No.7ベストアンサー
- 回答日時:
高校数学教師です。
現実問題、勘違いしたまま、っていうのはいくらでもあります。
私たちもしばしば教師同士で激論になり、「ちゃんとしらべてこい」と相手に言った事も何度もありますし。
ま、数学講師が「教養のある人」であるかがそもそもの問題かもしれませんね・・・・
根本原因としては、
やはり高校以下の教育においては「数学」を教えているのではなく「学校数学」をおしえているのだ、ということ。
そして教師の中にしばしば、この「学校数学」と「数学」の違いを意識していない人がいる、ということです。
それを知らないで、「数学とはこうだ」と思い込んでいる、というのはよくあります。
件の「帰納法」についても、大抵の教科書や指導書にはちゃんとは書いてないわけで、自分で疑問に思って調べた教師、そして、たまたま何かの本で読んだりしていた場合に知っているに過ぎません。
実際、帰納法について辞書的な意味を語るだけでは本当は不十分で、帰納的思考と演繹的思考の関係や、スコラ哲学の思弁的演繹のゆきづまりから、新たな手法としての帰納法の「再発見」、といった点まで考えるのが本来のこの区別の意味なので、そんな事をやっていたら大学~大学院の授業になってしまいます。
そんなもの数学教師どころか、高校教師一般の中でも語れる人がどれだけいるか。
また、数学的帰納法が演繹法の一種だ、ってのは事実ではあっても本当に重要とは言えません。むろん言葉遣いの難しさというか面白さはあるわけですが、むしろ重要なのは「数学的帰納法」に見られる「再帰」「無限」の考え方でしょう。
そこを理解させずに演繹の一種、という数学としてはどうでもいいような部分だけ強調するのも、少なくとも数学の授業としては「間違っています」。
また、知織というものは本当は総合的で、歴史を知らずに数学を語っていいのか、という問題は当然あるのですが、現実には「他教科」の知織が十分にある教師なんざ一握りに過ぎません。
そして何より、「学校教育」の制限があります。
つまり、ちゃんと説明すると難易度が高すぎて生徒の大半が判らない、という場合、そういう教え方は「まちがって」います。
したがって、あまり厳密でない言い方でも「こう覚えておけ」と言う場面というのは結構ある。
ただ、そこで「本当はちょっと違うが、難しいのでとりあえずこう覚えておいても当面困らない。もっと知りたければ~や~を調べるか、訊きに来なさい」と言うことが出来るかどうかですが。
その点で、知っていてあえて通俗的に言う場合と、知らないで間違いを言う場合とは区別されなければならないでしょう。
たしかに後者の例がしばしばあって、教師の間でも批判の対象になりますが。
長文ありがとうございます。
おっしゃる内容は、たいへんよく理解できました。
僕の質問の文章がわかりにくかったと思われますが、次のような回答を期待していました。
具体的には、たとえば「微分可能な関数は連続関数であるが、微分した後の関数もいつも連続だ」と本質的に誤解している高校講師。
帰納法の件は、たしかに、数学というよりも言語の問題で、例としてあげるにはあまりふさわしくありませんでした。
No.8
- 回答日時:
こんにちは。
人間であれば誰でも勘違いしたままのことはあるのではないでしょうか。
もちろん私にも沢山あります。人より多いくらいでしょう。
数学の場合、他教科に比べると「思い違い」が起こりにくいように思いますが、
概念の間違いというのは、例にあげられている「数学的帰納法」と「帰納的」
などが代表的ですね。しかし、数学的帰納法というのは、数学の証明をしている限り、
幾つかの証明法の一つであり、使い方を間違えなければ、「帰納的」か「演繹的」か
というのは問題にならないのはご存知の通りです。
数学での、計算ミス以外の間違いというのは、問題の読み間違いに
起因するものが多いようです。つい先日もこのような事がありました。
ある人が次のような質問をしました。
>数学的には、これは普通のことでしょうか?
