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X*上の弱位相というのがよくわかりません.
定義には
「すべてのF∈X**を連続にするもっとも弱い位相」
とあります.
具体的にどのようなものなのでしょうか?
またx∈Xについてはどう考えたらいいのでしょうか?

A 回答 (5件)

関数解析の本なら大体載っていると思いますが一応定義を説明してみます。

一般には局所凸空間の話でseminormの族で開集合の近傍基を定義して位相を決定します。今の場合はseminormはX*上の(ノルム)連続線形汎関数で与えられているので各点xおける開近傍基V(x;ε_1,...,ε_n;F_1,...,F_n)は任意の正数族ε_j、汎関数族F_jに対して以下で定義されます:
V(x)=∩_{j}{y: |F_j(y-x)|<ε_j}
X**における開集合Aとはその各元xに対してxを含む上の形の集合でAに含まれるものが存在する集合として定義されます。ちなみにx∈Xはφ∈X*に対してx(φ):=φ(x)と定義することによりX**の元とみなされます。したがって上で与えたseminorm族にXも(この意味で)含まれることになります。
さて上で与えた位相が各F∈X**に対して連続になっているかということですがこれは上の開集合の定義から自明です。というのもx∈Xにおける連続性は
{y:|F(y-x)|<ε}がXにおいて開集合であるかどうかにかかっているわけですがこれを開集合族の一部として先程定義したばかりですから結局ただの言い換えに過ぎません。すなわちFはその位相に関し連続です。逆にX**における汎関数をとったときにそれが連続になるためには上で定義した集合がX*において開集合である必要があるのも明らかだと思います。したがって上で定義した位相が各(ノルム)連続線形汎関数を連続にするための最小のものであることが分かります。ここで注意すべきところはX*上には色々な位相が定義されているということです。一番身近なのものがノルム(強)位相です。この位相で連続なもの全体をX**で表しています。しかしこのノルム位相(X*上での)が実は強すぎてX**の元がX*上でもっと弱い位相でも連続であることができるというのが上で述べていたことに他なりません。有限次元ではすべて同じ位相になってしまいますが無限次元だと両者は異なります。これとは別にweak*と呼ばれるさらに弱い位相を定義することもできます。これは先程seminormとして連続線形汎関数全体をとった変わりにその一部X(x∈XはX**の元としてみなされることは上で説明したとおりです)をとって上と同じく近傍族を定義します。これも無限次元の場合には一般に真に弱位相より弱くなります(正確にはXが回帰的ではない場合)。このようにXから始まっていろいろ位相が定義されていきます。興味があればvon Neumann algebraの方の本も見てみるといいと思います。そこでは更に色んな位相が定義されています。例えばKadison-Ringrose、Sundersなどの代表的な本があるのでそちらを参考にしてみてください。
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この回答へのお礼

どうも丁寧な説明ありがとうございます.

「ちなみにx∈Xはφ∈X*に対してx(φ):=φ(x)と定義することによりX**の元とみなされます。」

についてなのですが,私はx(φ):=φ(x)とみなすのは弱*位相だと思っていたのですが,弱位相ではx∈X**以外にX**の元がたくさんあるということなのでしょうか?

お礼日時:2006/09/27 17:50

すみません、あなたの認識で正しいです。

近傍を定義したときのx,yはX*の元を指しています。f,gなどと書くべきでしたね。混乱を招いてしまったようですみません。
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この回答へのお礼

おかげさまで弱位相と弱*位相について勘違いしていた点が明らかになりました.いろいろと教えていただきありがとうございました.

お礼日時:2006/09/29 01:31

>>確認なのですが.回答No.1においてxという文字をN*の元という意味とXの元という意味両方で使われていますよね??



N*というのはX*のことでしょうか?xという文字で(暗に)場合によってXの元としてみているときとX**の元としてみてはいますがX*の元としてはみていません。
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この回答へのお礼

どうやら勘違いしていたみたいです.
V(x)=∩_{j}{y: |F_j(y-x)|<ε_j}
はxの近傍なのですね.

私はf∈X*の近傍と勘違いし
V(f)=∩_{j}{g: |F_j(f-g)|<ε_j}
と解釈していました.

お礼日時:2006/09/29 00:30

>>XがX**に含まれるというのはどう解釈したらよいのでしょうか?



これは最初の回答に書いた
「x∈Xはφ∈X*に対してx(φ):=φ(x)と定義することによりX**の元とみなされます」
の部分に対応しています。この意味は理解できましたか?
これを認めてもらえればXがX**に含まれていると見れるというのも分かると思います。そして逆(すなわちX**がXに含まれる---これは正確にはある単射X**→Xが存在するということです)は一般には成り立たないだろうというのも感じらるのではないかと思いますが。

>>X**の元がXに一致するならX⊂X**ではなくX=X**ではないのですか?

X**の元がXに一致するとは言ってません。むしろ逆です。上で述べたようにXの各元がX**のある元に対応付けられるということです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます.
なるほど!X**の元すべてに対してXの元が対応するような全単射が存在するのだと勘違いしていました.

確認なのですが.回答No.1においてxという文字をN*の元という意味とXの元という意味両方で使われていますよね??

お礼日時:2006/09/28 01:32

位相と集合を混同していませんか?



>>x(φ):=φ(x)とみなすのは弱*位相

言おうとしているところは私の使った言葉で言うなら
x(φ):=|φ(x)|で定義されるsemirom族から得られる位相が弱*位相ということでしょうか?そういう意味なら合っています。少し言葉使いが不自然に感じられました。そのようにみなすということは別に位相云々の話ではなくあくまでもX**の元を具体的にXの元を用いて"作った"ということに過ぎません。

>>弱位相ではx∈X**以外にX**の元がたくさんあるということなのでしょうか?

言おうとしているところはX**の元はx∈Xだけではないのかということでしょうか?それならその通りですがこれもまた弱位相云々の話ではなくX→X**がx(φ):=φ(x)によって全単射かどうかということに過ぎません。弱位相や弱*位相などすべてX**の元が最初に与えられて決まるものです。
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この回答へのお礼

>言おうとしているところはX**の元はx∈Xだけではないのかということでしょうか?それならその通りですがこれもまた弱位相云々の話ではなくX→X** がx(φ):=φ(x)によって全単射かどうかということに過ぎません。

たしかに位相と集合を混同しているみたいです.
X**の元がXに一致するならX⊂X**ではなくX=X**ではないのですか?XがX**に含まれるというのはどう解釈したらよいのでしょうか?
弱位相と弱*位相とで連続したいX**の元がまったく同じに思えてしまうのですがどうちがうのでしょう??

何度もすいません.よろしくおねがいします.

お礼日時:2006/09/27 23:17

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