激凹みから立ち直る方法

純水200gに0.010molのスクロースが溶解した水溶液(A)と純水100gに塩化ナトリウム0.010molが溶解した水溶液(B)がある。

問)Aの凝固点は、-0.093℃であった。Bを冷却して純粋な氷が50gできるときの温度【℃】を求めよ。

解)Bの残った水は50gであることから、溶液の質量モル濃度は0.40(mol/kg)。凝固点降下度は質量モル濃度に比例するので、約0.74(K)。よって-0.74℃。



この問題によると「溶液が固体になる=溶媒のみが固体になる」っていうことですよね?

では、溶液の温度を下げ続けると、質量モル濃度が上がり続け凝固点降下どが∞になり、溶液を完全に固体にすることはできない。
という事になりそうなんですけど、どうなんでしょうか?


それと、実際に溶液の温度を下げていったとき、ある温度で溶解度を越して、途中で濃度が変わることが考えられます。そしたら、最初の状態で求めた凝固点も実際の凝固点と変わってしまいませんか?



最初に凝固点降下を習った時は「なるほど!!」って思ったんですけど、よくよく考えてみるとわからないことだらけでした。

A 回答 (6件)

> 水100gに対する溶解量が0℃のとき30g、100℃のとき50gの溶質を、


> 水100g・100℃に40g溶かした溶液

の場合は、溶質にもよるのですけど、おおまかには以下のようになります。

(1)100℃から冷やしていくと、溶解度が40gとなる0℃より高いある温度t1で、溶質の析出が始まる。
(2)0℃になるまで温度を下げていくと、溶質がどんどん析出してくる。
(3)0℃では、40g-30g=10gの溶質が析出している。凝固点降下により、0℃ではまだ氷は析出しない。
(4)0℃からさらに温度を下げてくと、さらに溶質がどんどん析出してくる。
(5)0℃より低いある温度t2で、突然氷の析出が始まる。溶液が凍りきって氷と溶質に分離するまでは、いくら冷却してもこの温度よりは下がらない。
(6)溶液が凍りきって氷と溶質に分離すると、再び温度を下げることができる。

塩化ナトリウムのように、低温で水和物結晶をつくる溶質ではもう少し複雑になりますけど、0℃の飽和濃度より高い濃度の溶液を冷却したときには、ふつうは、溶質の析出→温度下がり続ける→氷の析出と溶質の析出→温度低下止まる→凍りきったら温度がまた下がりだす、というようになります。また、希薄溶液からスタートしても、全てが凍るのは、同じt2という温度です。

> こういう場合が「希薄溶液ではない」ということなのでしょうか?

いいえ。そうではないです。もちろん、こういう場合“も”希薄溶液ではないですけど、今の場合「希薄溶液ではない」溶液とは、「凝固点降下度が質量モル濃度に比例しない」溶液のことですから、そこまで高濃度でなくてもいいです。希薄であるかそうでないかは、凝固点降下度の実験値と、凝固点降下の比例式から求めた計算値が一致しているかどうかで決まります。十分に希薄な溶液から濃度をだんだんと濃くしていくと、実験値と計算値の差は少しずつ大きくなっていきます。そのため、希薄溶液と希薄ではない溶液の境目は、明確ではありません。明確ではありませんが、水の凝固点降下度が1℃以下の溶液なら、希薄溶液としていいと私は思います。一般には、希薄溶液とみなせるかどうかは、溶液のどんな性質に注目しているかによって変わってきます。


質問者さんが誤解されているかもしれませんので、あえて書きますが

>溶液の温度を下げ続けると、質量モル濃度が上がり続け
凝固点降下度が質量モル濃度に比例するのは、「溶液が希薄」な場合です。解等が不十分だと思います。

という回答は、間違いではないのかもしれませんけれど非常に紛らわしいです。

「溶液の温度を下げ続けると、質量モル濃度が上がり続ける」という理解は、正しいものです。確かに「凝固点降下度が質量モル濃度に比例するのは、『溶液が希薄』な場合」ですけど、凝固点降下そのものは、希薄溶液でなくても起こります。というよりも希薄溶液でない方が、より顕著に凝固点が下がります。凝固点降下度が∞にならないのは、質量モル濃度が上がり続けて溶液が飽和濃度に達すると、それ以上は質量モル濃度が上がらないからです。凝固点降下度に上限があることと、凝固点降下度が質量モル濃度に比例しなくなることとは、無関係です。
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#4と#5の回答が長くて分りにくくなってしまったので、ここで要点をまとめます。



凝固点降下度が∞にならないのは、質量モル濃度が∞にならないからです。

自分の考えがまとまらないうちに回答を投稿してしまって、どうもすみません。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

非常に詳しいご説明で、なんとなく分かったような気がします。
学校では「サラッ」と習った感じだったんですけど、実は、非常に奥が深かったみたいです・・・
理解しているつもりでも、計算結果があっているだけで・・・

真に理解する努力も大切ですね。
今後の勉強に役立てられるといいと思います。


ありがとうございました。

お礼日時:2008/11/13 21:37

> という事になりそうなんですけど、どうなんでしょうか?



