

No.5
- 回答日時:
「真理は時の娘である」という言葉は、紀元後2世紀にアウルス・ゲッリウスが著した「アッティカ夜話(Noctes Atticae) 」12巻11章に出てきます。
http://penelope.uchicago.edu/Thayer/L/Roman/Text …
ざっと内容を紹介します。
ゲッリウスはアテーナイの町の外に住むペレグリノスという名の哲学者の元へ通って聞いた以下の話を記しています。教養ある人は正義や品格を求める心と本分をわきまえているためにたとえばれなくても悪事を行なうことはない。一方無教養な人間でも悪事はいつか露見することを知っているのでむやみに悪事を為すことはない。ただしこのような人間はばれないように巧妙に悪事を為すことがある。このように言った後でペレグリノスはソポクレス(悲劇詩人)の一節を口ずさんだ。
何も隠してはならぬ/時はすべてを聞く者にしてすべてを白日に晒す
また別の古い詩人の言葉として、真実は時の娘である(Veritatem Temporis filiam esse) と言った。
(引用以上)
おそらくベーコンもこれを読んでいたのではないかと思います。
ペレグリノスの説では「哲学的な素養」のある者とない者が対比され、無知な者さえ「時が暴く」ことは承知していると述べられています。
一方ベーコンの「真理は時の娘であり、権威の娘ではない」では時は万人に真理を伝え、権威の有無によって差はないということ意図しているのでしょうか。「権威」を「特定の価値観=哲学的素養」と読みかえれば両者の思想の違いは明確です。
「娘」というのはVeritas(真実)という名詞が女性名詞だから比ゆ的に用いられているのです。時が生む(もたらす)ものだということが言いたいのだと思います。
No.4
- 回答日時:
「真実は時の娘」とはイタリアのことわざとして紹介されています。
「関係者がひた隠しにしようとした真実も、やがて日が立つにつれて明るみにでる」(「世界の故事・名言ことわざ」平凡社)
ですからダ・ヴィンチにとっては周知の故事だったかも知れません。
「図書の文化史」の文献番号35 ハドリアヌス・ユニウス 『エンブレマータ(寓意図像集)』1565年http://okwave.jp/kotaeru_reply.php3?q=2835304
これについて、例えばこちらでは、「真実は時によって明らかとなり、分裂によって邪魔をされる」という題辞のエンブレム[2]では、鎌を持ち羽の生えたサターン(クロノス=「時」)が、娘の「真実」を土牢から救い出している。その背後には、「真実」の敵である「争い」、「嫉妬」、「誹謗」の姿が見える。同じ挿絵は、「真実は時の娘なり」という題辞が付されてホイットニーにも登場している。」とあります。
http://www.humi.keio.ac.jp/~matsuda/catalogue/em …
これが英国に伝わって「「真実は時の娘なり」という題辞が付されてホイットニーにも登場」した、そしてF・ベーコンも読んだ経緯があるのかも知れません。
その意味ではクロノスが真実を救う、従って真実の敵「争い」「嫉妬」「誹謗」を娘に持つものこそ、まさに「権威」とされるのでしょうか。
この本ではラテン語のタイトルで"Veritas Filia Temporis"となっているようです。
http://links.jstor.org/sici?sici=0075-4390(19400 …
No.3
- 回答日時:
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