
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
実は、この問題は私の学祭企画で発表したネタだったりしますが、これは流体に掛かる遠心力と水槽との摩擦力とが巧妙に絡み合って起こる現象です。
以下詳しく説明しますと、まず、水槽で水をかき回すと、水には回転に応じて遠心力が掛かるのでそれに応じて圧力勾配が発生します(バケツの水を回すと放物線になるってヤツですね)。これは基本的に水の回転とちょうどつり合って発生しますから、それで水が新たに動き出すことはありません。
ところが、これが底面では摩擦力が働くから、止まっている面に引きずられて水のスピードが遅くなってしまうのです。これを「エクマン層」というのですが、底面のわずかな部分だけ水の速度=回転が遅くなっている。ということで、そこだけ遠心力が弱まるのだけど、圧力勾配は局所的な水流の影響を受けないので、掛かる力は上と同じ。
ということで、(エクマン層の内部では)弱まった遠心力の分だけつり合いが崩れて中心方向への水流が発生する、というわけです。
ありがとうございます。さて、「圧力勾配は局所的な影響を受けないので」の部分がはっきり分からなかったのですが。水が底面と接していて摩擦が大きくても、外側の壁面に近いほど水圧が高いことにはかわりなく。というようなことでしょうか? そうとすれば、エクマン層では、外側の壁ほど高い水圧に対して、底面との摩擦で速度が落ちて遠心力が弱くなった分、それに見合う回転半径になるように中心に向かって、エクマン層の部分の水が移動(?)するという理解でいいのでしょうか?
No.6
- 回答日時:
ANo.3です。
大変遅くなりましたが、以下補足の説明をします。まず、このエクマン境界層というのは、流れ全体の大きさから見ると非常に薄いのです。たとえば洗面器やコーヒーカップetc.では、その厚さはわずか1mmに過ぎませんし、プール等でも数cm~10cmもあるかどうか。なので流体全体の圧力はほとんど変化しないわけです。(それがANo.3の「圧力は変化しない」という言葉の意味です)
※なお、実際に流体に掛かる力は「圧力勾配」「遠心力」「摩擦力」の他に「コリオリ力」もありますので、特に気象の本で調べる時には注意が必要です。
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ちなみに、この現象には「スピンダウン」という立派な名前が付いているのですが、それは流体の振る舞いのいくつかで極めて重大な役割を担っているからなんですね。
たとえば台風。台風が巨大な低気圧に発達するのは、大気の下面でこのスピンダウン現象が発生して海面の熱エネルギーを根こそぎ中心に集めてしまうからでして、これがなければ台風そのものが存在できないのです。
http://www.fnorio.com/0042Typhoon1/Typhoon1.htm
まぁ日本人にとってはとんだ迷惑な話ですが、しかし一方で、この効果があるおかげで洗濯機の水を簡単に回すことができるし(この効果がなければ洗濯機は非常に高価な代物になってしまうはず)、スプーンでコーヒーを回すだけで速やかにかき混ぜることも出来るわけです。
http://www.gfd-dennou.org/library/gfd_exp/exp_j/ …
ということで、自然界の巨大な現象も洗面器の水の振る舞いと一緒である、ということが分かるだけでも面白いのではないかと。
No.5
- 回答日時:
#1です。
ちょっと現象の表し方がよくなかったようです。わざわざプールの例を出したのにうまく使えていませんでした。
かき混ぜている最中は集まってきませんね。どちらかというと水と一緒に回っています。混ぜるのをやめて徐々に回転が治まってくるにしたがって集まってきます。壁際で水面が高くなっているのは回転のためです。回転の速さが一定であれば水面の作る曲面の傾きは一定になるでしょう。形としては変わりませんが水は絶えず動いています。外向きの流れも必ずあるわけですから定常状態であるためには壁面に沿っての下降の流れもなければいけないでしょう。壁との摩擦で減速されて下降するのだと思います。表面を逆戻りするのではなく壁に沿って下降するのでしょう。
かき混ぜるのをやめた場合には壁面と底面での摩擦が原因で回転が遅くなります。水面の傾きが緩くなってきます。緩くなった分の水は中心に戻らないといけません。まだ回転が続いています。底面での方が摩擦が大きいですから回転は水面での方が大きいです。回転の遅い底面で戻る事になります。液面の盛り上がりを解消しながら変化していくわけですから底での戻りの方が大きいということになります。
この時から中心に向かって砂が集まってくるのが顕著になって来ます。かき混ぜていませんので砂も落ち葉も底に沈んでの動きになります。底面では中心向きに水面では外向きの流れが全体としての回転と一緒に起こっている事になります。
閉じた系の中である方向に流れがあれば必ず戻る流れも必要だということで海流を思い出しました。海流はふつう海洋表面での流れのことをいいます。でも海洋の端まで行ったらどうなるでのしょう。深海底に潜って戻る流れになるそうです。
No.4
- 回答日時:
(ANo.3のつづき)
ですから、もし水槽と水が等しく回転するのであれば、エクマン層自体が発生しませんから中心方向への水流も発生しないわけです。
これは実際にろくろと洗面器を使って実験すれば明らかでして、ろくろで洗面器ごと水を回転させると中心への流れは起こらないことを確認することができます(一方で、洗面器を止めて水を回した場合は明らかに中心への流れが発生する)。
※……というのを学祭の科学イベントで実演しまして、そこそこ程度には受けました(笑)
まぁ気の利いた流体力学の本に普通に書かれてる程度の話ではあります。(気象か地球物理の人なら知っていると思う)
度々、お答えありがとうございます。たとえてみると、地球から遠いところをまわっている人工衛星ほど速度が速く、人工衛星は、速さが遅くなると地球に落下してくることと似ていますかね?
No.2
- 回答日時:
正確には力が働いているのではなく、中心には力が働かないからだと思います。
中心以外には水流がありますよね。しかし、中心には流れがない、または小さいのです。イメージとしては扇風機を思い出してもらえればよいです。したがって、一度中心に砂粒が来ると流れが小さいので他の場所に行かないということです。
No.1
- 回答日時:
まずべつのニュースから
以前テレビで面白いことを取り上げていました。水泳部がプールで練習を始める前に必ずやらなければいけない辛い仕事があるというのです。プールの底に沈んでいる落ち葉を拾うことです。そこで効率よく楽しみながら落ち葉を集める方法が紹介されていました。練習前のウォーミングアップを兼ねて部員揃ってプールの中をぐるぐる歩いて回るのです。何回か回って上に上がってしばらくすると落ち葉がプールの底の中央部に集まってきているので網で楽に拾うことが出来るのです。質問と同じ事が起こっていますね。
水槽の水をかき混ぜたとします。円運動ですから水は外に行こうとするでしょう。でも壁があっていけません。どこに行くのでしょう。壁に沿って液面が盛り上がるのも起こりますがどこまでも高くなるということは起こりません。どこかで高さが釣り合います。その状態で壁に当たる水は壁に当たってから潜り込んでいることになります。潜り込んだ水は底の面に沿って中央にむかいます。渦の中心でまた上向きの運動をします。回転しながら上下の運動もするというややこしいことになります。でもこれで砂が集まってくる理由が分かることになります。
これには私の推測が入っています。間違っていたらごめんなさい。
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