という事になりそうなんですけど、なりません。
溶液の温度を下げ続けると、質量モル濃度は上がり続けます。この質量モル濃度が飽和溶液の質量モル濃度に達したところで、凝固点降下は終わります。ここから先はいくら冷却しても、溶液を完全に固体にするまでは、溶液の濃度と温度は変わりません。冷却しても温度が下がらないのは、氷とNaClの結晶[註1]が析出してくるためです。濃度が変わらないのは、おおざっぱに言えば、氷とNaCl結晶が、同じ割合で析出するためです(氷が少し析出すると溶媒の水が少なくなって飽和濃度を超えるのでその超過分のNaCl結晶が析出する)。

> 実際に溶液の温度を下げていったとき、ある温度で溶解度を越して、途中で濃度が変わることが考えられます。

実際に溶液の温度を下げていったとき、ある温度以下では溶解度を越してしまうので、この温度でNaCl結晶の析出が始まります。溶液を完全に固体にするまでは、温度と濃度は一定のままです。「途中で濃度が変わる」のは、この温度に到達するまでです。

> 最初の状態で求めた凝固点も実際の凝固点と変わってしまいませんか?

変わらないです。凍り始めの温度は、溶液の質量モル濃度が0.20(mol/kg)なので-0.37℃、半分凍った時の温度は-0.74℃、凍り終わった時の温度は、#3さんの回答にあるように-20℃[註2]になります。今の場合は初濃度が低いので、凍り終わる温度を実験的に観察するのは難しいですけど、もっと高濃度の食塩水を使えば、凍り終わるまで-20℃以下にはならない事を観察することができます。

[註1]実際に析出してくる結晶は、塩化ナトリウム構造をもつNaCl結晶ではなくて、塩化ナトリウム二水和物(NaCl・2H2O)の結晶です。
[註2]-20℃という数値は、実験的に決められた値です。高濃度溶液の凝固点なので、凝固点降下の式からは、この値は求められないです。

この回答への補足

回答を理解できていない質問かもしれませんが、

例えば、

水100gに対する溶解量が0℃のとき30g、100℃のとき50gの溶質を、水100g・100℃に40g溶かした溶液

の場合はどうなるのでしょうか?


こういう場合が「希薄溶液ではない」ということなのでしょうか?


回答お願いします。

補足日時:2008/11/11 21:05
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この回答へのお礼

詳しい回答、ありがとうございます。

確かに、凍り始めの温度はわかっても、完全に凍るまでの温度は難しいようですね。

ありがとうございました。

お礼日時:2008/11/11 21:05

>この問題によると「溶液が固体になる=溶媒のみが固体になる」っていうことですよね?


そういうことです。

>では、溶液の温度を下げ続けると、・・・どうなんでしょうか?
これまでの回答にもありますように、希薄溶液に関する法則の多くは濃厚溶液では成り立たなくなってきます。現実にどうなるかは溶媒や溶質の種類によるでしょうし、やってみなければわからないでしょう。

>それと、実際に溶液の温度を下げていったとき、・・・最初の状態で求めた凝固点も実際の凝固点と変わってしまいませんか?
この設問の範囲ではそういったことは起こりませんが、現実には起こりうることです。
たとえば、「操作としては」凝固点降下の実験とは異なりますが、「現象としては」同じ内容を含む実験として、氷に食塩をかける実験があります。つまり、氷に食塩をかけると温度が下がります。食塩の量を多くすれば-20℃程度まで下がります。これは食塩をかけることによって、一部が溶け、それによって凝固点降下が起こり、0℃の氷が融けて、その融解熱で温度が下がるからです。この時に、温度は無限に下がり続けるのではなく、-20℃付近で止まってしまいます。その時によくかき混ぜたとしても、容器に食塩が溶けないままで沈んでいることでしょう。つまり、この時点で飽和食塩水になっているということです。言い換えれば、食塩の溶解度がネックとなって、温度が-20℃以下にならないということです。
つまり、「ある温度で溶解度を越して、途中で濃度が変わる」ではなく、「ある温度で溶解度を越して、途中から溶液部分の濃度が変わらなくなる」ために、それ以上氷が溶けることもなく、温度低下も起こらないということです。
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この回答へのお礼

なるほど、条件があるんですか。

確かに∞にはならないですね。
希薄溶液ってすごい・・・(笑)


回答ありがとうございました。

お礼日時:2008/11/11 21:01

まあ、御不審は尤もですが、出題者の頭の程度に免じて許してやって下さい。

^o^

なお、
>凝固点降下どが∞になり…
は興味ありますが実際にはそのような事態にはなりません。残念です。
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この回答へのお礼

ですよね。
自分もちょっとワクワクしました(゜∀゜*)

実際にならないなら何ともいえませんね・・・


回答ありがとうございました。

お礼日時:2008/11/11 20:55

>「溶液が固体になる=溶媒のみが固体になる」


はい、そうですね。

>溶液の温度を下げ続けると、質量モル濃度が上がり続け
凝固点降下度が質量モル濃度に比例するのは、「溶液が希薄」な場合です。解等が不十分だと思います。

>凝固点降下どが∞になり、溶液を完全に固体にすることはできない。
水(溶媒)の凝固がすすみ、モル濃度が大きくなると、凝固点降下度が質量モル濃度に比例しなくなるのでしょう。したがって、凝固点降下度→∞とはならなさそうです。

>実際に溶液の温度を下げていったとき、ある温度で溶解度を越して
なるほど。非専門家の私にはわかりませんが、ありえるかもしれませんね。難しそうな問題です。

中途半パな回答ですが、参考になれば。
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この回答へのお礼

確かに溶液が凍らないことはありえませんね。
ジュースとか普通に凍りますよね(笑)


希薄溶液のみ、成り立つ条件なんですか。
知りませんでした。


回答ありがとうございます。

お礼日時:2008/11/11 20:52

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