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日本の資本収益率を上げるためには、どういった政策が有効なのでしょうか?

A 回答 (2件)

まず、#1の方は日本の資本収益率ROAの動きについて誤解があるようなのでちょっとだけ。



専門家が世界中の企業の財務データから作成したROAに関する論文が↓に発表されています。24ページの図表だけ見て貰えば良いんですが、総じて日本のROAは低く、製造業はROAの動きが振幅が小さいだけで似ているが非製造業はあまり似ていない、個々の企業のROAの分散も諸外国に比べると日本は小さい、などということが見て取れます。
したがって、なるほど名目成長率やデフレやゼロ金利政策などは例外的なものですが、日本の資本収益率が例外であるというのは誤解です。


まず、ROAが上がるとはどういう現象かということを考えましょう。この部分は同等のことが論文に数式付きで書かれていますので興味があればどうぞ。
ROAは資本が何倍の利潤を生み出すかです。利潤というのは、付加価値額(売上-原価)と利潤率の積で表すことが出来ますから、ROAは利潤率と資本生産性(資本一単位辺りの付加価値額)によってあらわすことができます。
ここから、ROAが上がるとは利潤率が上がるか、資本生産性が上がるかのいずれかの状態であることが分かります。

利潤率が上がるということは付加価値一単位辺り利潤を増やすということです。これは、付加価値額が変わらなければ、設備投資などへの資本への支払いを減らすか、人件費を削減するか、減税をするか、になります。しかしながら設備投資を削減すると売上の減少から利潤率の悪化を招きかねません。

資本生産性が上がるということは、生産技術が上がるか、労働者の資本装備率が悪化(少ない資本で多くの付加価値を生み出すことになるため)するかのいずれかになります。

まとめると、ROAが上昇するとは、
1)資本分配率・労働分配率の悪化
2)全要素生産性の向上
3)資本装備率の悪化
ということになります。

したがって、政策としては
・低利子政策
・低賃金労働の強化
・R&D振興・支援
・法人税など企業への減税
・・・・
となります。

参考URL:http://www.boj.or.jp/type/ronbun/ron/wps/kako/cw …
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この回答へのお礼

お礼が遅くなってすみません。
具体的な政策などを挙げて頂き、私でも理解ができました。

お礼日時:2007/11/18 00:44

ここ17年の株価の動きを日本と海外先進国で比較すると日本だけが例外的であることがわかります。


20年程度の長さのチャートを見たとき、安定して右肩上がりになっていないのはほぼ日本だけ。
さらにマクロ経済指標を比較してみると、
日本だけがインフレ率が極端に低く(現在もデフレを脱出し切っていない)、
他の先進国は大体2~3%程度のインフレ率を保っていることがわかります。
さらに日本だけが名目経済成長率が安定してプラスになっていません。

日本株式のパフォーマンスの低さの原因はマクロ経済にあります。
デフレは経済にひどく有害であり、低過ぎるインフレ率も有害です。
デフレもしくは低過ぎるインフレ率は名目経済成長を阻害し、
企業業績の成長を抑制し、税収の伸びを抑えることによって財政赤字問題も悪化させます。

日本に必要な改革は「3%のインフレ率と5%の名目経済成長を目指す政策の実現」です。
インフレ率は日銀の金融政策によってほぼ決まっているので
政策の実現のためには法を改正して日銀をどうにかしなければいけません。
1年以内に1%以上のインフレ率を実現できなければ責任を取ってもらう。
数年以内に2~4%の安定したインフレ率を実現できなければやはり責任を取ってもらう。
現在の法律では日銀に責任を取らせる方法がありません。
実際日本をデフレに陥らせた責任を日銀はとっていません。

実際に「3%のインフレ率と5%の名目経済成長率を目指す政策」が実施されれば
景気が過熱して、日本の企業業績は大幅に伸び、
資本収益率の上昇および上昇予想にしたがって株価が上昇し、
税収の増加によって財政赤字問題が解消し、
求人が増加して失業者が減ることになります。
今の日本に最も必要な政策はこれです。

この政策を阻む最も大きな要因は馬鹿な庶民の存在です。
カップラーメンやガソリンの値が上がっただけでインフレになったと騒ぎ、
実際にはデフレから脱出し切っていないのに日銀による利上げを望む。
こういう馬鹿な庶民が多数派である限り、
上の政策を支持する議員さんたちは十分に力を発揮できないでしょう。
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この回答へのお礼

政策の実現のためには法を改正して日銀をどうにかしなければいけまない……とても難しい問題のようですね。学習に役立てることができました、ありがとうございました。

お礼日時:2007/11/15 23:56

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