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先日大切な祖母が亡くなったのですが、お通夜やお葬式の時のお経について興味があり質問させていただきます。

以前、般若心経の現代語訳の本を読んで以来、その意味に感銘を受けすっかり虜になってしまいました。
そこで、祖母のお通夜とお葬式でも読経されるのかな?と思い注意深く聞いていたのですが、お焼香をしたり祖母との思い出を思い出したりしているうちにすっかり忘れてしまいました(笑)

調べてみたところ、般若心経は宗派もあまり関係なくあげられるとありましたので、もしかしたら読まれていたのかもしれないと思ったら気になってしまいました。

我が家は浄土宗なのですが、お通夜やお葬式であげれらるお経は「これ!」という決まったものがあるのでしょうか?

祖母は私にとって大事な存在でしたので、その祖母にどのような言葉が贈られた(?)のだろうかと気になったもので、
般若心経だけでなく、他のお経の意味についてもこれから勉強したいと思い質問させていただきました。

初歩的な質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

A 回答 (2件)

>>我が家は浄土宗なのですが、お通夜やお葬式であげれらるお経は「これ!」という決まったものがあるのでしょうか?


ありますよ。差定(さじょう)といって基本的な作法・よむべきお経は決まっています。ただ地方や、寺院によって若干違いがあります。
 では基本的なものをご紹介します。

・通夜差定
1、香偈(こうげ)
我が心身を清らかにしたまえと念じ、香をたいて全ての世界時代の仏様に帰依し供養するという意味で、最初に読みます。
2、三宝礼(さんぼうらい)
佛(仏様)・法(仏教)・僧(僧侶を中心とした人々の集まり)という三つの宝を敬い帰依することをたたえる偈文。
3、三奉請(さんぶじょう)
一に阿弥陀さま、二にお釈迦さま、三にその他十方の仏さまがたをお招きする文です。
4、懺悔偈(さんげげ)←ざんげとはよみません。
自分自身が作った罪の全てを仏様の前で懺悔(さんげ)するためにお念仏する前にとなる偈文。
(十念・十回お念仏を声に出して称える。)
5、一尊哀愍(いっそんあいみん)
香偈の一種と思っていただければよいかと思います。
6、開経偈(かいきょうげ)
なかなかめぐり合えないお釈迦様の教えに人間に生まれてやっと出会えた喜びはなんいにもかえがたい。というような意味のお経をよむ前に称える偈文。
(焼香)
7、真身観文(しんじんかんもん)
浄土三部経のなかの『観無量寿経』のなかにとかれている、阿弥陀佛の姿を心の中で念じ観るという部分。
8、回向(えこう)
今まで積んだ功徳や善根を亡くなった故人に振り向ける。
9、降魔偈(ごうまげ)
仏教は煩悩を断ずるための教えであって、それは悪魔を切るの剣のようなもので、「南無阿弥陀佛」の念仏はどのような愚かな者であったとしても罪を滅ぼし浄土において煩悩を断ずることができるという、徳をたたえる偈文。在家のなくなった方に用いる偈文。
(十念)
10、摂益文(しょうやくもん)
『観無量寿経』の「光明徧照(こうみょうへんじょう) 十方世界(じっぽうせかい) 念仏衆生(ねんぶつしゅじょう) 摂取不捨(せっしゅふしゃ)」という文で、阿弥陀仏の光は全ての人に分け隔てなく注がれているが、南無阿弥陀佛と念仏する者は全てを受け入れられ捨てられることはない。という意味です。
11、念仏一会(ねんぶついちえ)
念仏の数の多少にかかわらずお念仏に出会い、お称えすること。
12、通夜回向(つやえこう)
お通夜読経や念仏の功徳を故人に振り向ける。
13、総回向偈(そうえこうげ)
全てのことを振り向けるための偈文。
14、同唱十念(どうしょうじゅうねん)
通夜に出席した人とともに、十回お念仏を称える。
15、総願偈(そうがんげ)
仏教の悟りを志す人たちが誓うべき四弘誓願の意味を表す偈文。

