
No.2ベストアンサー
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お経ではありません。
虚空蔵菩薩の真言です。まず、よく仏教に関する言葉や書物を「お経」と表現しますが、経典とは『法華経』や『般若経』『華厳経』などのように、仏の教えを説き明かした聖典のことです。真言は瞑想や祈りの際に発する聖なる言葉です。通俗的にいえば経典は物語風、解説書風に述べられたもの。真言は単語や小節でしょうか。
さて、弘法大師空海(当時の名は真魚<まお>)は青年期に都の大学に通っていましたが、そこで自分の生き方に疑問を感じたのでしょうか。その時、とある僧侶より虚空蔵菩薩の真言を100万遍唱えるという修行(虚空蔵菩薩求聞持法<こくうぞうぼさつぐもんじほう>)を教わりました。この修行を行うと記憶力が増すといういいます。
そこで一念発起して大学を中退し、紀伊山中や四国でこの修行を行い、それが契機で出家を志しました。初めは記憶力増強のために行ったのかもしれませんが、実践したことによりそれだけではない、宗教的な感動とより深い探求心を揺さぶられたのかもしれません。
で、真言というのはサンスクリット語の「マントラ」を漢訳した言葉です。真実にして神聖なる言葉ですが、サンスクリット語の音そのままを音写したもので翻訳はされません。あえて翻訳すると「華鬘蓮華冠を有する虚空蔵に帰命す」となりますが、真言では梵字・言葉のひとつひとつに意義が含まれているので、表層的な言葉の意味だけで理解してはいけないからです。
(例えば地図上で卍を見たらそれは寺院を意味する記号であり、その寺院からさらに連想すれば仏教・建築・美術・文芸・風俗などあらゆることが表面では見えなくても内在していますよね。でも卍が寺院を意味する地図記号だと知らなければそれは分からない。梵字もその意義が表面では見えないけども、一文字ずつ意義が含まれているということです。それとインドでは“文字は目に見える音”、“言葉は音に聞こえる字”という考えがあるので一体の関係です)
虚空蔵とは「虚空の如く無量なる智慧・功徳を蔵する」の意義ですから、その瞑想の際に、真言を正しい発音と呼吸法によって宇宙のリズムと自己とを合一させる。そのための聖なる言葉・音声なのですね。
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