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高校生レベルの内容でのご教授を教えてください。
放射性同位体が変化するときベータやアルファ崩壊を
起こしますが
まずベータ崩壊は質量数を変えずにということなので
中性子→陽子に変化するという事で良いのでしょうか?

またその時でるベータ線(ベータ粒子)はどこから飛び出てくる
のでしょうか?

高校の教科書では、重水素も炭素14もベータ崩壊ですが
ベータ崩壊が自然界では多い?ということはありますか?

また、放射線ということで放射能は?と心配になりますが
ベータ崩壊などの放射能はそれほど気にするものではないので
しょうか?

その他、アルファ崩壊、γ崩壊などの違いなどわかりやすく
ご教授いただけたら幸いです

A 回答 (6件)

大学時代にその辺りを学んだものです。



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まずベータ崩壊は質量数を変えずにということなので
中性子→陽子に変化するという事で良いのでしょうか?

正解です。


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またその時でるベータ線(ベータ粒子)はどこから飛び出てくる
のでしょうか?

ベータ粒子は、電子そのものです。
出どころは原子核です。


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高校の教科書では、重水素も炭素14もベータ崩壊ですが
ベータ崩壊が自然界では多い?ということはありますか?

天然放射線で主要なのは、4つの崩壊系列です。
http://kyoto.cool.ne.jp/zebedee/div.html
その中の2つの図を紹介しましょう。
http://www.ne.jp/asahi/radioactivity/mineral/use …
http://www.ne.jp/asahi/radioactivity/mineral/use …
図中、まっすぐ下向きの矢印がアルファ崩壊、右上方向の矢印がベータ崩壊です。
これを見てわかるとおり、アルファ崩壊の数とベータ崩壊の数には、それほど違いはありません。


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また、放射線ということで放射能は?と心配になりますが
ベータ崩壊などの放射能はそれほど気にするものではないので
しょうか?

アルファ線(ヘリウム原子核に同じ)は電荷があるため、物質中に入射すると物質の電子との“喧嘩”によって急速に速度を落とし、短い距離で止まります。
ベータ線(電子)は物質中に入射すると、やはり物質中の電子と喧嘩をしますが、アルファ線のように思いっきり喧嘩をするわけではないので、アルファ線よりも長い距離を通過した後に止まります。
喧嘩 = 物質に影響を与える  と考えてください。
ガンマ線(光や電磁波の粒子であるフォトンです)は荷電粒子ではないので、アルファ線、ベータ線よりもはるかに長い距離を通過します。

つまり、たとえば人体に当たると、ベータ線はアルファ線よりも広い領域に影響を与えます。
一方、アルファ線は、狭い範囲を“集中攻撃”します。
アルファ線を出す物質が口から入って体のどこかに“常駐”すると、アルファ線は、その箇所を集中攻撃します。
たとえば、プルトニウムは骨にくっつきやすいので、くっつくと、その場所付近を集中攻撃します。
つまり、狭い範囲を集中攻撃するか、それとも、集中ではないけれども広い範囲を攻撃するか、という違いです。

ベータ線の場合に注意しなくてはいけないのが、「制動放射」(制動輻射とも言う)です。
ベータ線が物質中で減速する際、X線を発生します。
X線の出し方って習ったことありますか?
物質に電子ビームをばちばち当てるとX線が発生します。
つまり、ベータ線が減速・静止することと引き換えにX線が出るわけです。
鉛とかでベータ線を遮蔽したことだけで喜んではいけないわけです。


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その他、アルファ崩壊、γ崩壊などの違いなどわかりやすく
ご教授いただけたら幸いです

励起状態(不安定)の核が安定状態に落ちる際にガンマ線を出します。
たとえば、上記で紹介したトリウム系列の図において
228Th→224Raではα1個とγ1個が出ますが、これは、
228Th(αを出す)→ 励起状態の224Ra(γを出す) → 224Ra
です。
ほとんどの崩壊の場合、励起状態の寿命は非常に短いのですが、寿命がある程度長いものがあります。
寿命がある程度長い励起状態の核種を、mという記号をつけます。
たとえばコバルト60の場合、
http://home.hiroshima-u.ac.jp/er/Rmin_GL_027.html
60mCo → 60Co の半減期は10分もあります。
このようなガンマ崩壊を特に「核異性体転移」と呼びます。
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この回答へのお礼

とても詳細なご回答ありがとうございました。

ベータ線もわりと影響があるんですね。
c14は半減期が5000年だから、三重水素は自然界にほとんど
存在しないから影響がないためベータ線の影響がないと
いう事で良いでしょうか?

