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アリストテレス、詩学の後世ヨーロッパへの影響はどのようなことがありますか。

A 回答 (1件)

大きく分けて三つあると思います。



・「模倣」(ミメーシス)ということ。
「詩人(作者)の仕事は、すでに起こったことを語ることではなく、起こりうることを、すなわち、ありそうな仕方で、あるいは必然的な仕方で起こる可能性のあることを、語ることである。」(アリストテレス『詩学』第九章『アリストテレース詩学・ホラーティウス詩論』岩波文庫)
詩人は、人間が現実に行う行為を模倣し、そこからさらに現実以上に劇的に描かなければならない、といいます。
ここからさまざまなミメーシス論が出てきます。

・カタルシスということ
アリストテレスは、さらに悲劇の効果を考察しています。
悲劇は英雄に起こった出来事と行為を再現(ミメーシス)することによって、観客はともに英雄の苦悩を経験し、最終的に浄化作用(カタルシス)を得る。
カタルシス、ということは、悲劇、あるいは文学がその受け手に及ぼす効果、という当初の意図を超えて、フロイトなども使っています。

・筋「ミュトス」ということ
アリストテレスは、悲劇のもっとも感動的な部分は「逆転」と、「発見的認知」(つまり知らなかった状態から、知ることによって、愛したり、憎んだり、と変化すること」にある、としています。何よりも物語の根本にあるのは、この「筋」、「筋」とはなにかというと、「変化」だと言っている。初め-中-終わりを持ち、行為があり、行為を通じて変化がある。これが筋ということである、と。
これはときに「プロット」を始めさまざまな言葉で呼ばれますが、「物語」の構造を見ていくときの重要な概念として受け継がれていきます。

以上、簡単にまとめてみました。参考までに。
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