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 死刑を採用している国と、廃止している国を分けている点とは一体何でしょうか?。
 
 単純に国民性でしょうか?。
 信仰している宗教の影響でしょうか?。

 私は特別に死刑を支持しているわけではありませんが、さすがにテレビの猟奇犯罪者特集などで、20何人を快楽目的で殺しても終身刑という報道を見ると、遺族・社会が極刑を求めないのが疑問にも感じます。
  
 死刑廃止国でもやはり、死刑制度成立を求める活動はあるのでしょうか?。もし、そういう活動があったとしても結局は死刑廃止となってしまっているのは、何がその結論に大きく影響しているのでしょうか?。

A 回答 (1件)

死刑を廃止した国の理由は、第一に


あらゆる権力は個人の尊厳を犯してはならないとする、近代法の究極の目的に違反するからです。
特にヨーロッパ諸国は、中世時代に宗教権力による魔女狩りや近代に入る前のフランス革命などで、一人の権力者のために人が大勢殺されるのを経験しています。(魔女狩りなどは、遠い権力者ではなく、隣に住む人が村長がになり、絶対権力者に変貌したりしたのです)
ですから、近代法の趣旨である個人の生存権と国民主権を確立した後は、権力者である国民の総意が死刑を容認するのは自己矛盾をおこすのです。
ヨーロッパ諸国や、米国はこの辺の哲学が大きく影響してます。特に米国は死刑存知の州に、ユタ州などの宗教保守層が多い中南部地域に多く、どちらかというとヨーロッパ知識層に近い東部に死刑廃止の州が多いことから、宗教的な影響は少ないのではないかと考えています。
ヨーロッパ諸国は宗教勢力も権力であると考えているからです。

第二に手続きの問題点です。
例えば韓国では、大統領だった人が退任後逮捕され死刑を宣告を受けたり(全斗煥)、逆に死刑宣告を受けた人がその後大統領になったり(金大中)など、権力と権力執行の手続きいわゆる刑法とか刑事訴訟法と言うものが非常にあいまいです。つまり一人の権力者の意のままになる可能性が強いということでもあります。(段々改善しているようですが)
それでも一応司法権は独立しているようで、韓国では10年間死刑が執行されず、今年事実上の死刑廃止国になりました。

第三に冤罪問題です。
最近米国で「無実プロジェクト(Innocence Project)というのが脚光を浴びています。このプロジェクトは1989年に始まり、DNA鑑定を利用して、200人の囚人の無罪、特にそのうち15人の死刑囚が無罪であったことが判明し、また別の機関でも35年分で124人の死刑囚の無罪が明らかになったという報告もあるそうです。

日本では、犯罪が起きると遺族感情という言葉が飛び交いますが、元々刑法は遺族感情を問題にしていません。
逆にいえば、遺族や被害者の感情を取り入れたら、成文の刑法など作れるはずがありません。同じ痛みでも受け取りかたは人それぞれで、悪口を言われただけで殺してやりたいぐらい憎む人もいますし、殴られても示談ですむ人もいるからです。
刑法はあくまでも罪を犯した人が、社会に復帰できることを考慮した刑罰になっています。そのため日本の刑法犯の場合、裁判への不起訴や執行猶予をつけて保護司に預け社会復帰をめざすなど、犯罪者を更生させる機能が整備されています。
それがうまく回っているのが、世界的に見て犯罪がすくない理由のひとつであると考えられているのです。

凶悪な犯罪は確かにあります。しかし犯罪者が犯罪を実行せざるを得ない社会環境というものも同時に考える必要があるのです。
犯罪はどの社会でも、下層に近い層で多く発生するため、一番最初に書いた「個人の尊厳」と深く関わってしまうからです。
死刑を廃止した国は、個人の尊厳と犯罪者の死を取引しない覚悟を決めたといえるのです。

ただ、死刑廃止国でも死刑の復活を望む声もあるようです。
フランスでは終身刑を受けて服役中の囚人が「火にじわじわと焼かれるより直ちに殺された方がまし」、という公開状を出したようです。
http://www.news.janjan.jp/world/0702/0702049395/ …
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この回答へのお礼

なるほど。
んー、回答して頂いた内容も含めて改めて考えると、どうすればいいのか議論が尽きないのが、当然かもしれませんね。

しかし、韓国が事実上死刑廃止となったのは知りませんでしたし、とてもイメージを裏切って意外でした。たしか、韓国は犯罪者をさらし者にするかのごとく、顔出しでインタビュー中継をしてたような・・・。それに根強い半日精神が恨みを根に持つ姿勢や、国民性も血の気が多いイメージがあったので、報復精神が強いかと思ってました。

ヨーロッパで何故、死刑廃止が認められているかという理由はよくわかりました。よく言われることですが、日本では仇討ちの歴史が国民性としてあるから死刑存続になっているんでしょうかね。

フランスの例ですが、終身刑ってほんと辛いんですね。だれもが死刑より終身刑がまだマシと思うかと思っていました。
死刑よりも極刑として釈放のない終身刑が成り立つのならば、死刑を廃止しつつ、最大の刑罰で裁くことができるということで、話がまとまらないかな?とも思いましたが、「血税で犯罪者に死ぬまで飯を食わせるなんて」みたいな意見も出るでしょうし・・・。人類にとって、これからも大きな問題として続くでしょうね。
ありがとうございました。

お礼日時:2008/01/27 09:06

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