A 回答 (16件中1~10件)
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No.16
- 回答日時:
またまた我田引水というか、絶対にありえない状況を設定して議論しようとする傾向がうかがえます。
問題は、家が散在し、したがって人口密度が小さい地域で、木質バイオマスと化石燃料のどちらが環境に優しいかということでしょう。これだけなら、答は簡単です。
しかし、薪ストーブの設置には、費用がかさみます。まず、少なくとも20畳以上のリビングが必要です。また、環境的、経済的に石油と競争するには、1年分の薪を蓄える場所(大型ガレージ1台分)、チェーンソーと斧、それを使う男手ももちろんです。こういう状況なので、マンションやアパートでは、薪ストーブの使用は、まず、ありえないでしょう。
さらに、設置の費用100万円(本体30万円プラス、煙突30万円、工事費30万円)、その上、耐用年数10年として償却費、煙突掃除の費用がかかります。よく乾燥した薪を上手に燃やせば環境にも優しく、ストーブも長持ちしますが、そうでなければ排気は汚れ、ストーブや煙突もすぐに傷みます。ガスや石油の手軽さには到底及びません。
日本中の家庭で薪ストーブを使うとすればという前提が、いかに現実離れしているか明らかです。転換するだけで、数十兆円の費用が発生するからです。 さらに、日本の林業についての理解不足も残念です。このままでは丸坊主になるなどの言説がそれですが、丸坊主になるとすれば林業の経営が破綻するのが理由で、乱伐が原因ではありません。薪炭を例に取ると、エネルギー革命以前には、日本では200万t以上の炭が生産され、山村の重要な収入源になっていました。一時壊滅した製炭も、最近は若干回復してきましたが、それでも出荷量は最盛期の1割にも達していないはずです。薪に至っては、山村の農家ですら使っていません。たしかに極上の備長炭などでは原料不足が問題になっていますが、これは家庭用の薪炭市場とはまったく無関係です。なお、輸入炭の用途は暖房ではなく、調理や浄水器用でしょう。
日本の林業の危機の原因は過少消費です。もっと林産資源を活用して、林業が経済的に成り立つ仕組みをつくらないと、日本の森林は荒廃します。
No.15
- 回答日時:
>山火事を消さないというのは他の方もおっしゃっている、若い木の方が二酸化炭素の吸収が多いからなのでしょうか?
これは単なる森林管理の一環だと思います。密植状態ではない森林の場合、山火事になっても基本となる大木は生き残り、無駄な草と多すぎる幼木のみを焼くことになります。もし人間が山火事を完全に抑えると、やがて密植となり、一度の山火事で丸焼けとなり全て灰になってしまいます。ご存知とは思いますがそうなってしまうと森林を復活させるのは非常に難しい。だからアメリカでは5~10年に一度、意図的に火入れを行い、管理しながら火事を起こすことがあります。間伐が面倒だからその代用ですね。
>そういう私の家の裏にも荒れ果てた山林があるわけですが…
大家の許可をもらい、そこから薪をとって使うのが一番です。町に売ってる薪は、あなたが買わなくても誰か使いますよ。
No.14
- 回答日時:
No.10です。
なにか、誤解をされている人もいるようなので、「日本の暖房エネルギーすべてを薪や炭に頼ってしまうと」どうなるのか、少し具体的な数字を挙げます。
あらかじめ断っておきますが、この手の概算は、数字のいじりようで結構結論は変わってきます。細かい数字をとやかく言われると少々はずれるでしょうが、できるだけ客観的な数字を集めたつもりですので、その点はご容赦ください。
とりあえず、暖房需要のうち、民生部門だけを見てみます。
まず、民生家庭部門を見ます。総合エネルギー統計によると、民生家庭部門の14年度のエネルギー消費量は全国で2129PJ(1PJ=1,000,000,000,000kJ)で、一般にはそのうち1/4程度が暖房需要と見込まれています。したがって、ざっくり500PJくらいが暖房のエネルギーと見ていいでしょう。
一方、民生業務部門の暖房需要は120兆kcalくらいだそうです。(自動車工業会の資料から見つけた、孫引きのデータですが...)kJ換算して、やはり500PJくらいになります。したがって、両者合算で1000PJくらいです。
