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刑法の窃盗罪における、不法領得の意思と窃盗罪の保護法益について教えてください。

刑法について詳しい方、教えてもらえるようお願いします。

A 回答 (1件)

なんか昨日から今日にかけていっぱい書いているので・・・ちょっと力尽きてきていますが・・・



窃盗罪235条は、財物を窃取したる者は・・・とありますが、人の物を壊す目的で取った場合やあとで返す目的でちょっと借りた場合にまで、客観的な行為態様が他人の物を取ったという同じ行為なので、他人の物を壊す目的で取った場合や返す目的でちょっと借りた場合まで、同じように懲役10年以下の法定刑でいいのかっていうことから始まります。

その場で壊せば、261条の器物損壊罪、持ち出して壊せば235条の窃盗罪ってのは、どう考えても均衡が取れません。器物損壊罪が3年の法定刑で、窃盗罪が10年なのは、人の物を盗んで、自分の物として利用しようという利欲犯的な犯人の主観を重く罰しようとした趣旨からです。(被害者にとっては壊されるよりも盗まれた方が、戻ってくる可能性があって逆のような気がするでしょうけど)

そこで、客観的な「盗る」という行為以外に、犯人の主観的構成要件要素、かかれざる構成要件要素として不法領得の意思がでてきます。

窃盗罪にはこの不法領得の意思が2種類あって、棄毀罪との区別については、物の経済適用法に従ってこれを利用処分する意思があるかどうかで区別します。

次に、少しだけ自転車を借りて近くの店で買い物して5分後に戻って来て、元の場所に戻しておいた場合は、使用窃盗といって、刑法上不可罰の行為です。この使用窃盗と窃盗の区別については、権利者を排除して本権者として振る舞う意思があったかどうかで区別します。

窃盗罪における不法領得の意思はこの2つを認めるのが判例の立場です。占有侵害が欠けるとか占有移転の有無で区別する学説もあります。

後段の窃盗罪の保護法益についてですが、本権説か占有権説かで争いがありますね。所有権や賃借権など、ちゃんと権利を持っている人から盗んだ場合に成立するという考えと、事実上の占有を持っている人から盗んでも成立するという考えです。242条が他人の占有と書いているものだから、これにもかかわって来ます。

要するに泥棒した泥棒の物をさらに泥棒した時に窃盗罪が成立するかで、争いがあるのですが、判例は占有権説で、窃盗罪が成立するとの立場を取ってます。この説をとると、盗ってきた物を売り飛ばすなどの行為は不可罰的事後行為として処罰されないのは本権として侵害されつくしたという本権説からは説明しやすいですが、占有権説からはさらに法益を侵害したと解されるところが、批判されます。

さらに分からないことがあれば再質問してくださいませ。
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この回答へのお礼

詳しく教えていただき、有難うございました!
周囲の人間でちょっと問題起こした人物がいて気になったもので・・・。


あと、もしよかったらでいいんですが「国際法」についても質問してるんですけど
ご存知なようであれば、こちらのほうもお願いできませんでしょうか?

本当に、有難うございました!

お礼日時:2002/07/10 00:02

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