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先程日経で、イギリスの中堅銀行が国有化されるのでは?という記事を読みました。少し前にもノーザンロックの国有化のニュースがありましたが、銀行を国有化すると、具体的にどのような手続きが行われるのでしょうか。

上場してるのなら株を保有するとか、人材を送り込むとか、想像がつきませんでした。又、昔日本が行っていた護送船団方式のように「銀行は絶対つぶしません」という“政策”と採ることと、国有化してしまうことに、実質的な差はあるのでしょうか?併せてご教授願えれば幸いです。

A 回答 (2件)

「国有化」といいますが、一言でいってやり方は国によって様々です。


日本では

特別公的管理

という措置がとられました。日本政府がいきなり銀行の株を市場で買ったりするなどという荒っぽいことはしません。

1.金融再生法に基づいて、特別公的管理の命令を出す。または銀行側に申請させる。

2.資産査定のための銀行検査を行う。

3.株の買取価格を決める。1の処理決定前に、だいたい債務超過かどう見当はつけていますが。債務超過ならゼロ円。日本政府が直接株を持つのではなく、預金保険機構を通じて買います。

4.経営陣は退陣させ、新経営陣の下で出来るだけ早くスポンサーをみつける作業に入る。

5.入札方式で再生計画と価格を競わせ、内容のもっともよい入札チームに銀行を継承させる。日本長期信用銀行の場合はリップルウッド、日本債券信用銀行の場合はソフトバンクなど3社、足利銀行の場合は野村グループです。

この辺りの厳密な手続や根拠法は金融庁の『金融庁の1年』各年版に詳細に掲載されています。米国の場合は、日本と違って中央銀行(FRB)が銀行の監督権限を持っています(州法銀行や貯蓄金融機関の一部を除く)。また日本と違って預金保険公社への加盟は義務ではないため、国有化されず破綻処理される場合もあります。
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この回答へのお礼

なるほど、他金融機関への承継の前に1クッションおくんですね。よく分かりました。ありがとうございました。

お礼日時:2008/10/01 23:48

国有化というのは、銀行の株式を0円と評価すること、株主の意向と関係なく行うことがポイントです。

これは、自由競争の果てに、銀行の自己資本が基準を下回った場合に、経済や預金者保護のために行わたものだと言えるでしょう。
(もちろん、今回のようなケースでの国有化に対する説明であり、社会主義化のための国有化を説明したものではありません。)

護送船団方式では、弱小銀行が潰れないよう競争を抑制するほか、潰れそうになると旧大蔵省が他の大銀行に合併や買収を働きかけました。つまり、ここでは弱小銀行の株にも何円かの価値があるものとして処理されています。

もちろん、経営の傾いた銀行について再建可能と思えば、大銀行が自発的に買収することもあるでしょう。しかし、護送船団方式では、制限競争による利潤の事実上の保証と引き換えに、大蔵省の言うことを聞いていたと解釈できます。実際は、大銀行も救済合併なんて嫌だと思うことがあったのかもしれません。大銀行の水準には及ばない相手の行員まで抱きかかえないといけませんから。(とはいえ、合併された方は肩身が狭く、出世も見込めないため、徐々に辞めていく人も少なくなかったようです)

この回答への補足

すみません、質問者です。

国有化の特徴はよく理解できたのですが、では国が国有化を決めた後は、実際にどんなアクションを起こすのか、併せてお聞かせ願えませんでしょうか?国有化された後の銀行は国の干渉を受けるとか、或いは「潰さない」という保証を与えるだけなのでしょうか。

補足日時:2008/09/28 09:32
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この回答へのお礼

かなりの大事なのですね・・。護送船団方式との違いもよく分かりました。大変分かりやすい解説、ありがとうございました。参考になりましたm(_ _)m

お礼日時:2008/09/28 02:03

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