・葬儀差定
1、四奉請(しぶじょう)
三奉請の一に阿弥陀さま、二にお釈迦さま、三にその他全ての世界の仏に、四つに観音菩薩・勢至菩薩や全ての菩薩お招きする文。
2、懺悔偈
上記通夜4の通りです。
(十念)
3、根本陀羅尼(こんぽんだらに)
ノウボウアラタンノウタラヤーヤー ノウマクアリャミターバーヤー タタギャタヤアラカテイ サンミャクサンボダヤ タニャタオンアミリテイ アミリトウドハンベイ アミリタサンバンベイ アミリタギャラベイ アミリタシッデイ アミリタテイセイ アミリタビキランデイ アミリタビキランダギャミネイ アミリタギャギャノウキチキャレイ アミリタドンドビソバレイ サラバアラタサダニエイ サラバキャラマキレイシャキシャヨウギャレイ ソワカ
という、阿弥陀佛を讃える言葉をサンスクリット語という古代インド語で読むものです。
4、本誓偈(ほんぜいげ)
真実だ物が立てた本願の要旨は全ての人々を極楽往生させることで、阿弥陀佛の心にかなうためには念仏し速やかに極楽往生し、不退転の位に住すことであるという偈文。
(十念)
5、歎佛偈(たんぶつげ)
『勝鬘経』の一節で、仏の体も智慧も全てすばらしいものであると称賛する偈文。
6、下炬(あご)
導師がたいまつをもって引導を渡すこと。
(十念)
7、開経偈
上記通夜6の通りです。
(焼香)
8、歎佛頌(たんぶつじゅ)
『無量寿経』上に、阿弥陀佛が仏になる前の法蔵菩薩という菩薩であった頃、師匠である世自在王佛を賛嘆した偈文。
9、摂益文
上記通夜10の通りです
10、念仏一会
上記通夜11の通りです。
11、回向
上記通夜12の通りです。
12、総回向偈
上記通夜13の通りです。
13、同唱十念
上記通夜14の通りです。
14総願偈、
上記通夜15の通りです。

です。ですから、
>>祖母のお通夜とお葬式でも読経されるのかな?
とご質問の中にありますが、通夜葬儀ではよまれていません。
 浄土宗は基本的に南無阿弥陀佛の念仏を称えて阿弥陀佛の他力によって極楽に往生させてもらうという教えですから、自力修行によって「空」という境地を体得していくための『般若心経』は中心としてよむお経ではありません。ですから、浄土宗の流れを組む浄土真宗では、『般若心経』は一切よみません。あくまで、浄土宗でよまれる『般若心経』も補助的な意味で読まれるものです。
 浄土宗で中心としてよむお経は「浄土三部経」とよばれる三つのお経です。それは『無量寿経』『観無量寿経』『阿弥陀経』の三つです。この三つのお経は、『妙法蓮華経(法華経)』や『般若心経』と並んでメジャーなものですから、現代語訳や解説書はかなり出ていますから書店でも探しやすいものであると思います。

>>祖母は私にとって大事な存在でしたので、その祖母にどのような言葉が贈られた(?)のだろうかと気になったもので、
浄土宗や浄土真宗・時宗と言った浄土教と呼ばれる仏教には、還相回向(げんそうえこう)という考えがあって、亡くなったかたは仏様になっていつでも私たちの隣にいて見守り導こうとしてくださるといいます。
たしかに、通夜葬儀はなくなった方のためであるかもしれません。けれども、仏教の本当の目的は私たち生きている人間がどのように生きていくかです。ですから、通夜葬儀のお経はは亡くなった故人が「私たちに向って」送ってくださった「このように生きていきなさい」というメッセージであるかもしれませんよ。
 
>>般若心経だけでなく、他のお経の意味についてもこれから勉強したいと思い質問させていただきました。
 非常にすばらしいことです。浄土三部経の一つ『阿弥陀経』のなかには「倶会一処(うえいっしょ)」阿弥陀仏の極楽浄土を目指して念仏を称えるものは、今一度極楽浄土で会うことが約束されているという意味です。ですから、浄土宗の通夜葬儀はさようならする会ではなく、極楽浄土で今一度会う再会の喜ぶを分かちあくことを約束する会なのです。だからこそ、自分自身がしっかりお念仏を声に出すことで阿弥陀仏とまたは故人と一生懸命生き抜いて後亡くなっと時には極楽浄土に向うことを約束することで、故人も「また会えるのか嬉しいんぁ」と安心して極楽に向うことができるのです。
 浄土三部経の中には『般若心経』とはまた違った仏教の味わいが書かれています。仏教は味わいがいのある宗教であり、味わいがいのある哲学でもあります。いろいろ興味深いことがたくさん出てくると思います。

長々書き連ねましたが、まとまらない稚文のため文意を読み取っていただきたく思います。至らないところがあれば、続けて回答させていただきます。
合掌 南無阿弥陀佛
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この回答へのお礼

