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よく俳優さんや女優さんが、演技の役作りのために心理学の勉強をしたり本を読んだりした、と聞きますがそれはどの分野の心理学なんでしょうか??行動心理学かなんかでしょうか?詳しく分かる本などがあれば、ぜひ教えてください。

それと、私も役者になりたいと考えているのですが、演技するには心理学を学んでいた方が有利なのでしょうか?人間について詳しく勉強できますし。

A 回答 (3件)

 


俳優になるのに心理学の勉強をして何になるのかというのも、もっともことかも知れません。しかし、役者というのは、何をする人なのでしょうか。一応、監督がいる訳で、監督が心に抱く、あるシーンを具現化するため、「こういう演技を」と指示されれば、そういう演技ができる人ということになります。

そのためには、色々な職業を経験し、人生経験を積むことも、もちろん重要なことかも知れません。しかし、他方で、俳優は「無学であってはならない」ということも言えます。無学である人も大勢世のなかにはいますが、そうでない人も大勢います。

「心理学」というのは、「学問」である限り、「実証性」を前提に理論や観察報告などが記されています。そのため、「人の心を知ったり、研究するための」「実際に」は役立たないというのも本当です。しかし、「心理学概論」であっても、そこに記されていることは、基本的に確認されている理論や事実などです。

「パヴロフの犬」は、ある刺激を与えて条件反応を造ると、食べ物がなくとも、ベルの音がなると、犬が涎を出すという条件反射についての研究結果です。俳優の場合、悲しくなくても涙を流さねばならないことがあり、楽しくなくても、いかにも幸福そうで楽しいという表情や動作をせねばならないことがあります。

このため、「悲しいという気分になるのだ」、そしてそういう気分になると、条件反射で涙が流れるように自分で条件反射構成する訓練をすると、演技のなかで、必要なときに涙が出てきますし、楽しい演技のときは、条件反射で、楽しい様子になってしまうというのもあります。そういうことが可能だと、パヴロフの犬は教えてくれるのです。

(人間は涙を流すので、悲しくなるのだ、笑うので楽しくなるのだ、というのは「ジェイムズ・ランゲ説」と言いますが、これは違うということになっていますが、一面の真理でもあると思います。劇で役に没入すると、自然にその人物の感情が起こって来たりすると、これはジェイムズ・ランゲ説の実証のようなものです)。

学習曲線でも、俳優として伸び悩むと、学習効果は、こういう風に現れるのかということで、自分で、練習などを調整できます。スポーツの指導をする先生などは、学習曲線はかなり重視します。

その他、社会心理や深層心理や性格学や、感覚についての心理学的な事実を学ぶと、色々なことが違って見えてきます。学問があるとないのでは、差が出てくるのです。心理学では、感覚の錯覚とか、感覚の構造なども出てきます。熟練した俳優が読むと、自分が演技に使っていた、ある技法は、心理学的なこういう錯覚を使っていたのかとか分かることもあります。

しかし、とりわけ役に立ちそうな心理学と言えば、臨床心理学や異常心理学がそうかも知れません。臨床心理は、深層心理も含み、心に苦しみや問題がある人に対し、どうするか、というようなことを扱います。俳優の演技するものは、心の葛藤や、矛盾などがあり、臨床心理は、人の心の複雑さを理論的に知るのに役に立ちます。

また異常心理学は、心理や感覚や精神の異常についての心理学で、やはり、極限的な人の心理について、了解するための学問的な事実や理論が分かり、人間の心の複雑さや奥行きや可能性の大きさが分かるでしょう。これは、実経験では、経験しきれないようなことを扱うので、役に立つと思えます。

>それと、私も役者になりたいと考えているのですが、演技するには心理学を学んでいた方が有利なのでしょうか?

わたしは、基本的な教養だと思います。心理学概論も、臨床心理学も異常心理学も、基本教養であって、知っていて当然ということだと思います。有利か不利かは、「理論だけで演技ができる」などという錯覚は有害ですが、知っていて、不利なことにはなりません。

演技力が同じ人と比べれば、(上で述べているように、理屈で演技すると害になりますが)、知識を持っているということは、より広く人間の可能性やヴァリエーションを知っているということで、想像力もまた広いということで、有利でしょう。

最後に、ショーン・コネリーという俳優がいますが、彼は、『薔薇の名前』という西欧中世を舞台にした映画で、主役の修道士を演じるにおいて、独自に、西欧中世の文化や社会について、100冊以上の本を読んで、自分でも詳しく研究しました。

無論、俳優は監督の指示に従わねばならないのですが、監督の心で描いている演技がどういうものか、言葉を聞いて、それに対応できるには、やはり色々な知識が必要だということになるのでしょう。知識だけでなく、実経験も無論重要ですが、ここでは、知識も重要だという話です。
 
本については、「心理学概論」「臨床心理学概論」「異常心理学概論」のような本が複数あるはずです。書店で、眺めてみて、選んでみてください。基本教養だと考えられることです。それですべてではありません。
  
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僕の周りにも役者志望はいるけど、役者になるために、心理学を勉強するという話は、聞かないなぁ…。



megumiさんが「役作りのために心理学の勉強をしたり本を読んだりした」と聞いた役者さんは、心理学そのものを勉強したんですかね…。演技をするのにパヴロフの犬とか学習曲線とかの知識が役に立つとは思えません。質問を読む限り、その役者さんは、心理学やその周辺領域の読み物を読むことで、人間行動の不思議さや分からなさを学んだのかな、と思いました。

心理学や社会学、人類学や哲学、文学といった、いわゆる文科系の学問(人文科学)の領域の優れた本を読むと、人間がいかにわからないか、驚くことが多いです。役者さんが演技をする上で、やっぱり一般的で常識的な人間観だけでは対応できない部分があるんだと思います。それは淡々と日常生活を送っていたのでは出会えないものである場合も多く、そこを補うために、本を読むことは、非常に重要なのでしょう。もちろん基本は職場や学校、家庭での人間関係ですが、すぐれた本を読む前と読んだ後とでは、日常の風景も見え方が違います。

だから、もしかしたら豊かな役者さん、演劇人になりたいと思う場合、心理学に限らず文学や哲学、人類学や社会学などの本を読むこともひとつの方法であるなぁ、と思います。本の選び方は人それぞれですが、本屋さんや図書館で手に取って自分が面白そうだなと思ったものだけを読む、難しかったりつまらなかったりして読めそうになかったらさっさと別の本を手に取る、無理をしないというのが僕のやり方です。

最初は岩波、講談社、中公をはじめとした新書から入るのが良いと思います。中公は、よく分かりませんが、岩波には結構、心理学系の良書があったように思います。心理学そのものずばりではありませんが、臨床心理学者を標榜する河合隼雄さんの本なんかは良いんじゃないですか。岩波だと『コンプレックス』とか『子どもの宇宙』なんかが面白いと思います。
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こんにちは。



演技するには、心理学の勉強もすればしたで、
身になると思いますが、それよりも、
実生活、実社会で、人々がどんなふうにかんがえ
どんな毎日をおくっているのか、それを知るとよいと思います。

具体的には、いろんなバイトを経験して、
いろんな人としゃべり、いろんな人をみることです。

あと、それで足りない部分は、本をよむことでおぎなえるとおもいます。
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