バイオマス燃料としての、十分に乾燥した木炭の発熱量は、15.6GJ/tくらい(「バイオマス・ニッポン総合戦略推進事業」の資料)ということですから、木材の比重を0.7くらい(大体の木材は0.5くらいみたいですが、多めに見て)として、木材の燃料としての発熱量は、15.6x0.7=11GJ毎立米くらいです。
1000PJ / 11GJ毎立米 = 91,000,000 立米
したがって、民生部門の暖房需要をまかなうだけで、年間0.91億立米くらいの木材が必要になるわけです。
さらに、暖房のエネルギー消費量というのは、ヒートポンプの動力である場合が多い(家庭用エアコン)ので、暖房熱量(薪が発生すべき熱量)は、もっと多くなります。さらに、民生部門は、産業部門(工場など)の暖房エネルギーなどは入っていません。それでもこの数字です。
日本の森林の年間の成長量は、0.8億立米くらいとか。これが、乾燥した木材に換算した数値であっても、輸入を増やすという前提が無ければ、「日本の暖房エネルギーすべてを薪や炭に頼ってしまうと」日本の森が丸坊主になるのは時間の問題でしかありません。
もちろん、そんなバカなことを、日本人がするわけはありません。「極端な例」として私がこれを挙げているのは、文脈からわかるとは思いますが、念のために申しておきます。
質問者様にあってはもうお分かりとは思いますが、使用する薪の由来について責任が持てる場合であれば、私も薪ストーブは大変結構だと思います。「佐賀のがばいばぁちゃん」で有名な島田洋七氏などは、家にかまどをしつらえ、近所の飲食店からもらってきた、竹と木の割り箸でご飯を炊くのだとか。まことに結構なことです。
ですが、中国産の炭の事例もあり、この手の問題はそう簡単ではありません。木材の生産量がそう劇的に増えるはずも無く、間伐材の利用も推進しようといわれつづけているのに現状程度です。質問者様にあっては私の言わんとすることは十分にご理解いただいているとは思いますが、今の状況で安易に薪ストーブを勧めることには、私は危ういものを感じます。
「どちらかと断言するのは、むずかしい」と、私は再度申し上げます。
No.13
- 回答日時:
日本の国土の3分の2は森林ですが、その半分近くが人工林で、そのストックは23億立米、年間の成長量は0.8億立米です。
しかし、伐採量は0.17億立米程度なので、このままでは密植のため材木としての品質低下、さらに風水害の原因になると懸念されています。また、里山に多い雑木林は、以前は薪炭林として利用されていましたが、薪炭を使うことがなくなった現在では手入不十分で、豊かな里山の恵みが急速に失われています。
それにもかかわらず、木を伐ってはいけないという思い込みが一部に残っています。たしかに、天然林の場合は慎重な配慮が必要でしょう。しかし、人工林や里山の場合、増えすぎたストックを伐採しなければ環境を保全することすら不可能です。天然林でも、適度な更新は不可欠です。アメリカでは、人家に被害が及ばない限り山火事を消さないことがあります。老化した森林が、火事で回復するからです。
なお、薪にするために森を丸坊主にするのはアフリカならともかく、日本では考えられません。いわゆる皆伐方式のことでしょうが、これは計画的に植林するための手段です。
年間の伐採量がそんなに少ないとは驚きました。
日本の森林は間引きしないといけないぐらい増えている、というのは聞いたことがありますが
そんなに少なかったとは…
確かに森林が成長しているのに手入れをしないと木が無駄に分解されるだけでなく、極相化して
しまって森林が荒廃してしまいますから、ある程度の手入れは不可欠ですね。
山火事を消さないというのは他の方もおっしゃっている、若い木の方が二酸化炭素の吸収が多い
からなのでしょうか?勉強不足で大変お恥ずかしいです。
それにしても森林更新の為とはいえ、山火事を放置するとは、なんともアメリカらしいスケールの
大きさですね。
回答ありがとうございました。
No.12
- 回答日時:
>間伐材や工業廃棄木材を利用するならば問題ないという事でしょうか?
