A 回答 (2件)
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No.2
- 回答日時:
ご存知の通りアルミ電解コンデンサーの絶縁膜は陽極箔の表面に出来た酸化膜です。
また、陽極箔は表面積を増やし静電容量を増加させるためエッチング処理をしてあります。 エッチングとはアルミを溶かす水溶液(水酸化ナトリウム溶液等)内で直流電流を流したり交流電流を流してエッチングします。 その後酸化皮膜形成の為に直流電流を流します。その際に与える電圧で公称耐電圧が決定されます。つまり、アルミ電解コンデンサーは化学的に非常に微妙で漏れ電流はわずかな環境の変化で大きく変わります。
漏れ電流を変化させる大きな要因として、
1)印加電圧(直流)
2)周囲温度(箔温度)
3)内部気圧
4)衝撃
5)電解液の種類
6)経年変化
7)通過電流波形
等が大きく影響する外因です、
1)は皮膜形成電圧(通常はSVとかTVとかと言われる電圧)からのディレーティング。例えば35V定格の物と50V定格の物に30Vの直流を印加した場合の漏れ電流は異なります。
2)周囲温度(=内部温度)。これは一般にアーレニウスの式と呼ばれ、化学では一般的ですが温度が10℃上昇毎に化学的な活性度が2倍異なります。 定格温度が85℃の物でも内部温度が20℃の場合と50℃の場合とで漏れ電流が大きく異なります。
3)内部温度とも関係しますが、その他に何らかの原因(過電圧等)で内部に水素ガスが発生し(電気分解した際に水素が発生します。)た際に内部気圧が上昇し、これも漏れ電流に影響します。
4)外部より衝撃を与えますと酸化皮膜に傷が入ったりして漏れ電流が変化します。オーディオ入力回路等の入力回路に直流電圧をかけた電解コンデンサーを接続し、指ではじくとスピーカーからポンポンと音が出ます。これは漏れ電流が変化する為です。アルミ電解ではありませんが、固体タンタル等では1m程度の所から落としただけで定格漏れ電流を超えてしまう場合があります。衝撃を与えないで下さいとか落とさないで下さいと注意書きされています。
5)電解液中の水分(昔は直流抵抗を下げるため水を含ませていましたが経時変化が激しいため水を含ませる事はなくなりましたが電解液の中に残っているわずかな水分(1%以下)の度合いにより漏れ電流が異なります。
6)同じく経時変化により、電解液の蒸発や、安全弁や封印ゴム等から外部への逃げの為に内部化学変化の状況が変わり漏れ電流が変化します。
7)アルミ電解コンデンサーは直流重疊した交流回路で使用されますが、その交流電圧(電流?)により酸化皮膜の状態が変化し経時変化の度合いが変わります。
この様に電解コンデンサーは非常にデリケートな部品です。単にDC5Vの平滑用に使用するだけであれば安易に使えますが、スイッチング電源であれば高周波特性、周囲温度が高い場合や低い場合は寿命、微小信号回路であれば衝撃や温度変化に気をつけて設計しないと出荷後のトラブルの原因になります。つまり出荷時には問題ないのですが、数ヶ月~数年の間に障害が発生するケースがあります。
また、余談ですが、静電容量は時間と共に減少します。記憶では一般の仕様では保証は5,000時間だったと記憶しております。つまり連続使用では200日後の静電容量が公称値より低くならない様に設計されていますし、静電容量も+100%、-0%または+80%、-20%の物が殆どです。
通常の抵抗は±5%とか±10%が一般的ですからいかに不安定な部品かがお分かりいただけると思います。
しかし、これらの特性を充分理解して設計すれば何のトラブルも無く使えます。
回答としては
温度は内部電解液の活性度による変化(アーレニウスの式に代表される)。
印加電圧が一定の直流であれば電圧印加後に漏れ電流が右肩下がりになり(内部の酸化皮膜が安定になるまで)、その後はほぼ一定で、その後上昇する場合もあるし(内部ガス圧の変化)、低下する場合もある(電解液が外に逃げた場合直流抵抗が上昇し電流が減る)。
No.1
- 回答日時:
>(1)温度が高くなると漏れ電流も大きくなる原因はなんなのでしょう?
電解液の電気抵抗が高温で小さくなる。
>(2)漏れ電流は電圧印加後 一定値なのか時間とともに変化するものなのかがわかりません.
漏れ電流による内部発熱が全く発生しないという条件
あるいは非常に優秀な恒温槽に収容してコンデンサ内部の温度が全く変化しないという条件
の元で数秒~数日は変化しないと考えることができるが
数年のレベルで捉えると経年劣化により変化するとも考えられる。
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