしている実験方法に大きな問題があるとは思えません。あまり意味があるとは思えませんが、ホモジナイズに使うバッファーをトリエタノールアミン緩衝液(Mg含有)で行ったらいかがでしょう?PBSを使っているようですが、バッファー交換とかはしているのでしょうか?始めからトリエタノールアミン緩衝液を用いても問題はないと思います。それから、やはり得た画分にヘキソキナーゼが存在するのかをウェスタン解析で確認する必要があると思います。それから、3で述べましたように、酵母由来のHKでいいと思いますので、肝組織破砕後上清を入れたものと入れないもの(等量のバッファー添加)で比較をしてみたらいいと思います。面倒ですが、この手の実験は一歩一歩進めてやった方がいいと思います。もし、上清中にHK酵素反応を邪魔するものがあるようでしたら、免疫沈降をする事も仕方ないのかもしれません。もう一つお聞きしたいのですが、反応を行った後、HPLCにかける前にどのような操作を行っているのですか?
(それから細かい事ですが、Mg2+は補酵素ではなく、補助因子ですので、紛らわしいですが、お間違いのないように。補酵素というのはNADとかFADとかの事を指します。)
参考URL:http://www.nacalai.co.jp/information/04-10/prote …
反応に使っているDTTは1mMです。論文読んでプロテアーゼ阻害にDTTを使っていると勘違いしてました。プロテアーゼ阻害剤に関するURLありがとうございます。参考にさせていただきます。
ウエスタンブロットですが、うちのボスに相談してできそうならばぜひしたいです。一応試料の蛋白濃度をLowry法で測定して、1mg proteinあたりのHK活性を求めようと考えてはいるのですが…。酵母由来のHKを用いたホモジナイズによるHKの失活の原因を探るのはぜひ今後やっておきたいなと思っています。
HPLCにかけるまえの処理ですが、まず反応停止に過塩素酸により蛋白を変性させ遠心します。その後NaOHで中和し、クロマトディスクで濾過してHPLCにかけました。
しがない学生にいろいろ教えてくださってありがとうございます。
ちなみに免疫沈降をするとは?
No.3
- 回答日時:
HPLCで解析をしているという事ですが、グルコースのピークは観察できるが、6位リン酸化グルコースのピークが出ないという事でよろしいですよね?お聞きするまでもないと思いますが、標準品ではピークを確認しているのですね?
さて、酵素反応ですが、ポジティブコントロールはとっていますか?リコンビナントHKでも培養系に強発現させたライセートでもいいと思うのですが、まずは、酵素反応系がうまくいっていることを確認したらいいと思います。例えば、そこにホモジナイズしたサンプルを加えると反応が止まったとなると、#2さんがおっしゃるように、ホモジナイズサンプル中にHKリン酸化反応を阻害する成分が含まれているのかもしれません。
ところで、#2さんがおっしゃるように、トピ主さんが説明された実験系は、先行文献等で、誰かが行っている実験系(組織をホモジナイズしてその粗画分を酵素反応系にまわすという方法)なのですか?肝臓でしたら、ホモジナイズに特別な技術がいるとは思えませんが・・・。プロテアーゼ阻害剤を入れていない様子でしたので、それは加えた方がいいかもしれません。ウエスタンブロット等でヘキソキナーゼは確認できるのでしょうか?色々考えられますが、一つ一つつぶしていくしかないと思います。お役に立てず申し訳ありません。
この回答への補足
ありがとうございます。HPLCのピークについては以前酵母由来のHKを使ってグルコースをリン酸化させる反応は成功しグルコース6リン酸のピークを確認できました。
プロテアーゼ阻害薬というと具体的にはどのようなものがあるのですか?
ジチオトレイトールは還元剤でタンパク質のSH基の保護やジスルフィド結合(S-S結合)の切断に使用されるようでこれでは不十分でしょうか?
論文は正常肝細胞、リンパ腫細胞、肝癌細胞などをホモジナイズしてNADP反応の比色反応によりHK活性を解析したものをいくつかみつけました。それらの論文では反応をin vitroで行っているようですが…。まだよくわからないことが多いです。
ホモジナイズした細胞を顕微鏡でみたところ半分以上はこわれているので大丈夫だとは思うのですが。私の考えではやはり細胞内の成分中でHKを阻害する物質がふくまれているようだと思います。
お返事待ってます。
いい忘れましたが、ウエスタンブロットを用いた論文も拝見しましたが、うちの研究室ではHPLCを使っていく方針だそうで、そこの変更はうちのボスの考えではなさそうだと思います。
No.2
- 回答日時:
かなりのいろいろなものが混ざってますので、それらが活性を阻害しているのかもしれません。
複数の論文で、その系がうまく動いているのは確認してますか?抗体で酵素を部分精製する手もあるかも
ありがとうございました。
同じような論文は見つけていますが…
とりあえず追試を今週中にする予定です。
追試は同じ腹水肝癌細胞をつかってホモジナイズの有無により結果が変わるかをしてみます。
抗体で酵素を部分精製する論文やウエスタンブロットを用いた論文も拝見しましたが、うちの研究室ではHPLCを使っていく方針だそうです。
No.1
- 回答日時:
こんにちは。
少し補足説明をお願い致します。
(1)具体的にどの組織ですか?
(2)ホモジナイズの方法を教えてください
(3)解析法は、テトラゾリウム塩を生成させる方法でしょうか?これはキットか何かを使っているのですか?
以上、3点の回答をよろしくお願いいたします。
この回答への補足
(1)Donryuラットの正常肝細胞とラット腹水肝癌AH109Aという癌細胞です。正常肝細胞は門脈から灌流液で血液を洗い流した後、切り取りホモジナイズ、AH109Aの方はラット腹水中に浮遊して存在するのでその腹水を採取し、PBSなどで洗った後にホモジナイズしました。
(2)ホモジナイズ方法は組織とPBSでホモジナイザーを使って4000rpm位の回転数で氷水で冷やしながら粉砕しました。(その時プロテアーゼによりヘキソキナーゼ(HK)が失活したかもしれません。)
10分ほどホモジナイズし終えたら4000gくらいで遠心し、上清をHK液として実験に使用しました。
(3)反応液(トリエタノールアミン、MgCl(HKの補酵素)、ATP、Dithiothreitol、Glucoseを含む)とHK液を混和し、37℃でインキュベートしました。そこでHKによりGlucoseによりリン酸化されます。酸で反応を停止し、中和・徐蛋白処理後、HPLCによりGlucoseとGlucose6リン酸を分取しました。その反応の速度を求め、HKの活性をみました。ので比色反応に持って行くのではなくHPLCにより測定という形になります。
以上なのですが、今日に追試ということでホモジナイズがきちんとなされているかホモジナイズ後に顕微鏡で見てみることと、ホモジナイズの際にもDTTを加えてプロテアーゼによる消化作用を抑えておこうと思いました。
それでもうまくいかない可能性は高いのでぜひアドバイスをと思います。よろしくお願いします。
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