
朗読に関することでわからないことがあります。
対面朗読ではなくウェブを介したやりとりにおいて、
著作権がフリーになっていない本に関して
以下の(1)(2)(4)の組み合わせの中で法的に問題になる
ケースというのはどれになるのでしょうか?
(1)視覚障害の方に or 健常者の方に
(2)無償で or 有償で
(3)朗読した音声ファイルをメールで送る(不特定多数に対する配信ではない)
(4)相手はその本を持っていない
or
相手がその本を所持していて、身分証と本を持った写真を
送ってもらえる
著作権が無効になっていない書籍においては、
どんな形であれウェブでの配信は不可能だろうと考えていますが、
一人の相手に直接メールで送る、相手がその本を持っているとなると
話が変わってくるのでは無いかと考えました。
著者や出版社から許可をもらうことは非常に困難ですが、
本を買って持っているなら既に著作物に関する何らかの権利を
持っているということになりますでしょうか?
また、http://okwave.jp/qa159555.htmlにおいてANo.5の方が
朗読の代行をするという表現を用いていますが、
これはどの程度の範囲が法的に問題なく、
具体的にはどのような流れのものなのでしょうか?
こういった件に詳しい方が居られましたら、是非とも教えてください。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
まず、著作権法第三十七条第3項は「点字図書館その他の視覚障害者の福祉の増進を目的とする施設で政令で定めるものにおいては、公表された著作物について、専ら視覚障害者向けの貸出しの用若しくは自動公衆送信(送信可能化を含む。
以下この項において同じ。)の用に供するために録音し、又は専ら視覚障害者の用に供するために、その録音物を用いて自動公衆送信を行うことができる。」という条文です。また、「政令で定めるもの」は著作権法施行令第二条(著作物等の録音が認められる施設)で定められており、児童福祉法、身体障害者福祉法、学校図書館法、老人福祉法、障害者自立支援法、学校教育法第一条の大学であり、ボランティア団体などは含まれないものと思われます。これ以外の者が朗読した音声ファイルを作成することは、著作物の全部「複製」に該当し、違法です。ボランティアで行っても違法です。
その前提で、
(1) 第三十七条第3項の規定のとおり、目的が制限されています
(2) 著作権法上は無関係ですが、著作権法施行令第二条に指定された
施設の中にはその施設の根拠法令で「図書館資料の利用に対するい
かなる対価をも徴収してはならない」と規定されているものもある
ので注意が必要です
(3) CDなどの媒体に保存する音声ファイルを作成することは「複
製」に該当するので、指定された施設以外が行ってはいけません。
「CDなどの媒体に保存して郵送すること」の意義は、「公衆
送信」に該当することを回避できるということです。この場合、
「専ら視覚障害者向けの貸出しの用」に該当するので返却されるこ
とが前提です。ですから、「健常者」はダメです
(4) 要因にはなりません。しかし、何らかの形で資料を持っていなけ
れば読むことは不可能ですよね。その際の入手方法が「購入」であ
るか、公共図書館などで「借りる」かは要因ではありません。
> 朗読CDをお金を受け取って製作しあげるということには問題がありますでしょうか?
