No.1
- 回答日時:
>☆なぜアメリカは共産主義を極度に嫌うのですか?
アメリカはソ連に対し融和主義的な政策を取った時期もありますし、一概に“アメリカは共産主義を極端に嫌う”とは言えないと思います。しかし他の西側諸国と比べてなおアメリカが反共的であった要因は下記の様なものが挙げられます。
・より自由主義の色合いが強かった
この頃ヨーロッパ諸国では多くの事業を国営化する等、断片的に社会主義的政策をとりいれる事によって国内の社会主義勢力を納得させるような政策をとっていました。対するにアメリカは産業に対する規制を強める事はあっても、欧州のような国営化を行わずあくまでも民間企業に経済の主導権を委ねる自由主義的な政策をとりました。この政策的な距離がそのまま社会主義国家に対しての態度に反映された面もあるでしょう。
・西側陣営の盟主だった
冷戦時の世界構造から考えると、アメリカが共産主義に屈する事になれば世界中が共産化してしまうという可能性は充分に考えられました。この様な事情を踏まえれば、只でさえ自意識過剰でお節介なアメリカ合衆国ですから世界の民主主義を守るという使命感に燃え、ソ連に対してつい強硬な態度を取ってしまうのも無理からぬ事でしょう。
>☆共産主義≒社会主義、民主主義≒資本主義と考えて良いといわれたのですが、違いがあるわけですよね?
共産主義国家は国家の冨の完全に公平な分配が実現される体制です。この体制化では国民は物もお金も国家の運営権も平等に与えられます。
それに対して社会主義は共産主義体制を実現させる為の途中段階で、一時的に国家のリーダーに権力を集中させ資本家の排除や国民への共産主義教育を行う事を許容する体制です。
民主主義と資本主義ですが両者は全く違う概念です。共産主義国家が民主制を実現するのは可能ですし、非民主的な国家でも資本主義は機能します。只、現実世界では殆どの民主国家は資本主義を採用しているので、両者がセットである事は当然のように認識されています。
ご返答ありがとうございました。
欧州の「事業を国営化」という政策は知らなかったので、それもアメリカが資本主義をとるという理由の1つとなっていたことも知れて良かったです。
又、tooma37さんのご回答を見る限りで、現在共産主義をとっている国は表面上は違いますが、北朝鮮や昔の中国を指すのかということも分かりました。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
>「なぜアメリカは共産主義を極度に嫌うのですか?」
アメリカは、資本主義の牙城である。イギリスで発生した資本主義は、アメリカで花開いて円熟しそれを、否定する(対立する)考え方が共産主義(マルクスやエンゲルスが唱えた=「共産党宣言」、「空想より科学へー社会主義の発展」岩波文庫等)だからです。
これは、経済制度としてですが、共産主義の考え方に「唯物論」という哲学の流れがあり、その中で「観念論」の代表である宗教を否定する面(「神が人間を創ったのではなく、人間が神を創った」ゆえに、「宗教は人間の力を弱める=宗教は阿片である」)がありヨーロッパやアメリカは、今でも「キリスト教」を中心とする宗教国家でもあるので“嫌う”という面があります。
また、「キューバ革命及びキューバ危機」のころは第2次世界大戦後の冷戦(アメリカを中心とする資本主義諸国とソビエト社会主義連邦共和国を中心とする社会主義諸国(私見:本来のマルクス等の考え方と違うロシア的マルクス主義国=レーニン、スターリン、毛沢東等の唱えた)の互いの勢力拡大を続けていた時で、キューバはカストロやゲバラ等のアメリカ傀儡政権への氾濫から政権を奪取し、その後ソ連との関係を蜜にしてソ連製核ミサイルがキューバに配備されはじめたことでの「キューバ危機」ですよね。自国の目の前に敵対するソ連の出先国ができたので”嫌った”。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A5% …
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A5% …
>共産主義≒社会主義、民主主義≒資本主義と考えて良いといわれた
「共産主義≒社会主義」はだいたい良いと思います。学問的には違います。詳しくは『空想より科学へ』がその違いを明確にしてくれます。小冊子ですので目を通してみてください。
「民主主義≒資本主義」は大きく違います。民主主義は、元は民主制(大多数の民≒国民が主役の)でこれは、封建時代からの君主制(国王や天皇、皇帝などの君主が主役の)に対立する概念です。この民主制が発展し「民主主義」=“多数決の原理”ができたのです。
