
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
うーん、これはなかなか単純ではないんですよ。
まず日本の漢字音ですが、よく知られているように、呉音、漢音、唐音に分類されます。詳しくは次のサイトを見て頂きたいのですが、簡単に言うと、唐朝以前の古い中国音(それも中国の南方の音)が入ってきたものが呉音、唐の時代頃の都長安の発音を反映しているとされるのが漢音、宋以後の中国語の発音が入ってきたものが唐音と言えるでしょう。具体的に、「明」の字でいうと、これを(みょう)と読むのが呉音、もっとも古く日本に入った音です、次に唐の時代になって新しく輸入された音が(めい)漢音ですね、ついで宋代以後に輸入された発音が(みん)(明朝体とか)で、これがもっとも新しい。当然ですが、唐音は現代北京語の発音Ming(みん)にもっとも近くなっています。http://www.geocities.jp/johannes_schiffberg/kanj …
次に、地方的発音の相違があります。中国は広大で、いま標準語とされている北京語の他に香港で話されている広東語(香港映画なんかはほとんど広東語ですね)、上海で話されている上海語、その他、客家語、福建語など多数の方言があります。すでに述べたように日本の呉音は古代南方の音が元になり、漢音は唐の長安の音が元になっています。現代の北京語と一直線につながっているわけではないのです。現代の北京音より、他の方言の方が日本の漢字音に似通っている例もたくさんあるわけです。例えば、「色」の広東語音はxig(シッグ)で、日本の呉音(しき)にわりあい近いのですが、現代北京音はsi(スー)でぜんぜん違います。
次に時代による発音の変化があります。唐の時代から1200年も経っているので、その間、日本語においても、中国語においても、大きな発音の変化が起きています。もっとも顕著なものはki(キ)の音でしょうか、これが現代北京語ではchi(チ)の音に変化しています。「機」の古代音は明らかにki(キー)ですが、現代語ではchi(チー)の音に変わっています。日本語の漢音(き)はほとんど変化してませんね。
中国語をカナ(奈良時代は当然万葉仮名でした)で正確に表記できなかったため発音が変わってしまった例もあります。「唐」という字を取り上げると、この字の正確な発音はtangだったのですが、他のtan(タン)の音と区別するため、日本人は「タウ」と表記することにしたのです。最初のうちはこの表記通り「タウ」と発音していたと思われますがやがて「トウ」の音に変化しました。現代北京音はtang(たん)で昔と変わりません。また、奈良時代の日本語には現代のハ行音(ha,hi etc.)がなかったと言われています。奈良時代に「はひふへほ」と表記されている音は実は「ぱぴぷぺぽ」に近い音だったのです。そのため、中国語のhの音をうまく表記できず、やむなく「かきくけこ」のカナで代用しています。「何」の古代音はha(ハ)だったのですが、日本人は(か)の音で代用し、そのように表記したのです。現代北京音はhe(ヘー)。
結局、大まかに言うと、1と2の両方ということになるのですが、なかなか複雑で、このテーマだけで一冊の本が書けます。
Wikiの「日本における漢字」の項、「音読みと中国語」の箇所を参照してください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC% …
「なかなか単純ではない」だろうとは予測しておりましたが、その通りでございました。もちろん、長い時代の音変化はあるでしょうが、自国語の音韻体系に引き付けて発音するという要素が大きいでしょうね。例えば、日本語に入った英語を日本語式に発音すると、英語ネイティヴは首をかしげるでしょう。全然違うと思うでしょうね。
No.5
- 回答日時:
これは正確に書こうとすると大変な分量になりますから、要点だけをかいつまんで書きます。
1.日本語・中国語ともに時代の流れとともに音は変化した(変わらないものもある)。
2.そもそも日本語と中国語では音素が違うので、中国音をカナで表そうとしたときに無理をした。
この二つが主な原因です。
1.音読みには「○ク」「○ツ」「(旧仮名遣いで)○フ」のようなものがありますがこれらは -k, -t, -p のように子音で終わるものを何とかカナで表したものと言われます。現代の中国語(普通話)ではこのような子音で終わる漢字はありません。日本語でも「タフ」「リフ」などは「トウ」「リュウ」と発音が変わりました。
2.子音で終わるものをカナで表そうとしたこともそうですし、中国語の h 音(/x/)をカ行で表したり、ng を「ウ」や「イ」で(これは当初は鼻に抜く「ン」で発音していたものがすぐに文字通り「ウ」「イ」の音に変わったと言われます。とにかく昔の人は ng と n(これは「ン」で転写)を聞き分けていたことになります)表すなども苦肉の策です。
なかなか、昔の人は苦労したようですね。そうまでして、昔の先進国中国文化を一生懸命採り入れようと努力していた先人たちの勉強熱心さを私たちは学ぶべきでしょう。
No.4
- 回答日時:
古文だ 古文だ
明治時代に中国から来た留学生は、日本の漢字に触れたときにそう思ったそうです。
全国アホ・バカ分布考―はるかなる言葉の旅路 (新潮文庫) (文庫)
という本があります。柳田国男が蝸牛考で考察した方言周圏論を証明(?)した本。文化の中心から流行言葉が周りに流れていき、古い言葉ほど遠隔地に残るというモノ。
漢字の発音も同様な構造ではないでしょうか。
『全国アホ・バカ分布考』は単行本で持っています。全部読みました。あの本は面白い。古い形が残されているというのは有り得ることかもしれません。私の印象では、韓国語の漢字の発音が日本語と中国語の中間のような感じなのです。
No.3
- 回答日時:
すでにNo.1の回答にあるとおりです。
中国語は、一語・一音節・一字という性格を持っていますが、日本に入ってきた中古音の発音は呉音・漢音と呼ばれていますが、「四声」という発音の区別はあるものの、いずれにしても一音節漢字です。
そうした漢字の発音を日本人はほとんど二音節の音として取り入れました。(不・可その他例外はあります)二音節は「二拍」というほうが適切かも知れません。いわゆる仮名文字で二字として認識した訳です。
その時に「質」という字を「シツ」「シチ」とという二色の音を当てたものもかなりあります。異なる音韻体系だったからやむを得なかったのでしょう。
次の二つのサイトが参考になります。
http://homepage2.nifty.com/kanbun/izanai/izanai1 …
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC% …
参考資料はブックマークしておきました。後で読ませていただきます。日本語の音に「変換」する方法には一定の法則性はありそうですね。「日」という音は、元々子音+母音+子音だったと思います。だから、「にっぽん」と「っ」が入るし、韓国語でもパッチムがあります。「にほん」という読みは訛ったもので、厳密に言うと誤りだ(誤りということの定義にもよりますが)。御解答とあまり関係なかったかも知れませんが、御解答を読ませていただいて気付いたことを書かせていただきました。
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