大変細かなご回答ありがとうございます。こんなに詳細にご説明いただいて感激です・・・もしかしてお寺関係の方でいらっしゃるのでしょうか?初めて聞く言葉が多いですが、ひとつひとつにさらに興味が湧いてきました。

般若心経はお通夜やお葬式では読まれないのですね。般若心経の教えは現代語訳を読んで大体理解しているつもりだったのですが、どうやらもっと浄土宗のこと、また仏教のことを勉強した方がよさそうですね。
「浄土三部経」はメジャーなお経ということですので、よさそうな書籍を探して早速勉強します。

>通夜葬儀のお経はは亡くなった故人が「私たちに向って」送ってくださった「このように生きていきなさい」というメッセージであるかもしれませんよ。

なるほど、そうなんですね。お坊さんは祭壇に向かってお唱えしているので、ついつい亡くなった方を「慰める」ような目的なのかと勝手に思っていました。お恥ずかしいです。仰られている仏教の本当の目的も知る必要がありますね。

>浄土宗の通夜葬儀はさようならする会ではなく、極楽浄土で今一度会う再会の喜ぶを分かちあくことを約束する会なのです。

そうだったのですね・・・とても大事なことを教えていただきました。このようなことを葬儀の前に知っていれば、また違った気持ちで参列できたと思います。
でも確かに、あくまで私個人の感想なんですが、祖母に対して「さようなら」というよりも「また会おうね、私もいずれそちらに行くから待っててね」という想いが湧きあがってきたんです。そういうことなのかな、と今になって感じました。これからもお念仏をお唱えしていきたいと思います。

>仏教は味わいがいのある宗教であり、味わいがいのある哲学でもあります。

そうですね、私が般若心経に興味を持ったのもどこか哲学的な印象を受けたからだと思います。「浄土三部経」も奥深い味わいがあるのでしょうね。これを機に少しでもお経のこと、浄土宗のこと、仏教のことなどを学んでみたいと思います。今まではほとんど興味がなかったのですが、よいきっかけをいただきました。

このたびは無知な素人の質問に時間をさいていただき感謝致します。教えていただいたことを参考に、すこしづつ勉強させていただきます。ご丁寧なご回答、本当にありがとうございました!

