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回転エネルギーというものがいまいち分かりません。
もし、斜面に剛体を転がした場合はじめ剛体がもっていた位置エネルギーは運動エネルギーと回転エネルギーに変わり、その分斜面方向の加速度は減少するのでしょうか。

A 回答 (4件)

回転のエネルギーというのは運動エネルギーの一種です。


車輪の回転を考えてもらえば分かりますが軸の周りの回転は回転という運動です。重心が動かない場合でも可能な運動が回転なのです。
斜面で剛体を転がした場合は回転と落下とが同時に起こります。滑らずに転がる場合であれば1回転で重心は円周分の距離だけ斜面に沿って落下します。

>位置エネルギーは運動エネルギーと回転エネルギーに変わり、
この文章で運動エネルギーと書かれている内容は重心の運動エネルギーです。
位置エネルギーは運動エネルギー(重心の運動エネルギーと重心周りの回転の運動エネルギー)に移ります。
回転のエネルギーに移る量が多ければ重心の運動エネルギーに移る量は少なくなります。

缶ジュースを2本用意してください。片方は飲んでしまいます。そこに小石と発泡スチロールをつめてジュースの詰まっている缶と同じ質量にします。中の小石が動かないようにうまくつめてください。
板でスロープを作って2つの缶を同時に転がします。
どちらの缶が速く落ちるでしょうか。
やってみればはっきりと差が分かります。
やる前に予想して下さい。理由も考えてください。
(この文章を書いている間に#3が出ました。アスパラガスの例ではあまりハッキリと差が出ないと思います。アスバラガスは缶に固定されていないからです。小石と発泡スチロールを詰めたものは私が授業で実際に使ってきたものです。教室の後ろにいる生徒が見てもはっきりと違いが分かります。)

回転運動では慣性モーメントという量が出てきます。
#2の回答にはN=αIという式が出ています。Iは「回転の起こりにくさを表す量」だと書かれています。モーメントという言葉は高等学校では力のモーメントとして出てきました。Nはその力のモーメントです。ところが今までモーメントだと思っていたものが「トルク」という言葉に代わり、新しく「慣性モーメント」という別の量が出てきたのです。わけが分からなくなります。
F=ma
N=αI
の対応関係もただ2つのよく似た公式というだけの受け取り方になってしまいます。おまけにIを求める計算で「面倒だなあ!」という印象になってしまい案す。
回転のエネルギーというのが普通の運動エネルギーと違ったものという印象になってしまうようです。

回転の運動エネルギーを普通の運動エネルギーとつないで見ます。

質量mの物体が半径rの円周上を角速度ωで回転しているとします。
運動エネルギーは
(1/2)mv^2=(1/2)m(rω)^2=(1/2)mr^2ω^2
です。この表現は回転という言葉があっても普通の運動エネルギーのイメージです。違和感はないと思います。
ここでの物体は暗黙のうちにボールのような塊を考えています。
でも円周上に均一にこの質量が分布している場合でも同じはずです。
スポークの質量を無視できれば車輪(車輪状の物体)の回転がこれに当てはまります。
車輪の慣性モーメントIはここに出ているmr^2です。(1/2)Iω^2です。
円盤になれば半径の異なる車輪を重ね合わせて考えればいい事も分かります。質量m、半径rの円盤が角速度ωで回転している時の運動エネルギーを(1/2)Iω^2と書くとI=(k)mr^2と車輪の場合からの修正が出てきます。k<1です。半径が0~rまでの車輪の運動を重ね合わせたものですから質量の全てがrの所にある場合よりもエネルギーは小さくなっているはずです。#1に円柱の場合はk=1/2とかかれています。半径が1/√2の車輪の場合と同じだという意味です。

慣性モーメントを「回転の起こりにくさ」というのであれば質量は「動きにくさ」と言わなければ対応が付きません。運動方程式や運動エネルギーのなかのmをただ質量と呼ぶのであればIを「回転の起こりにくさ」と呼ぶのはハードルを1つ増やす事になります。
私は上に書いたように
回転の運動エネルギーを角速度ωを使って表したときの質量に対応する量とするのが分かりやすいのではないかと考えています。
回転の運動エネルギー=(1/2)Iω^2
とした時のIです。(これは#1でも書かれています。)
剛体の回転の場合、剛体の各部分によって速さが変わりますから(1/2)mv^2という式が使えなくなります。使うことが出来るのはvではなくてωです。こういうことも学習し始めたばかりの時にはなかなか踏まえにくいものです。剛体であってもvの値が1つに決まる場合は質点の場合と区別する必要はないということも分かります。車輪のような場合です。

いろんな言葉使いや式がギャップを作ってしまい、回転のエネルギーが運動エネルギーとは別のものという近寄りがたい印象を与えるようになってしまっているのではないでしょうか。
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この回答へのお礼

これだけの長い文章ほんとうにありがとうございました。
とてもよく理解できました。
回転エネルギーを運動エネルギーとはちがったとくべつなものだと思っていました。

お礼日時:2008/06/06 21:39

回転運動を含めた力学的エネルギー保存則を考えれば、仰るとおり斜面方向への並進運動エネルギーは減少します。

(=加速度減少)

余談ですが、クイズで、「外からでは判別できない缶詰があり、1つにはジュースもう1つにはアスパラガスが入っている。ふたを開けずに判別せよ。」というものがあり、回答として、緩やかな斜面を転がすと、中身が回転していくアスパラガスの方が回転エネルギーを消費し、その分並進方向の運動エネルギーが減るため、落下が遅い、というものがあるそうです。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
そういえばなんとなく想像が出来ます。

お礼日時:2008/06/06 21:56

mitumitu2さんこんにちは


おっしゃるとおり、位置エネルギーは回転の運動エネルギーと進行方向の運動エネルギーに分配されるので、斜面方向の加速度は物体が摩擦なしにすべる場合と比べて小さいです。
回転の場合にもニュートンの運動方程式とそっくりな式がありまして、トルクをN[Nm]、慣性モーメントをI[kgmm]、角加速度をα[rad/ss]
として
N = αI
が成り立ちます。
慣性モーメントとは物体の回転しにくさを表す量で、積分を使うと出てきます。例えば半径r、質量mの球の場合はI = (2/5)mrr、円盤(円柱)の場合はI = (1/2)mrrです。
慣性モーメントI、角速度ωの回転の運動エネルギーT[Nm]は
T = (1/2)Iωω
で表されます。

ですので、よく参考書にのっているように、傾斜θの斜面で球を転がしても進行方向の加速度はg・sinθになりません。
球の場合は(5/7)g・sinθ、円柱の場合は(2/3)g・sinθと、小さくなります。
ちょっとした計算で出せます。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
進行方向の加速度がg・sinθにならないというのはショックです。

お礼日時:2008/06/06 21:53

回転エネルギは運動エネルギのmをI,vをωに置き換えただけ。



もし、斜面に剛体を転がした場合はじめ剛体がもっていた位置エネルギーは運動エネルギーと回転エネルギーに変わり、その分斜面方向の加速度は減少するのでしょうか。
>運動エネルギーは速度の関数。加速度はg*sinΘ一定じゃないかな?
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
参考にさせていただきます。

お礼日時:2008/06/06 21:57

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