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遺伝子の授業で、

例えばある集団に
++(優性)、+m(ヘテロ)、mm(劣性)とあるとき、
(1)その集団の大きさが小さければ小さいほど、mの遺伝子頻度が1または0になるのにかかる時間は短くなる。
(2)始めのmの頻度が大きいと、mの遺伝子頻度は1になりやすい。
というようなことを習いました。

ここで質問なのですが
これらのことは両性個体(例えば線虫とか)でも成り立ちますか?
両性個体って自分のクローンを作るんですよね?
で、交配もしないんだったら遺伝子頻度に関する(1)や(2)って成り立たない気がするのですが、どうなんでしょうか?
それとも(1)や(2)が成り立つのに両性個体とかは関係ないですか?
教えてください。
お願いします。

(ちなみにある線虫C.elegansは、約0.5%の個体は交配を行うらしいのですが、これは無視して考えた場合の話です)

A 回答 (5件)

それは「遺伝子浮動 遺伝的浮動 genetic drift, random geneti drift」のことについての講義ですね。

遺伝子が有利とか不利とかにかかわりなく、継代していくうちに偶然によって遺伝子頻度が変わることです。

たとえば遺伝子プールが1000から構成されていて、そのうち1だけがmであった場合、ハーディ・ワインベルク則によれば、何代たってもmの頻度は0.001のはずです。しかし、実際は偶然mをもつ個体が子を残さなかったとか、死んでしまったとかすると、ある時点で0になってしまいます。mの頻度がもっと高ければ、たとえば1000のうち100だったら、mをもつ個体すべてが偶然全滅するということは起こりにくくなるので、mは遺伝子プールに保持されやすくなります。

mの頻度が1になるということは、野生型+が偶然全滅するということが起こるということです。+の頻度が0.9だとして、1000のうち900が偶然全滅するということは起こりにくいですが、もっと集団サイズが小さく10のうち9だとしたら、何かの弾みで全滅して、mしか残らないということは起こりやすくなります。

遺伝子浮動には優性とか劣性(優れている、劣っているという意味でないのはいうまでもないですね)、あるいは単為生殖するか両性生殖するかは関係ありません(ハーディ・ワインベルク則が成り立つとすれば、単為生殖でも両性生殖でも、世代毎の遺伝子頻度は変わりませんから)。
さらにいえば多少有利な遺伝子であったとしても、遺伝子浮動で集団から失われてしまうこともありえます。

ダーウィンの流れをくむ、進化の自然選択説では有利な遺伝子が選択されて残る、不利な遺伝子は淘汰されるということを重視します(現在ではドーキンスが有名か)。しかし、実際の進化の過程では、遺伝子浮動による遺伝子頻度の変化のほうが強く働いているのではないかと考える学派もあります(ライトや、中立説の木村資生)。

遺伝子浮動を勉強してみてください。
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この回答へのお礼

遺伝子浮動とハーディ・ワインベルク則を基にして考えるべきなのですね。
自然選択が頭の中にありました。。
ものすごく説明が分かりやすかったです!!
遺伝子浮動を勉強してみます。
本当にありがとうございました。

お礼日時:2008/09/04 20:11

遺伝的浮動(遺伝子浮動)は個体数に限りがあるときに起きる現象です。

たまたま子どもを作る数が少なくなったり、遺伝子頻度が平均値から少し変わることがあるから、たとえ適応度に差がなくても、遺伝子頻度が変化するわけです。
たまたま少数の個体が残ったときに、その中にヘテロの個体がいない確率が高ければ、片方の対立遺伝子だけに固定する確率も高くなると思います。
つまり、何か線虫に厳しい状況が発生して、少数個体だけが生き残った場合に、それがみな++かmmであれば、そこでその遺伝子型にFIXしてしまうことになります。
精緻な数学的モデルを考えてシミュレーションをしたわけではありませんが、直感的には自殖は上記のような仕組みで種内の遺伝的変異を減らすように思います。
とても高校や大学の授業のなかで、ここまで難解な問題を先生があつかっているとは考え難いので、lemonade-4さんは先生の予想を越えて、興味深い問題に気がついたのだと思いました。
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自殖の場合も、遺伝子型によって繁殖力に違いがないなら遺伝子頻度は変わらないはずですね。


+/mのへテロ接合体(遺伝子頻度は+, mともに0.5)から自殖を繰り返すと、
+/+とm/mの個体頻度が0.5に近づき、+/mの個体頻度が0に近づいて行きます。
しかし、+/+とm/mの頻度が同じように増えていくので、結局、遺伝子頻度はどちらも0.5のままです。
もし、ホモ接合体になることでどちらかの遺伝子型の出現頻度が下がるとしたら、遺伝子型によって適応度がことなり選択が働くということなので、遺伝子浮動とは別の問題でしょう。

>(ハーディ・ワインベルク則が成り立つとすれば、単為生殖でも両性生殖でも、世代毎の遺伝子頻度は変わりませんから)。

これは誤解を招く書き方をしてしまいましたが、「遺伝子型によって適応度が変わらないという前提」であればということです。単為生殖だと自由交配するという条件にあてはまらないですので。
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この回答へのお礼

皆さんからの回答を元に「遺伝的浮動」や「自殖」などをキーワードにいろいろと勉強していますが、まだまだ時間がかかりそうなので、お礼だけ述べさせてください。
ありがとうございました。

>+/mのへテロ接合体(遺伝子頻度は+, mともに0.5)から自殖を繰り返すと~~~。
なるほど。前回も述べさせていただきましたがとても説明がわかりやすいです。

>自殖の場合も、遺伝子型によって繁殖力に違いがないなら遺伝子頻度は変わらないはずですね。
うーん、そうですよね(?)
このへんをもう少し勉強してみます。

お礼日時:2008/09/09 17:43

lemonade-4さんは面白いことを考えていますよ!いい質問です。



(1)や(2)は、任意の個体の間で交配が起きるような条件で説明しています。「遺伝的浮動」といいます。
雌雄の生殖器官を同時に作るような生物(たとえば多くの植物も)では、個体の中で交配を行うような性質の種もたくさんあります。たとえばスミレとかイヌムギとか。この現象を「自殖」といいます。自殖をすると、ヘテロの個体が急に減ります。このことが遺伝子浮動を早めるかどうかというのは、簡単には答えられない問題だと思います。
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この回答へのお礼

皆さんからの回答を元に「遺伝的浮動」や「自殖」などをキーワードにいろいろと勉強していますが、まだまだ時間がかかりそうなので、お礼だけ述べさせてください。
ありがとうございました。

実は(1)や(2)は授業で習ったことなのですが、それとは別に、今実験の時間に線虫を数世代、いろいろな条件(野生型の割合やヘテロの割合を変えるなど)で育てていて、その結果が出たらレポートを書かなければいけないのですが、今まで授業で学んだことをそのままこの生物に当てはめてもいいのか分からなくなってしまい、質問させていただきました。

なので私の質問が深いわけではないかもしれませんが、
とりあえずgraminさんの言葉でなんだか勉強やる気が起きました!笑
ありがとうございます。

お礼日時:2008/09/09 17:31

集団の遺伝子の頻度が変わるという事は、


子孫を残せる確率が+の形質とmの形質で異なるという事でしょうから、

増え方が有性生殖でもクローンでも結論は同じなのではないでしょうか?
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この回答へのお礼

>増え方が有性生殖でもクローンでも結論は同じなのではないでしょうか?
そうなんですね。
わかりました。
もう少し勉強してみます。
ありがとうございました。

お礼日時:2008/09/04 20:13

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