お礼日時:2008/02/02 19:47

#4です。



炭素は生物にとって必須の元素です。生物の体のほとんどは有機物と呼ばれている物質で出来ています。有機物は炭素を骨格とする化合物の総称です。脂肪、たんぱく質、炭水化物は有機物です。これらの炭素には一定の割合で放射性のC14が含まれています。縄文時代の小屋跡から出てきた木炭を使ってC14による年代測定をすることが出来ます。人骨でも測定できます。エジプトのミイラの皮膚の一部を使ってでも出来ます。
C14による放射線被爆から生物は逃げることは出来ません。
昔ストロンチウム90が問題になったことがあります。SrはCaと性質の似た元素です。Caのあるところには入っていきます。骨や神経にはCaイオンが含まれています。骨に放射性のSrが入っていくと骨髄被爆が起こることが予想されます。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました
理解が深まりました

お礼日時:2008/02/04 21:40

お礼と補足に回答します。



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炭素14も通常の炭素のように一定数生命体の中にも
あるんですね。
人体から出てくる放射線というのはこの炭素14からのものと
考えてよいのでしょうか?
お時間ありましたらご教授いただけたら幸いです

すみませんが、わかりません。
故意にカーボン14を何かの化合物や微生物(?)に導入して、それをトレーサー(マーカーともいう)として追跡調査に用いる方法が、医学や生物学に応用されている例は聞いたことがありますが。


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あともう一点あるのですが
>>ベータ粒子は、電子そのものです。
とのことです。
原子核は陽子と中性子。
クォークなどからできている?というぐらいの認識なのですが
原子核の中にも電子があるのですか?
それとも何かが電子に変化するのですか?
稚拙な質問で申し訳ありませんがご教授いただけたら幸いです

原子核の中にあらかじめ電子が存在しているのではなく、核にある中性子が“あるとき突然化けて”、陽子と電子に変身するということです。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
とても良くわかりました。
いろんな事がわかり今回質問をさせていただいて
本当に良かったです
ありがとうございました

お礼日時:2008/02/04 05:28

C14は放射性ですが化学的性質としてはC12と同じです。


大気中の窒素と宇宙線との反応で出来ます。
このC14は大気中のCO2の中にも含まれています。光合成で植物の中に入ってきます。動物は植物を食べます。死んで腐敗すれば大気中に戻ります。炭素は生物の体の中と外をぐるぐると循環しています。放射性のC14も一定の割合で含まれています。
C14を使った年代測定は生物の体の遺物を使って行われています。死ぬと循環がストップしますから崩壊によって減少するだけになります。
地下に埋まっているから崩壊だけになったのではありません。中国の楼蘭遺跡などでは地上にむき出しになっている古い木材がたくさんあります。この木材で年代測定をすることが出来ます。日本などでは地上に出ている生物の遺骸は腐ってしまって残らないから地下に埋まっていたものに対して測定が行われるのです。

C14による放射線被爆は体内被曝です。
生物の発生のはじめからこういう環境なんです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84% …
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
炭素14から人間を含めて生命はある程度常に被爆している
ということでよいでしょうか?

お礼日時:2008/02/03 20:58

お礼文に回答します。



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c14は半減期が5000年だから、三重水素は自然界にほとんど
存在しないから影響がないためベータ線の影響がないと
いう事で良いでしょうか?


地球が誕生したのは45億年ぐらい前ですから、単純考えですと、半減期が1億年程度以下の放射性物質は、ほぼ全滅しているはずです。
(ウランの半減期は億年単位ですから、今も地球上にあるわけです。)

ということは、
自然界にあるカーボン14(半減期はたったの5700年)や三重水素(半減期はたったの12年)は、明らかに“ごく最近生まれたばかり”のものであるということです。
これらは、宇宙線の飛来によって宇宙線と地球上の物質との核反応で絶えず生成され続けているものです。
つまり、物が地中に埋まった場合、宇宙線は当たらなくなり、カーボン14は減る一方ですので、これを応用すれば、カーボン14の量(同位体比)を測定することによって、年代測定ができるわけです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E9%87%8D% …

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84% …



「寿命や半減期が短いから放射能の影響が少ない」というのは、考え方が全く逆です。
1個の核が崩壊するたびに1個の放射線が出る、つまり“自爆テロ”みないたものですから、寿命や半減期が短ければ、単位時間当たりに出る放射線の数は多い、つまり、放射能が高いということです。
放射能と半減期は、反比例の関係にあります。

放射能 = 時間当たりの崩壊数
 = 時間当たりの減少数 = 平均寿命 × 放射性物質の量
です。
(数式では、-dN/dt = λN と書きます。)

この回答への補足

あともう一点あるのですが

>>ベータ粒子は、電子そのものです。

とのことです。
原子核は陽子と中性子。
クォークなどからできている?というぐらいの認識なのですが
原子核の中にも電子があるのですか?
それとも何かが電子に変化するのですか?
稚拙な質問で申し訳ありませんがご教授いただけたら幸いです

補足日時:2008/02/03 21:30
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この回答へのお礼

たびたびのご回答ありがとうございました。
どうして半減期の短いものが存在するのかと
いうのも疑問でしたのであわせて解消できました。
ありがとうございました。

炭素14も通常の炭素のように一定数生命体の中にも
あるんですね。
人体から出てくる放射線というのはこの炭素14からのものと
考えてよいのでしょうか?
お時間ありましたらご教授いただけたら幸いです

お礼日時:2008/02/03 20:56

http://www5a.biglobe.ne.jp/~genkoku/kiso-koza-2. …
がわかりやすいと思います。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました
参考になりました

お礼日時:2008/02/02 19:39

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