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よろしくお願いします。
新聞などを読むと、FTAなどを導入して
関税等を廃止することによって、
双方の国家にメリットがある、というかかれ方をしてあります。

日本にとって見れば、関税をなくしてもらうことによって
製造業のコストが下がるかもしれません。
しかし、相手の国にとっては、今まで取れていたお金(輸入税、輸出税?)が取れなくなった場合、企業誘致などの面ではメリットがあるかもしれませんが、その国にいる人にはメリットがあるのでしょうか?

税金で取れていて、国にとっては確実な収入になっていたものが
工場の誘致など不安定な物と引き換えにされることによって現地の人へのお金の流れは少なくなってしまうのではないでしょうか?
他の国も減税措置をとって同じような税率になった場合、そっちに工場や会社を進出させてしまうかもしれないし・・・。

日本にとって見ればコストの削減ですが、相手側の国にとってはなんのメリットがあるのでしょうか????

教えてください。
よろしくお願いします。

A 回答 (3件)

理論的なことはNo.2さんの回答で、十分だと思います。



補足すると、質問者さんのような疑問を持つ国もないわけではありません。
たとえば、ASEANでは既に産業集積があり、投資が経済をけん引することを強く意識しているタイ(自動車産業)、マレーシア(電器電子)、そしてシンガポール(製造業ではなく、金融などサービス業中心ですし、もともと自由こうですが)は、FTA積極派です。

でも、インドネシアはさほど熱心ではない時期もありました。大きな国なので、投資の効果が効きにくいことや、アジア経済危機の前はスハルト大統領の家族が利権を握っていて国内の産業政策も不透明性が大きかったからです。
今は、インドシナ3国があまり積極的ではない、というかビルマは半分鎖国状態(中国の触手は伸びてきていますが)ですし、そもそもWTO加盟国じゃないので、他のWTO加盟国にはFTAの結びようがないという相手なのです。

しかし、現在は、そういう国も巻き込んでいこうとしてます。こうなるとFTA以外に飴玉を用意するしかありません。後発国にはFTAの例外を認めてあげたり、経済援助により投資の誘致や打撃を受けそうな産業あるいは労働者を支援したりするのです。でも、こうなると、先進国や中進国が、そこまでサービスして後発国を巻き込む必要ってあるんだろうか?と疑問に思えてきますね。

でも、私はFTAは半分経済問題で、もう半分は政治だと思っています。WTOでの交渉を団体戦でやろうというのが、最近の通商政策の流れです。FTAはその手段なのです。WTO本来の、多国間交渉=今はドーハラウンドと呼ばれています。このドーハラウンドが停滞しているため、貿易や投資(正確にはサービス貿易や貿易関連投資分野)の自由化はFTAや関税同盟などの地域経済統合でしか実現できなくなっているのです。
もちろん、これに対する反論として、バクワティという経済学者は、様々なローカルルールが増えるとまとめられなくなるぞ!と「スパゲティーボール現象」を警告しています。言葉だけ聞くと、スパゲティーボールなら、ひとつにまとまっている感じがしますね。でも、関税率ではなく、原産地規則の統合が難しいです。関税率は数字ですが、原産地規則は文字通り、文字で表現されることが多いためです。
また、今更FTAから外せば、その国にとっては屈辱になったり、もうこんな枠組み良いやと諦めてどこかいいってしまうものです。たとえば、ミャンマーがASEANはうるさいから、中国の軍事援助だけに依存してしまうなどの可能性です。中国、日本、ASEANの大きなFTAも確かにあるんですが、ミャンマーの他、インドシナ諸国を見方につけようと、中国と日本、ASEANが、枠組みの中での主導権争いを行っているのです。そうやって、東アジアFTA、さらに東アジア共同体を自国にとって好都合な枠組みにしたいと各国は考えているのです。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます

お礼日時:2008/09/18 16:43

>しかし、相手の国にとっては、(中略)


>その国にいる人にはメリットがあるのでしょうか?
どれくらいメリットがあるかというのを試算してみると、
むしろ先進国の人より途上国の人の方にメリットが大きいとも言われています(1)。
ただ、実のところ、たとえば日本と東南アジアがFTAを結ぶと、
東南アジア以外の途上国にはデメリットを与えるというように、
双方には利益だが、第三者には若干の害が及ぶこともあったりもします。

関税や非関税障壁は、生活にかかる重い負担になっていると考えられます。
つまり、商品価格に転嫁されるか、割安な商品が排除されることで、
割高な商品の方しか入手できなくなるか、または消費の対象自体から外れます。
例えば、外国産のテレビに100%の関税をかけるか、輸入を事実上絶っているとします。
国内産のテレビは結局使い物にならなかったり割高だったりして、
その国の消費者はテレビを入手しづらくなってしまいます。
このような障壁は、特定の業界の既得権益となってしまうことが多く、
消費者の利益や、国の産業発展の利益からも乖離しがちです。
複雑な輸入規制は、産業の発展を妨げる効果さえあります。
こうした障壁の撤廃がもたらす恩恵というのは、
消費者にとっては入手できるモノが豊富になり(実質所得の向上)、
労働者にとっては同じだけ働いて得られるモノが多くなる(実質賃金の向上)です。

なお、度々議論の中で無視されていることには、
輸入を増やせば、為替レートが変化し、輸出も増えるのが前提です。
国産品を買った方が所得が向上するとかいうわけではなく、
自国の生産に向かないものはどんどん輸入して、
その分だけ自国の生産に向くものをどんどん輸出した方が、
たくさんのモノを得ることができるようになります。

>税金で取れていて、国にとっては確実な収入になっていたものが
>(中略)現地の人へのお金の流れは少なくなってしまうのではないでしょうか?
税金が減少するという問題は確かにあります。
特に後発の途上国は税金の実効性が乏しく脱税が一般的であり、
関税をなくすと税金の取り場が十分に確保できない問題があります。
従って、いきなり全部撤廃するとかいうのではなく、
段階的に削減していく形でなければ無理が出てしまうと言われます。

>他の国も減税措置をとって同じような税率になった場合、
>そっちに工場や会社を進出させてしまうかもしれないし・・・。
FTAというのはWTOに対して経過的な措置とはいわれますが、
世界の関税が撤廃されるには、まだ長い年数がかかると考えられており、
先行して取り付けるだけの価値がないともいえません。

企業も雇った労働者の技能や設備、輸送などの問題があるので、
ちょっと他の場所の条件がよくなったとしても、
すぐに工場を放棄することができるとは限りません。
先に出来た工場の近隣に、関連する工場が出来てきて、
次第に産業の集積ができて立地が有利になってくることも期待されています。
一旦進出がなされると、設備やおカネだけではなく、
技術、ノウハウ、ビジネス慣習といった文化的な伝播も期待されます。

(1)
日中韓+東南アジアのFTAによるGDP押し上げ効果の試算の例、三菱総合研究所より
なお、実際にそういう効果が表れるとは限らないし、試算の数値も色々ある
http://www.mri.co.jp/REPORT/NEXTING/2004/04/2004 …
日本 +0.33%
インドネシア +5.81%
マレーシア +5.18%
シンガポール +2.71%
フィリピン +2.87%
タイ +20.14%
ベトナム +13.19%
中国 +1.84%
韓国 +2.30%
香港 -0.63%
台湾 -0.75%
その他アジア -0.19%
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日本も農作物などの関税を下げますから。

。。
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