牛、豚、鶏、どれか一つ食べられなくなるとしたら?

 UV-LEDの光を蛍光顕微鏡の光源にしたいと考えています。
そのためにはLEDからの光を平行にする必要があります。今考えているのは、凹レンズ、凸レンズ(石英)を組み合わせることですが、どうも出力が低下してしまいます。
 効率よく光を取り出すために光ファイバーなどを用いていますが、まだ出力は弱いようです。
 何か参考になる意見があれば教えていただけないでしょうか?

A 回答 (3件)

どのような装置構成なのかと、用いている波長についての情報がない限り、適切な回答はできませんが、以下のような装置構成で、波長が350nm程度と仮定してお答えします。


(推定した装置構成)
・UV LEDの光をレンズで集光して光ファイバに入れる
・光ファイバから出た光をレンズで平行光束にして蛍光顕微鏡の光源ポートに入れる
※光ファイバの使用は必須ではありませんが、装置配置の自由度を高めるために用いているのかと推察しました。
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確認しておくべきこと
1)レンズの形状、配置が適切か?
2)各光学部品の材質が適切か?
3)取り扱いが適切か?
ーーーー
1)上記構成では、集光用のレンズと、平行光束への変換用のレンズの2群のレンズが必要です。
集光用レンズに求められる特性としては
・LEDの光を十分に集められること
・ファイバの伝播モードに入射できること
の2つが求められます。
LEDの光は、かなり広い方向にわたって放射されていますので、十分大きなN.A.を持つレンズで光を集める必要があります。通常LEDメーカーから分布特性のデータが入手できますから、それを参考にレンズを選んでください。一方、ファイバへの入射ですが、こちらは、光ファイバの伝搬モードに入射させるため、光ファイバのN.A.よりも小さなN.A.を持つレンズを用いなければなりません。また、コア径よりも小さい領域まで集光できるよう、収差が十分抑えられたレンズを用いる必要があります。
一方、平行光束とするためのレンズに求められる用件は
・ファイバのN.A.にあわせたレンズを選ぶ
ということです。
きちんと集光できているか、平行光束に変換できているかなどは、実測するのも当然ですが、シミュレーションを用いて検討してもいいでしょう。単純な光学系であれば、OptalixやZemaxといった商用シミュレータの試用版や学生版で事足りるかもしれません。

これらレンズの選定において注意すべきことは、色収差の問題です。レンズというのは屈折現象を利用したデバイスであり、屈折率が光の波長に依存するため、例えば焦点距離100mmとかかれたレンズであっても、その焦点距離は設計波長でのみ正しくなります。今回の場合、ほぼ単一波長のみを扱えばいいので、複数レンズを組み合わせた色収差補正は必要ありませんが、レンズのおくべき位置などがずれる可能性があることは認識しておいてください。
2)
UVグレードの石英であれば、350nm前後の吸収はあまり気にしなくてかまいません。ただ、可視光用のレンズによく使われているBK7等の材料は紫外線を強く吸収しますので、間違ってこういった材質の部品が使われていないことは確認してください。
光ファイバも紫外線を吸収しますが、短い距離でしたら問題にならない程度かと思われます。ただ、念のためカタログで特性を確認しておいてください。

通常問題となるのは、吸収ではなく反射です。光学部品では、反射を抑えるために反射防止コーティングを施すのが一般的ですが、反射防止コーティングは狭い波長範囲でしか能力を発揮できません。適切なコーティングを選択していることを確認してください。

3)レンズやファイバの端面を汚していると光が減衰します。また、ファイバは短い曲率での曲げにより、光漏れを起こします。
ーーーー
集光、ファイバへの導入、ファイバ伝送中、平行光束への変換、それぞれどの段階に問題があるのか、できればパワーメーターを用いて各段階のロスを確認してください。
なお、適切なレンズが見つからない場合、反射式対物レンズというものが利用できる可能性があります。これは、回答者1の方が触れられている懐中電灯のリフレクタと同じような原理の光学部品ですが、光学実験ように設計され、高精度に制作された商品です。原理上色収差がありません。金属材質と表面コーティングにより利用できる波長範囲がきまっています。製品は、例えばニューポ-トなどから購入することができます。
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この回答へのお礼

詳細な解説、ありがとうございます。用いる顕微鏡の種類は共焦点顕微鏡であり、、用いているLEDの発光波長は365nm,100mWのもの(NCCU003 日亜化学)です。他装置構成はnzw様のおっしゃるとおりです。
1)に関して
 LEDの光の指向特性は100度と非常に照射範囲が広くなっていました。N.A.は0.72のものを用いています。検討した中で最大のN.A.値をもったレンズでした。
 光ファイバーですが、N.A.を気にしていませんでした。確かにおっしゃるとおりです。ありがとうございます。 
 また、光学系のシミュレーションがあるとは知りませんでした。さっそく見てみようと思います。ありがとうございます。
 レンズの位置ですが、色収差などの理由により確かにずれます。またLEDの光源は点光源でない(1mm2程度の大きさ)ため、想定しているところと焦点距離がことなることが後で分かりました。レンズを少しづつずらすという手作業で一番適切なレンズ位置を決めているという状況です。
2)に関して
 おっしゃるとおりです。材質は透過率は80%以上あるから大丈夫!とBK7を最初に用いたところ、吸収がある上に、黄緑色に光るという蛍光顕微鏡には致命的なものがあることが分かりました。これはレンズが光酸化をおこしてしまったからかもしれません。今ではしっかり石英レンズを用いることにしました。対物レンズも紫外用のに切り替えることにしました。
 反射防止膜ですが、可視光用のものしか取り扱っていなかったため、防止膜なしのレンズを購入しました。可視光用の防止膜を使って、膜が光るのが怖かったからです。そのため、ここでもロスが生じてしまっているかもしれません。
3)に関して
 パワーメーターを用いたところ、平行光束がうまくいっていない気がしています。最後の対物レンズからの光がきちんと集光していない気がするからです。