単純に考えるとそうなります。逆に森林を新たに再起不能に切り倒して作ったまきなら、最悪でしょう。さらにいうと、市民皆が皆間伐材を使って、結果業者が間伐材から輸入材に切り替えたら、また環境破壊に手を貸していることになります。
現在では日本各地の山林が荒廃してしまって、間伐材として利用できるのにそのまま微生物に分解
されて、他方では炭火ブームで森林が丸ごと切り倒されていく。
なんとも効率の悪いことをしてますね、人間は。
市民皆が間伐材を使うまでいってしまっては困りものですが、現在では手付かずの山林が沢山ある
のだから少しは間伐材を使ってほしいですね。
そういう私の家の裏にも荒れ果てた山林があるわけですが…(汗)
回答ありがとうございました。
No.11
- 回答日時:
単純な問題であるにもかかわらず、余分な条件を持ち込むために議論が紛糾しているように思われます。
まず、薪ストーブと石油ファンヒーターのどちらが環境に優しいか、これは答はほぼ一致しています。
ただ、薪ストーブは有害物質を出すとか、燃焼効率に改善の余地があるとの付帯意見がありますが、その論拠が示されていないので議論できません。アメリカでも、一時、薪ストーブの環境問題が連邦議会で取り上げられましたが、触媒による排気浄化方式の開発により解決されました。
また、薪や炭をこれ以上使うのは問題だという意見もありますが、なにを指してこれ以上と判断できるのか不明です。少なくとも薪ストーブに関する限り、現在の普及率は0.1% 以下だと思われます。建築廃材や果樹園の老木、さらに土木工事や造園などから出る木材の大部分は焼却処分されているのが現状で、薪にするために森を裸にするなどまずありえないでしょう。むしろ、専門家が指摘するように薪や炭を使わなくなったために里山が荒廃し、豊かな自然の恵みが消えてしまったのが環境面での大きな損失です。
なお、これはあくまで薪と石油の比較で、環境に優しいという意味では、薪ストーブに使う100万円を節約して、住宅の高断熱化、高気密化を推進するほうが当然ながらずっと有効です。
なお、私は環境に配慮して省エネ仕様のオール電化住宅を建て、そこで補助的熱源として薪ストーブを設置しています。真冬でも室内環境は快適で、周囲からいただく廃材のお陰で光熱費も極めて低廉です。
おっしゃる通り、薪ストーブの方が環境に優しいという意見が多いですね。
薪ストーブの排出する有害物質についてですが、下でも述べておりますが、燃料が木本である以上
タールや酸性微粒子はどうしても出てしまう、と大学の先生が言っていました。
薪の補給は、間伐材などを使えば現在の普及率程度で考えれば全然間に合うかもしれませんね。
薪ストーブの普及率について条件を付けていなかったのが間違いでした、すみません。
それにしても薪ストーブをお使いであるとは、とても羨ましい限りです。
たしかに暖房という観点では石油、薪以外にも沢山選択肢はありますからね。
回答がありがとうございました。
No.10
- 回答日時:
どちらかと断言するのは、むずかしいですね。
と、いうのは、カーボンニュートラル(「長い目で見れば二酸化炭素は循環する」という考え方)からすれば、「発生する炭酸ガス」というその点だけで考えれば、薪ストーブのほうが(温暖化ガスの面では)まちがいなく優位です。
ですが、たとえば、最近の炭火焼ブームで、日本が中国から大量の炭を買い付けた結果、中国の森林が破壊されているという話もあります。カーボンニュートラルというのは、あくまで「自然を破壊しない範囲で」バイオ資源を使用する場合に言えることであり、こと日本の薪や炭に関して言うと、その前提がすでに壊れているようにも思われます。
現実問題として、日本の暖房エネルギーすべてを薪や炭に頼ってしまうと、おそらく日本の森林は丸坊主になるし、そうでなければ、世界中の森林を、燃料にして燃やしてしまうことにもなりかねません。
ですから、個人的には「これ以上」薪や炭を使用することは、環境負荷になるのではないかと思っています。
まぁ、暖房ということで言うなら、石油と薪だけではなく、原子力発電+電気式ヒートポンプなんてのもありますし、ソーラーシステム(太陽熱温水器やパッシブソーラーハウス)などもあります。バイオエタノールを燃料にしたストーブ、なんてのもありえますね。
