プロが教えるわが家の防犯対策術!

いま他大学の大学院入試に向けて勉強中です。
過去問演習をしていて、
『inversePCRと5'tailPCRのふたつについてそれぞれの原理と目的を概説せよ』という問題に行き詰っています。

一般的なPCRの原理については理解しています。
しかしこのようにPCRに種類があるというのは初耳でした。
インターネット検索や、教科書3冊ほどを使って調べたのですが記載がなく、困っています。

お分かりになる方、ぜひ教えて下さい!!
どうかよろしくお願いします!!

A 回答 (2件)

Inverse PCR: 既知の配列から未知の周辺配列を増幅する方法。

普通のPCRでは既知の配列からプライマーを設計するので、原理的にプライマーを設計するための配列情報がない未知の配列方向には増幅が出来ない。

ゲノムDNAの既知配列から周辺の未知配列を得る場合を例にとると、Inverse PCRでは既知の配列から両外側に向かう一組のプライマーを設計する(プライマーの向きが通常とは逆なのでinverse)。適当な制限酵素(プライマーアニーリングサイト間を切らない)でゲノムを消化してligetion反応をすると、断片の一部は自己環状化する。これを鋳型にPCRをかけると、既知配列を含む鋳型から左右の未知配列を得ることができる(右primer->右側未知配列(ligation)左側未知配列<-左primer)。ゲノムDNAだけでなく、cDNAの増幅にも応用されることがある。

5'tailPCR: これも既知の配列から周辺の未知の配列をとる方法の一つ。特にcDNAの5'末端側を得る方法(5'RACE)では代表的な方法。

例えばcDNAの内部配列が一部わかってるが、5'末端の情報がない場合、cDNA (1st strand)合成後に、Terminal deoxy-transferaseと一種類のデオキシリボヌクレオチド(ここではdGとしよう)を反応させる。すると1st strandの5'末端にpoly dGのtailがつく。既知配列に特異的で上流に向かうプライマーとpoly dG tailにannealするoligo dCプライマーを使ってPCRをすると既知配列より5'側の配列を増幅できる。
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この回答へのお礼

細かく教えていただき本当にありがとうございます!!
Inverse PCRのほうは、自己環状化した断片に含まれる配列(既知配列~未知配列のうち制限酵素で切断した部位まで)を増幅できるという事でしょうか?

また、ふたつとも目的は『既知の配列から未知の周辺配列を増幅する』なんですよね?
使い分けは、
Inverse PCR:既知の配列から両外側の配列を知りたいとき
5'tailPCR:既知配列より5'側の配列を知りたいとき
ということでしょうか??

お礼日時:2007/07/30 20:54

>5'tailPCR:既知配列より5'側の配列を知りたいとき


>ということでしょうか??

主にcDNAの5'端を得るのに使われます(5'tail PCRといっているからにはこれでしょう)。原理的にはゲノムDNA断片など、二重鎖DNAに対しては、
5'ggggggggggggggNNNNNNNNNNNN3'
______________3'NNNNNNNNNNNNgggggggggggggg5'
という状態を作り、NNNNNNNNNNのプライマーの向き次第でどちら側も増幅できるわけですが、真核生物のcDNAでは下流側にpolyA tailがありますので、そちら側はoligo dTプライマーを利用するのが普通です。

先の投稿のterminal deoxy-transferaseは正しくは、
terminal deoxynucleotidyl transferaseまたはterminal transferaseです。
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この回答へのお礼

なるほど、よくわかりました。
親切で丁寧な回答本当にありがとうございます!

これから何度も質問を投稿することがあると思います。
また見かけましたらよろしくお願い致します。

お礼日時:2007/07/31 21:58

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