それに対して何人かの人が自分なりの意見を言っていました。
そこに次のように、ある方が入っていらっしゃいました。
>勝手な回答をされる方が多いですが、正しい答えはこうです。
>たとえば、小学生では、・・・(省略)
自信たっぷりですね。お分かりでしょうか?質問した方は「数学的には」
と聞いているのに、この方は「小学生では」とお答えになられました。
見事に質問と答えがずれています。(もちろん、小学生が数学を勉強してもいいですが、
小学生だけ特別扱いして「算数」の話をしているのです)。
人の話をよく聞かず思い込みで判断されると、頭の回転の速い方の中にはこういった、
人に指摘されないと分からないミスを結構するみたいです。
これは、もちろん大した間違いではありませんけどね。
大事なことは、こういうことを指摘されたら、熱くなり過ぎないで、
自分を振り返ってみることだと思います(自戒の念を込めて)。
まあ、たまたま私もその場にいたので、例としてあげてみました。
あまり気にしないで下さい。
No.6
- 回答日時:
いろいろなレベルで勘違いしているのは、(数学の講師も人間なので)当然ありますね。
(1) 高校数学の範囲の数学の概念、内容、論理を間違って覚えていて、それを生徒に伝授・解説する場合
(2) 数学(的方法)の妥当範囲、適用限界を意識していない、あるいは知らない場合
>>思い込みや勉強不足で生じるので、間違いが分かっても非難めいた応答はしないことです。感情的な摩擦を作ってもいいことはありません。謙虚な質問形式にて対応しましょう。
>>実例では、「稠密」と「連続」の概念がごっちゃになっている教師。かたくなにdy/dxは分数ではない!と教育的指導を強行に繰り返しながら影でこっそり分数として処理している教師。実係数を仮定して求めた二次方程式の解公式を複素係数に勝手に拡張する教師。無意識に関数を発散級数に展開してしまう教師etc....
(3) 数学とは、答えのある問題を短時間で解答する訓練をする科目・学科である、と生徒に教え込む場合
>>「受験のための高校数学」とはそんなものと割り切って、生徒にいらぬ興味や迷いを抱かせないように親心から、そのように指導している教師と、自分自身が「数学とはそういうもの」と信じ切って疑わない視野の狭い教師とあるでしょうね。これは本質的に恐ろしいことです。
>>数学が答えの分かっている問題ばかり解く学問だったら何の魅力もなくなります。問題意識は別のところにあり、ある課題から問題が形成されその答えが追究される非常に創造的な学問である、ということを教わらずに高校の数学課程を終えるとすれば、本当に寂しい限りです。
創造的な活動が活発なほど「正しい間違い」や「壮大な勘違い」が生まれる可能性も高いわけで、(後の時代から見て)間違いや勘違いでも、必ずしも悪いわけではなく、数学の発展にとって有意義な場合が結構少なくないようです。
高校数学のレベルとは少し違いますが、
オイラーの発散級数の研究をリーマンが複素関数論の解析接続で合理化した(ゼータ関数論など)とか、ヘビサイドの不思議な演算子法をミクシンスキーが四則演算と合成積の可換環から商体を作ることにより合理化したとか、カントルの素朴集合論がやがて公理的集合論として確固たる地位を得たとか、典型的な例が示すように、数学理論の正しさも歴史の中で淘汰され、評価も変わってくるわけで、はじめに不完全な体系を作った人達はその偉大な着想が高く評価されこそすれ、「不完全でたまに間違った結論を導くような怪しげな理論を考えた」などと馬鹿にされる道理はないのです。
このような数学の学問としての最も大切な(本質的な)点を生徒に伝えない教師こそ本当に大きな勘違いをしている人ではないかと思います。
長文ありがとうございます。
具体的には、たとえば「微分可能な関数は連続関数であるが、微分した後の関数も連続だ」と本質的に誤解している高校講師は、皆無ではないと思います。
そのような他の例を考えています。
僕は、まじめに自己研鑽をしていきたいと思っていますが、体調の悪いときに上記のようなことを口走ってしまったことはありますが、高校数学で間違ったことを信念として持っていることはないと思います。
でも、概念を別の角度から理解しなおすことは、今でも多いにあります。
たとえば、無限大に発散する数列は、実数に無限遠点をつけたすと、
無限遠点に収束する数列とみなせる、とか。
No.5
- 回答日時:
中学校,高等学校,大学を問わず,一般の教師(教員免許を持っている人)が数学の公理や定義や概念などを誤解,誤認,勘違い,理解不足,などのまま,教壇に立って生徒に教えていることは,大いに有り得ます.
>>生徒に教える数学自体の重大な誤解を教えて...
ある教師が,どこを,どう間違っているかは,実際にその教師の講義を聴いてみなければ判断出来ません.あなたの言う「生徒に教える数学自体の重大な誤解」は,何なのかを特定することは難しいを思います.