環境問題というのは、種々の問題が思いもよらないレベルで絡み合っているので、ことほど左様に難しいのです。いろいろと考えてみてください。
今まで回答して頂いた方の意見では、「森林を維持できる範囲ならば薪ストーブの方が良い」
というのが多いですが、すでにその範囲を超えているとは思いもよりませんでした。
確かに炭火焼の炭も森林を伐採しているには違いないですからね…
間伐材でまかなうとは言っても、その量もたかが知れてますからね、仰るとおりこれ以上の薪の使用
は環境負荷になりそうですね。
日常生活の中でエネルギーを多く使うのは風呂と暖房と言われていますから、高カロリーな
薪や石油に代わるものがなかなか無いんでしょうが、バイオマスや太陽熱の利用などの
方法が広まってくれるといいですよね。
回答ありがとうございました。
No.9
- 回答日時:
書かれているとおりだと思います。
ただし,薪ストーブは燃焼効率を上げる工夫にとっては改善の余地があります。石油については,大昔に固定された炭素が石油を使用することで空気中に放出されるので,結果として現在の大気中の二酸化炭素が増えます。たぶん,環境負荷が小さいのは条件付きで薪ストーブ
確かに薪ストーブはまだまだ改善する余地がありそうですね。
構造としてはとても単純なのに、どうしてあんなに値段が高いのか…
やっぱり需要がないから値段が高いのでしょうかね?
皮肉にも、最近は暖冬の影響で環境問題への関心が高まっているようなので
もう少し薪ストーブが普及してくれればいいのですが…
回答ありがとうございました。
No.8
- 回答日時:
森林ジャーナリスト田中淳夫さんの著作『森を守れが森を殺す』は、割り箸を使わないとか薪を燃やさないという感情的で非科学的な自然保護論者の思い違いを徹底的に論破しています。
http://homepage2.nifty.com/tankenka/chosha.html
もともと、環境問題に真剣に取り組んでいる北欧諸国で薪ストーブが奨励されていることを知っていれば、今回の回答にこれ以上付言する必要はないのですが、まだ触れられていない点をひとつ補足します。
木には「カーボン・ニュートラル」という性質があり、燃やそうと、老朽化して自然に帰っても炭素の量が変わるわけではありません。しかし、燃料として使えば、その分、化石燃料の使用量を減らすことができます。また、優れた材木を得るために、野菜と同様、間引き(間伐)が必須ですが、その有効利用を促進しなければ森林資源の品質が低下します。
なお、最近の薪ストーブは燃焼効率改善と排ガス浄化のため触媒式あるいはクリーンバーン方式による二次燃焼の仕組みを備えているので、環境的にも大変優れています。石油ヒーターより有害物質が多いと言う質問者のコメントはよく理解できません。
ただし、勝負あったと言うわけではありません。1戸建ての住宅で使う場合、初期費用(薪ストーブ設置には最低で本体30万円、煙突30万円、工事費30万円が必要)、薪の入手や掃除の手間など、不利な条件があります。ただし、家族団欒や薪割りの楽しみなど、他では得られない喜びが伴います。
ご紹介されている本ですが、著者のサイトを見たら意外な視点で環境問題を論じていて興味を持ちました。機会があれば読んでみようと思います。
確かに森林は燃やそうが枯れようが、永遠に炭素を固定する事は現実に難しいので、熱源として利用した方がムダがないですよね。でも現在は里山のように間伐の手が加わっている森林はごく少数で、もったいない限りです…。似たような事で、少し前にケナフの育てっ放しが問題視されてましたね。
排気についてですが、触媒作用でNOxやSOxを取り除けても、タールや酸性微粒子は取り除けないと聞いたことがあります。(今はそれも解決しているのでしょうか?)
やっぱり薪割りなのどアナクロ的な楽しみには憧れますよね。
環境問題に対する関心が高まって、薪ストーブの需要が伸び、価格が安くなればいいのですが…
回答ありがとうございました。
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