合掌 南無阿弥陀佛

お礼日時:2007/08/31 23:33

 丁寧な御返事ありがとうございます。

glasnostさんの向上心、仏教で言えば求道心(ぐどうしん)に感激し、少し補足させていただきます。
>>もしかしてお寺関係の方でいらっしゃるのでしょうか?
 私は浄土真宗の寺の人間です。しかし、大学時代は浄土宗さんの学校でお世話になっていたので。専門は浄土宗の思想という変り種なんです(笑)ですから、回答に大きな誤りはないとは思いますが、浄土真宗的なニュアンスが強いかもしれません。
>>浄土宗のこと、また仏教のことを勉強した方がよさそうですね。
>>「浄土三部経」はメジャーなお経ということですので、よさそうな書籍を探して早速勉強します。
これについてですが、浄土宗さんを勉強するのであれば、少し書籍をご紹介させていただきます。
・『極楽の観光案内』新潮文庫 西村公朝(著)
 こちらは天台宗のお坊様がお書きになったもので、極楽浄土という阿弥陀佛という仏様が私たちを向いいれるために作ってくださった世界を、一般の方にもわかりやすく解説してくださっています。極楽浄土に関しては宗派別に解釈が異なります。それについても宗派ごとの解釈を丁寧にしてくださっています。
・『わが家の宗教を知るシリーズうちのお寺は浄土宗』双葉社 杉山洪(編集)
 やはり自分のうちがどんな宗派であるか知らないというのはとても悲しいことです。なぜなら、お通夜やお葬式・法事はどのような教えに基づいてなされているかを知らないわけですから、何をしているかわからずに終わってしまいます。これは私たち僧侶の怠慢であるかもしれませんが、お説教は短く時間の無駄としてしまう方もかなりいて、もの短い時間に全てを伝えきるのはむずかしいことです。非常に悲しくなってしまいます。そのお説教を補足してくれるのがこの一冊であると思います。「浄土宗早わかり」と題して、一問一問形式で解説していたり、改組の法然上人の一生の漫画、教義的なことだけではなく仏事の作法行法等々にわたって、浄土宗のエッセンスが理解できるものであると思います。
・『響流十方(こうるじっぽう)』法然上人鑽仰委員会 袖山榮輝・林田康順・小村正孝(著)
 この本は最初は浄土宗をお開きになった法然上人から私たちへのお手紙という企画だったそうです。まず、法然上人の言葉やお釈迦様の言葉を提示して、それに対して浄土宗のお坊様方がご自身の体験や最近思うことを交えながらエッセイ風に解説してくださっています。浄土真宗の私であっても非常に共感できる一冊でした。私が思うところには浄土宗にしても浄土真宗にしてもお念仏を中心に据える宗派の中心的な部分は「飾り付けるな」ということではないかと最近思います。見栄を張ったり格好付けたりしないで素直に生きていきなさいということだと思っています。それは、またこの書の要所要所に記されていますが、仏教をお開きになったお釈迦様も『法句経(ダンマ・パタ)』という経典のなかにも「愚かさを推し量る愚者は、それ故また賢者である。賢者であると慢心を抱く愚者は、それこそ愚者といわれる。」と説いておいでです。この言葉も、この書籍の中で解説されています。
 今あげたものは入門書の一部です。入門書は数々ありますが、自分にあった一冊にめぐり会うことが大切です。そのお手伝いをさせていただければ幸いです。ご自身の菩提寺のお坊様もきっとそのようなお気持ちのはずです。お寺ではお説教の会などもあるはずです。そういったものに参加されるのもオススメです。思い切ってお寺へいって「どんな本を読めばいいですか?」ってきいてみてはどうでしょうか。私などよりきっとわかりやすくお話や参考になる書籍を提示していただけると思いますよ。
>>今まではほとんど興味がなかったのですが、よいきっかけをいただきました。
きっときっかけはもうすでにあなたの中にあったのだと思いますよ。『般若心経』に興味を持ったり、おばあさまの通夜葬儀に出会ったり。それはきっと阿弥陀佛やその他多くの仏様お導きであり、またおばあさまを始め多くの極楽浄土で仏様になっておられるはずのご先祖様のお導きであるかもしれません。私はそういった多くの仏様のお手伝いができたのかと思うと嬉しくて仕方がありません。こちらこそありがとうございました。
 合掌 南無阿弥陀佛
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この回答へのお礼

再びご回答ありがとうございます。お坊さんでいらっしゃいましたか。大変ためになるお言葉ばかりで、本当に感謝です。

ゆうべ早速、浄土宗についての書籍を検索してみたのですが、やはり色々ありましてどれがいいものか決めかねていましたので、ご紹介くださったものをぜひ参考にさせていただきます。どれも初心者にはわかりやすそうですね。自分に合ったものを選んでみます。

>やはり自分のうちがどんな宗派であるか知らないというのはとても悲しいことです。

本当ですね。私も先日まで浄土宗と浄土真宗の違いも知らず、その上うちの宗派が浄土宗なのか浄土真宗なのかすらわかっていませんでした。多分いまの若い世代は自分の家の宗派など知らないし、知らなくてもいいという人がほとんどかと思います。私もそうでしたが、baka-hageさんが仰られるようにお葬式などの儀式やお経にどんな意味があるのかわからないままただ座っているだけ・・・ということに何か違和感を覚えました。
お通夜の読経のあとに、菩提寺の住職さんがお説教をしてくださり、また祖母の戒名についても解説していただいたりして、その時に「もっと自分の家の宗派のことを知っていたい」と思いました。住職さんのお話は、それこそが浄土宗の教えに基づくものだったと思います。
今度四十九日の法要の時に、住職さんにおすすめの本とか聞いてみようかなと思います、勇気を出して(笑)。お説教会などもいいですね。すごく興味があります。こういう時だからこそとても心に響くと思います。

>それはきっと阿弥陀佛やその他多くの仏様お導きであり、またおばあさまを始め多くの極楽浄土で仏様になっておられるはずのご先祖様のお導きであるかもしれません。

私もそう感じました。以前からご先祖様の存在が私の中ではとても大きなもので「自分は生かされているんだ」という想いが大きかったのです。般若心経の本を読んだのもちょっと前の話で、最近まで忘れていたのですが、それがここに来て急に思い出したということもあります。そしてbaka-hageさんにこのように色々と教えていただけたこともお導きのひとつかと思います。このご縁を大変嬉しく思います。

改めてお礼申し上げます。大変参考になるお話ばかりで、これからはまた違った心持ちで手を合わせてお念仏を唱えられるような気がします。本当にありがとうございました!

合掌 南無阿弥陀佛

お礼日時:2007/09/01 15:11

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