反射対物レンズ、こんなものがあるとは知りませんでした・・・。しかもシグマ光機のをみたところ、紫外にも対応しているのですね。従来の光学機器で、うまくいかなければ購入も考えたいとおもいます。

 かゆいところまで手がとどくアドバイス!本当にありがとうございました。
 

お礼日時:2006/10/13 17:43

いくつか書き忘れたことを補足しておきます。


・平行光束の確認について
レンズから出た光が平行光束になっているかの確認は、ビームの形で光を出し、光源から位置を変えながら実際のビーム径を調べるのが確実です。ビームプロファイラ等があれば確実ですが、簡易的にはUV光があたったところだけ発光するビューイングカードで確認することができます。例えば、ソーラボのUC-VCなどがあります。
http://www.thorlabs.com/NewGroupPage9.cfm?Object …
なお、自由空間にビームを出す場合、思わぬ反射光が誤って眼に入って失明したり、皮膚に障害を与えたりといった危険が伴います。必ず、できる限り遮蔽板を置き、部屋にいる全員にレーザーゴーグルを着用させ光軸の高さには頭を下げないなど、適切な防御対策をした上で実験してください。
レーザーゴーグルもソーラボから購入できます。
http://www.thorlabs.com/product.cfm?ObjectGroup_ …

・ビーム径について
対物レンズを通して照明を行う場合、対物レンズの瞳径にあわせて光を入れる必要があります。瞳径の計算方法については、ニコンの下記のサイトに書いてあります。
http://www.nexiv.net/jpn/tech/2-1-4-2.aspx
光ファイバから平行光束にする際に、直接この径にあわせてもかまいません。ただ、それができない場合には、二群のレンズを用いてビームエキスパンダで径の変換をする必要があります。エキスパンダは可視であれば市販のものもありますが、今回は紫外であることと、適切な径に変換するために、自分でレンズを組み合わせて作成することになると思います。その方法については、光学実験の教科書(オプトロニクス社などから多数でています)を参照してください。

・光軸調整について
適切なレンズが入手できたら、最終的に問題になるのは、それを適切な位置に置くことです。特にファイバへの入射と、顕微鏡への入射は、ビームの位置、入射角度を正確にあわせてやる必要があります。このような位置調整を確実にするためのマウントの類いが、ソーラボやニューポートといった光学実験用の器具を販売している会社からいろいろ出ています。光軸合わせのやりやすさと最終的な精度は、どれだけ適切なマウントを選ぶかに掛かっています。ただ、私のしているような光学実験台の上での実験ではなく、質問者様の場合、顕微鏡に取り付ける必要がありますので、変換フランジなどは自作しないといけないかも知れませんが。

http://www.thorlabs.jp/
http://www.newport-japan.jp/

・反射防止コーティングや紫外用レンズについて
ソーラボ等の、オプティクス専門の会社の中には、紫外対応の反射防止コーティング技術を持っているところがあります。ソーラボでは、UVという名称のコーティングが、300-400nmに対応します。
なお、可視光用のレンズに紫外線を入れた場合、収差補正などの目的で複数のレンズを張り合わせた構成になっているレンズの接着剤を痛め、レンズが使えなくなる危険性もあります。対物レンズなどは高価ですから、事前にメーカーに確認しておいた方が無難です。また、UV用であっても、集光した場合など、エネルギー密度を超えてしまって破損する部品もありますから、こちらも確認しておいた方が無難でしょう。

手元にある書籍を調べてみたところ、LED照明のための光学系にふれた本として、洋書になりますが
Naftaly Menn "Practical Optics" Elsevier
が見つかりました。この本はレンズの使い方なども詳しいので、参考になると思います。

それでは、ご成功をお祈りします。
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この回答へのお礼

 研究室で購入したレンズもソーラボ製なので、コーティングもすぐに対応可能だと思います。LEDの参考文献も紹介してくださりありがとうございます。
 おかげさまで、通常の落射型蛍光顕微鏡では、蛍光ビーズを観察することに成功したので、共焦点蛍光顕微鏡で成功させるのはあと一歩だと思います。
 いろいろご丁寧にありがとうございました。

お礼日時:2006/10/15 16:53

回転放物面の鏡でどうですか。


懐中電灯についているようなものを流用して。
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この回答へのお礼

 集光にはレンズだけでなくミラーを用いる方法もあるのですね!検討してみます。ありがとうございます。

お礼日時:2006/10/12 15:39

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