何度も書きますが、CDなどの媒体に保存する音声ファイルを作成す
ることは「複製」に該当するので、指定された施設以外が行ってはいけ
ません。
> 法的にではなく、賠償請求されてしまうかどうかということです。
そのあたりは、自己の判断、自己責任の問題だと思いますが…
> 教えていただいた、CDでの郵送が可能なケースがあるというのは、
この意義は、「公衆送信」に該当することを回避できるということです。
ネットを介した対面朗読について考えて見ると、メッセンジャーなどのボイスチャット等で1対1で行うと、「自動公衆送信」・「送信可能化」・「複製」には該当しないと考えます。その他の権利については、考慮していません。
これ以上は関連法令をご参照の上、ご判断ください
参考URL:http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi
とても分かりやすい回答ありがとうございます。
日頃から学んでいらっしゃる内容を私のような
素人に分かるように教えていただき、とても有り難かったです。
頂いた回答を元に、どういった判断が妥当であるかわかりました。
No.1
- 回答日時:
ネットを介した対面朗読について研究している大学院生です。
これを可能にする技術的な背景は別にして、法的・制度的側面について、ぼくの知る範囲で述べることにします。まずこれに関連する概念は、著作権法第二条の定義のうち「公衆送信」・「自動公衆送信」・「送信可能化」・「複製」・「口述」などです。また、第二十一条から第二十四条で著作者は「複製権」・「公衆送信権等」、「口述権」を専有することになっています。また、第三十七条第3項により、特定の施設は「専ら視覚障害者の用に供するために、その録音物を用いて自動公衆送信を行うことができる」とされています。
これを踏まえて「著作権者の許諾なく」という前提でこの問題を考えると、
(1)視覚障害者の用に供するため、特定の施設が行うなら可
(2)無関係
(3)音声ファイル作成する行為が「複製権」に該当するため、視覚障害者の用に供するために特定の施設が行うことが前提条件となり
ます。メールで送信する行為は送信相手が特定かつ多数の者ならば、「公衆送信」に該当するので、送信相手の数により可、また
は、不可。CDなどの媒体に保存して郵送することは可
(4)無関係
ということになります。
あと留意すべきは「同一性保持権」です。方言などの影響で著作権者の意図に反する「抑揚」で朗読すると侵害する可能性が生じます。
「朗読の代行」に関してはホームヘルパーなどが対面で行うことは、介助の一部とみなされるでしょうが、それ以外の事業者が録音ファイル
などを送信することは「複製権」侵害に該当するでしょう。
この回答への補足
下記の『お礼』に対する補足です。
多くの場合は著作物を『購入していない人』が
複製物・海賊版を入手することが問題となっています。
しかし朗読の場合は、著作物を購入することが可能で
その内容を知る権利を得ている(得ることの出来る)人が
自分が読むのとは別の手段によって内容を知ることです。
これを有償ですることが不当利益に属してしまうとなると
訴訟が存在してしまい恐ろしいですね。
損害も与えていなければ、不当でも無いように思えてしまいますが…。
私には判断する知識がありません。
回答いただきありがとうございます。参考になります。
私の質問の形が悪かったのですが、
(1)に関しては、『視覚障害者の用に供するため特定の施設が行うなら』どんな形であれ権利侵害にはならない。
(2)は有償か無償かということは、著作物の朗読の状況を変える
要因にはならない。
(3)はCDに保存して郵送する場合は『口述』や『上演』にあたり、
複製ではない。
(この場合に健常者、視覚障害者ということは関係ありますか?)
(『口述』『上演』のケースにあたる場合は無償ということでしょうか?)
(4)は本を持っているかどうかは、著作物の朗読の状況を変える
要因にはならない。
このような解釈で問題ないでしょうか?
新しく疑問に思うことが1つあるのですが、
お時間がありましたら教えてください。
もしもある本を購入し持っている人が他の人に朗読してもらいたいと考えた場合に、
朗読CDをお金を受け取って製作しあげるということには問題がありますでしょうか?
(法的にではなく、賠償請求されてしまうかどうかということです。
その場合はもちろん規模にもよるのかもしれません。
また、必要であれば相手には誓約書や証明としての写真をお願い
すべきかもしれません。)
重要な点は、『本を購入し持っている』『CDでの郵送』だと思います。
教えていただいた、CDでの郵送が可能なケースがあるというのは、
これが『不特定多数へ流出しない配慮をしている』ということであると解釈しています。
『本を購入し持っている』ということは、著者や出版社からすれば、
十分に利益が守られ、配慮されている形と思います。
結局のところは本が売られている以上はどんなに対策を
しても起こる問題は起こってしまうため、
利益が守られる形になっていることが重要なのだと考えています。
著作権法的には問題のある内容でも、結局のところは他者の利益を
損失させているか否かで問題になるかどうかが決まると思いました。
私の書いた話は、実際のところは問題になることなのでしょうか?
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