「資本主義」は経済制度です。対立する概念は「共産主義≒社会主義」です。資本主義は資本制ともいい、「資本(資本金とかの資本)の論理」で社会が動く、「お金中心主義」?要するに、生産手段=機械・設備や労働力=従業員とか社員=労働者をお金を出して設置したり・雇い、物を作って売って利益(剰余価値という)を得て、株主や資本家に分け前を渡すというのが資本主義です。
マルクス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC% …
エンゲルス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AA% …
「共産党宣言」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B1%E7%94%A3% …
「空想から(より)科学へ」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%BA%E6%83%B3% …
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode …
資本主義
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B3%87%E6%9C%AC% …
民主主義
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%91%E4%B8%BB% …
ご返答ありがとうございました。
私はアメリカがどこかの国(ソ連)から「共産主義」の影響を受けてそれが発端で反発し、「資本主義」という考えを打ち出していたのかと思っていたので、分かってすっきりしました。そもそもの資本主義の根本をアメリカが打ち出したという事ですね。
No.3
- 回答日時:
共産主義の概念を完成させたのは、ご存知マルクスとエンゲルスですが、当時イギリスでは、資本主義が高度に進化すれば共産主義に発展すると考えられていました。
そして第一次世界大戦後の世界大恐慌後には、アメリカもニューディール政策等社会主義的政策が取り入れられたものです。メーデーの発祥と赤旗がアメリカ生まれなのは、有名な話です。つまりニューデーラーは、基本的には共産主義者もしくは、その賛同者の集団でした。第一次大戦中に成立したソビエトは、その後急速に共産主義の仮面を脱ぎ捨て、教条主義へ変化しましたが、それでもニューデーラーはソビエトに親近感を持っていました。ここで問題が潜在していたことを日本の教科書は教えていません。つまり日米開戦直前のアメリカの鉱工業生産指数は、大恐慌前の45%に過ぎなかったのです。つまりルーズベルト政権は、景気の浮揚に成功していなかったのです。共産主義的計画経済の成果は、余り効果が無かったわけです。
こんな訳で景気浮揚の打開策としてアメリカは、参戦の口実を求めていました。第二次大戦終了直前に、ルーズベルトが死去するや、ニューデーラーは日本占領政策のため体よく追放されました。当然彼等の影響で日本では左翼政党が勢力を増大させ、一時的に社会党政権すら誕生しました。
ルーズベルトの後任の政権は、第二次大戦前や、戦中のソビエトの教条的政策は危機を感じさせるのには充分なインパクトがありました。つまり共産主義を掲げながら、似ても似つかない政策が実行されていた訳です。そしてアメリカは教条主義に陥りやすい共産主義そのものに決別する決断をし、冷戦がはじまったのです。アメリカはここで競争原理の働く市場主義経済を選択し、現在に至っています。
イギリスの労働党政権は、アメリカと強い同盟関係を持ち、又フランスも共産主義勢力が政権の座についていた事が有ります。イタリア然りです。アメリカが嫌悪したのは、共産主義そのものではなく、それを実現する為に陥りやすい教条主義であったと思います。又キューバを許せないのは、あのミサイル持込計画であると思います。それが無ければ、国交はとっくに回復していたと思います。
ご返答ありがとうございました。
アメリカが一時的に共産主義体制をとっていたという事、その共産主義から資本主義へと動いていった過程などの詳細(というより共産主義をとっていたという事)は教科書にも載ってなくご回答を頂いて、本当にこれからの研究に役立ちそうです!
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