>>200年前の数学者は、数の極限の概念を、直感に基づいて扱い、
>>たまに間違った結論を導いていました。その反省から、
>>たとえば、εδ論法など極限の概念が整備されてきました。
それは,その通りなのですが,これは仕方のない事です.今現在,世界中の数学者が正しいと思いこんでいる数学概念の中にも間違い(ほとんどないとは思いますが)があり,100年後に正されるかも知れません.しかし,今はそれが分からないのですから仕方ありません.「数の極限を直感に基づいて間違った結論を出していた」とあなたは言いますが,今だからそう言えるのです.その当時は真剣でした.
>>今の数学者が50年くらいの前の数学者を見て、
>>重大な勘違いや誤認をしていたってことがあるのでしょうか?
今現在の数学者が50年くらいの前の数学者の重大な間違いに気が付いた,というようなニュースは,聞いていませんが,過去にあります.最も興味のあるものが,その「最たるもの」で,ヒルベルト(David Hilbert, 1862-1943 ドイツ)とクルト・ゲーデル(K.Go"del, 1906-1978 ドイツ --> アメリカ)でしょう(Go"del の o" は o ウムラウト).ヒルベルトが長年信じていた数学概念(証明なしの思い込み)が間違いであることをゲーデルにより見事に証明されたのです.ヒルベルトは恐らく死ぬ思いだったでしょう.これは有名な話ですから,あなたもご存じでしょう.教師レベルではなく,世界最高頭脳レベルの話なので,すこし脱線しました.すいません.
>>数学の世界ではあるのかどうかが気になります。
これは,大いにあるでしょう.私はそう思います.しかし,明らかに「間違いだ」とわかれば,その時点で正されますので,そう心配したものでもありません.大学,大学院レベルであれば,まず,ほとんど「間違い」は皆無と言っていいです(世界中の数学者が気づかない「間違い」は別).問題は中学校,高等学校,専門学校,塾,というところです.しかし,これも,その教師の講義を聞かなければ分かりませんし,疑問が生じたら,勇気を出して,その教師に執拗に聞きただすしかありません.親切に教えてくれる筈です.それが仕事ですから.その教師をダメな教師だと思い込まないことが大切です.どうぞ,健康に気をつけて頑張って下さい.文面を見れば,あなたは有能な方だと分かります.未来の栄光を祈ります.長々と失礼いたしました.
長文ありがとうございます。
具体的には、たとえば「微分可能な関数は連続関数であるが、微分した後の関数も連続だ」と本質的に誤解している高校講師は、皆無ではないと思います。
そのような他の例を考えています。
No.4
- 回答日時:
あなたの友人のいう「帰納法」が演繹法/帰納法の対立における帰納法のこととは限らんのだけど.
「数学でいう, いわゆる帰納法にはいろんな種類があって, その中でも代表的なものが数学的帰納法だ」と言ったのかもしれん.
まあ, 「数学的帰納法は演繹的だ」といわれると違和感を覚えるのだが.
たしかに、「数学的帰納法は演繹的だ」というなら、
「数学的帰納法は帰納的だ」というほうがピンとくるかもしれません。
必要条件、十分条件というのは数学用語だけど、
演繹法/帰納法というのは、数学的用語ではないので、
本質的問題ではないかもしれませんね。
No.2
- 回答日時:
人間は当然、ミスをします。
単なる言い間違いや記憶違いから、重大な誤認まで様々です。
数学の教師が数学について絶対に間違えないということはありません。
まして、数学の教師が、他の科目についてほとんど知識がないことはよくあります。
私の尊敬するある数学者も、歴史の知識は小学生並みです。
この回答への補足
たとえば、
数学的帰納法の解法プロセスは本来は演繹法であるのですが、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%B0%E5%AD%A6% …(参照)
友人の高校数学講師はそうとは思っていなくて、「帰納法を使った証明方法の代表的なものが数学的帰納法です」などと授業で生徒に説明しているようです。
そういった数学の講師が、生徒に教える数学自体の重大な誤解を教えていただきたいです。
200年前の数学者は、数の極限の概念を、直感に基づいて扱い、たまに間違った結論を導いていました。その反省から、たとえば、εδ論法など極限の概念が整備されてきました。
今の数学者が50年くらいの前の数学者を見て、重大な勘違いや誤認をしていたってことがあるのでしょうか?
科学の世界ではそういったことは多いのですが、数学の世界ではあるのかどうかが気になります。
No.1
- 回答日時:
数学だと比較的勘違いしにくいとは思いますが、
証明問題を講師が解いたときに、あっているように見えて実は間違っている
(証明されていない)、ということが、経験上、あったような気がします。
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