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お世話になります。
スピンのモデルでイジングモデルなどがありますが、
これの「原因」を知りたいと思います。
交換相互作用はハイゼンベルグ的(S1x・S2x + S1y・S2y + S1z・S2z)
なのに、なぜ、xy成分の相互作用が消えてしまうのでしょうか。また、
逆に、XYモデルでは、xy成分だけ残るのでしょうか。

軌道角運動量に関係した異方性のD項(=D・Sz^2)が効いているらしい、
というところまでは何とかわかったのですが、
このD項の発生原因は何なのでしょうか。詳しく知りたいと思います。
また、もしこのD項が原因だとすると、S=1/2の系にはイジングは
あり得ないと思ってよいのでしょうか(D項が効かないので)。

マニアックな質問ですみません。
参考書のポインタでもOKですのでよろしくお願いいたします。

A 回答 (2件)

> 単純な交換作用の異方性は、必ずドット積になるもんだと


> 思い込んでしまっておりました。
直接の交換相互作用(超交換相互作用でないという意味)でも異方性はありますし,
D・(S1×S2) の形の Dzyaloshinsky-Moriya 相互作用と呼ばれるものもあります
(D,S1,S2 はベクトル).

> 現実問題としてはS=1/2でもイジング的
> なものは存在する(存在してもおかしくない)わけですね
かなりあるようです.
XY 的なものは余りないと言われています.
S=1 以上では異方性として相互作用異方性と D・Sz^2 の異方性とありますが,
後者の方が重要なことが多いようです.

スピンの大きさ S で D・Sz^2 がある場合,
D が負で絶対値が大きいと実質的に Sz = ±S しか実現されませんから
S=1/2 のイジング系と同じように見えることがあります.
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この回答へのお礼

ありがとうございます。お忙しいところ(後期が始まったから
でしょうか)、ご解答いただき、恐縮しております。
DMについては、「ひっくり返って隣接サイトに飛んだとき、世界が
違って見えるかどうか」ということで、判った気になっていたのですが、
もっと単純なイジングについて、まるで判っていなかったことが判り
ました。
これからもよろしくお願いいたします。

お礼日時:2002/09/29 23:41

siegmund です.


最近多忙で,教えて!gooは休眠状態です.

磁気的相互作用の起源は非常に複雑で,この方面でメシを食っている私も
「あれ,そうだったっけ」というようなことが時々あります.
他の研究者と議論していても同じようなことがときどきあるので,
単に私がヘボなだけではないようです.

手元の本では
「磁性」(金森順次郎,培風館)
「化合物磁性 --- 局在スピン系」(安達健五,裳華房)
「電子スピン共鳴」(伊達宗行,培風館)
「磁性」(芳田奎,岩波)
などに解説があります.

> 交換相互作用はハイゼンベルグ的(S1x・S2x + S1y・S2y + S1z・S2z)
もともと,このタイプの相互作用は電子間の交換積分などの効果を
実効的にスピン間相互作用の形に表したものです.
確かに,ごく単純な場合(水素分子など)では等方的な形になります.
絶縁体の磁性を念頭に置いているのであれば,なかなかそうはなりません.
通常,磁性を担っているのはdやf電子を持つ原子で,
○ dやfの軌道がそもそも等方的でない
○ 原子番号の大きいものではスピン-軌道相互作用が大きい
○ 結晶場の影響も重要
などの理由により,そもそもスピン間相互作用が等方的なハイゼンベルク形に
はなりません.
詳細は上のテキストなどをご覧ください.

なお,イジング的,XY 的と言うときは,いわゆる XXZ 型ハミルトニアン
J(xy){S1x・S2x + S1y・S2y} + J(z) S1z・S2z
で,
J(xy) > J(z) ・・・ XY 的
J(xy) < J(z) ・・・ イジング的
と言うのが普通です(相互作用の異方性).
D・Sz^2 は一軸異方性,on-site の異方性,などと呼ぶのが普通です.

相互作用の異方性と一軸異方性は区別して扱わないといけません.
S=1/2 の系については一軸異方性は意味がない(Sz^2 が定数になってしまうので)
のは質問文で述べられているとおりです.
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この回答へのお礼

お忙しいところ、すみません。
まず、ともかく本を見てみます。金森先生の本は絶版なのが
残念ですが、図書館で探してみます。

単純な交換作用の異方性は、必ずドット積になるもんだと
思い込んでしまっておりました。
それから、磁気異方性とは、二つあることをよくわかっていま
せんでした。相互作用の異方性はS=1/2かどうかにかかわらず
効きそうですから、現実問題としてはS=1/2でもイジング的
なものは存在する(存在してもおかしくない)わけですね。

お礼日時:2002/09/26 09:14

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